採用時の年齢制限を撤廃するだけでは、何のために雇用したのか問われかねません。職員採用における課題について質問しました。9月定例月議会、一般質問の報告④です。
ここでは、「4.職員採用における課題について」の報告です。
新型コロナウイルス感染症による影響や、近年、社会的課題となっている就職氷河期世代への対応、また民間企業等で培った経験などを発揮していただける優秀な人材を確保するという観点も踏まえ、市は、年齢制限の撤廃を行った職員採用試験を実施したとのことですが、「職員採用における課題について」では、まず、初任給の上限金額を確認し、いまだに年功序列型の制度・文化が強い本市において、採用時の年齢制限の撤廃を行ったことは評価できますが、何のために雇用したのかを疑われることのないよう、年齢制限撤廃に対応した初任給格付けのあり方や、採用後の処遇体系なども含めた抜本的な制度改革に早急に取り組んでいただくよう要望しました。
以下、9月15日の一般質問のやりとりを掲載します。
4.職員採用における課題について
Q.私の質問
今年度の職員採用試験では、年齢制限の撤廃も試みておられる。いまだに年功序列型の制度・文化が強い本市において、年齢制限の撤廃を行ったことは、かなり思い切ったことだと思われるが、その目的と、応募者の年齢構成など、採用試験の応募状況について、伺う。
A.総務部長の回答
受験資格の年齢要件については、現在の新型コロナウイルス感染症による影響や、近年、社会的課題となっている就職氷河期世代への対応、また民間企業等で培った経験などを発揮していただける優秀な人材を確保するという観点も踏まえて、年齢制限を撤廃したものである。
採用試験の応募状況であるが、全職種合計60人程度の募集に対して、1,467人の応募があった。
年齢構成については、例えば事務職は、これまでの年齢上限である25歳までの大学卒枠で412人となっており、新たに設けた年齢制限を撤廃した一般枠は748人となっている。
Q.私の質問
年齢制限を撤廃して採用をするのはよいことだと思うが、まず、問題となるのが初任給の格付けだと思う。前歴を換算されたとしても、本市の給与制度において、初任給に上限金額があるとすれば、それはいくらになるのか、伺う。
A.総務部長の回答
現行の初任給の上限については、行政職給料表の適用となる場合において地域手当を含めた金額は月額 272,360円となる。
O.私の意見
採用試験における年齢制限撤廃により、就職氷河期の方の雇用や民間企業等での勤務経験のある方の雇用の可能性があるわけだが、民間企業等で働いておられた40代や50代の方が採用された場合の初任給の上限額が月額272,360円では、同年代の本市職員の平均月収と比較するとかなり格差があるし、生活を維持していくことができるのかも疑問である。
何のために雇用したのかが疑われかねない。
年齢制限の撤廃を打ち出すのであれば、あわせて、初任給格付けのあり方や、採用後の処遇体系なども含めた抜本的な制度改革をしなければ、結局、働き続けてもらうことが困難になるのではないか。
採用時の年齢制限撤廃に対応した処遇体系の見直しに早急に取り組んでいただくよう求めておく。
上限額272,360円は、行政職給料表1級93号給の給与月額247,600円に地域手当10%を加算したもの。