枚方市議会報第354号(2025年新春号)が発行されました。決算特別委員会での私の質疑も掲載されています。予備費を充用した庁舎外壁落下事故の対応工事が年度内に終了せず、翌年度に予算の繰越しを行う等、「ズルズル」「ダラダラ」が続くがゆえ、「グダグダ」になってしまっている手続きについて、さまざま指摘し、意見しています。
枚方市議会議員の奥野みかです。
枚方市議会報第354号(2025年1月1日新春号)が発行されましたので、皆さんのお手元にまもなく届くと思います。
新春号では、市議会の新たな取組、新春の挨拶、各会派新年の抱負とともに、2・3面に5日間にわたって開催された決算特別委員会の審査結果や各委員の質疑内容が掲載されています。
今回、「連合市民の会」選出で決算特別委員を務めた私の質問一部(以下の項目)は3面の右上に掲載されています。
「庁舎外壁落下事故の対応 予備費の繰越しは不適切」
「無駄な存続対策ではなく 早急に庁舎の更新整備を」
「環境影響評価 評価前提が不確定 未完了は当たり前」
決算特別委員会は、一般会計が2日(委員会別)、特別会計・企業会計が1日の開催日が設定されており、私は下記の質問を順次行いました。詳細はホームページに掲載していますので、ご覧いただければ嬉しいです。
【一般会計 総務・教育子育て常任委員会分】10月3日
(1) 経常収支比率について
(2) 財政調整基金から他基金への積み替えについて
(3) 会計年度独立の原則、予備費について
(4) 庁舎本館外壁打診調査・外壁改修工事
(5) 庁舎管理経費
(6) 枚方市駅周辺再整備調査設計等事業費について
(7) 公設市場管理経費について
(8) スライド条項の適用について
(9) 臨時保育室事業経費について
2023(令和5)年度決算の認定案件は決算特別委員会に付託され、A日程(総論及び総務・教育子育て部門)の10月2日、3日、B日程(総論及び市民福祉・建設環境部門)の10月8日、9日、C日程(特別会計・企業会計)の10月15日の5日間にわたって開催される決算特別委員会で審議することになっています。
委員は15人で、「連合市民の会」会派からは、八尾議員と私の2人が出ています。今日はその2日目(総論及び総務・教育子育て部門)でした。
質問の順番が8番目の私は、2日目の朝一番に質問に立ち、まずは、経常収支比率の悪化についての質問から始めました。
決算関係の質問では、まずは、経常収支比率の悪化についての質問から始めました。
本市財政の硬直化は進み、財政状況としては予断を許さない状況です。財源確保策の見通しがない中で新規事業をスタートさせてしまうと、本市が必要とする他の重要なインフラ整備やサービス、福祉・教育などの事業執行に支障をきたす危険性があり、それでは、将来世代に対する責任が果たせません。後年度負担の増加が明らかな事業を新規で始めるにあたっては、その事業の費用対効果、長期的な財政負担の影響、さらには枚方市が抱える他のさまざまな施策課題を総合的に判断し、限られた財源の中で、何を実施することが大切なのかという「優先順位についての判断」を行うことが大切であり、そのことを議会や市民の理解を得られるように、しっかりと説明しなければならないのではないと考えます。
決して「ズルズル」と施策・事業を始めたり、「ダラダラ」と継続したりしてはならないのです。そういう姿勢で施策・事業を進めると、必ず、さまざまな手続きが「グダグダ」になってしまいます。そういう考え方をベースに質問を行いました。
個別項目でも、「ズルズル」、「ダラダラ」と続くがゆえ、「グダグダ」になってしまっている手続きについて、さまざま指摘し、意見しています。
例えば…、
2023年4月の庁舎本館4階バルコニー上部からのコンクリート片落下事故に始まる一連の手続きについては、最初の庁舎本館外壁調査委託は、「緊急」ゆえの予備費充用と2023(令和5)年度予算の「合わせ技」で対応し、庁舎本館外壁改修工事は、予備費充用の「緊急工事」の「暫定契約」が「会計年度」をまたぐことになり、結果、予備費充用分の一部を翌年度へ繰り越すという、極めてわかりにくい「グダグダ」の手続きとなっていました。事故発生から工事終了まで約13か月。いずれも、(途中からでも)議会で審議の必要な補正予算対応をすべきであったのではないでしょうか。
老朽化した公共公益施設の更新は急務であるのに、⑤街区への市役所新庁舎案という前提から離れられないため、無駄な老朽庁舎等の存続対策が「ズルズル」、「ダラダラ」と続いているのではないかと、年間3,000~4,000万円もかかっている庁舎第3分館の維持管理経費についても質しました。
また、「環境への影響」を評価する前提事実が不明・不確定であるから、環境影響評価の中核的な作業ができないのはあたりまえで、環境影響評価作業に入る前の入口でウロウロしていて、2023(令和5)年度予算での執行ができず、当初設定した契約期間や契約金額に変更があるとして、改めての債務を設定して先に送った枚方市駅周辺土地区画整理事業環境影響評価業務委託に係る手続きの「グダグダ」についても指摘し、大規模災害に備えるためにも、枚方市駅周辺再整備基本計画を適切に見直し、高度な機能を集積させた防災公園に隣接させて災害対策の拠点となる市役所新庁舎の整備について、④街区において早急に進めることが必要ではないかと求めました。
営業廃止・店舗返還後、2年弱になる公設市場サンパークについて、すでに実態がなくなっているのに、施設改修や維持管理に係る経費を「ズルズル」、「ダラダラ」と商工費で執行しているのは、予算の明瞭性の観点から適切ではないのではないか、予算執行手続きの「グダグダ」についても指摘しました。
【一般会計 市民福祉・建設環境常任委員会分】10月9日
(1) 新型コロナウイルス予防接種健康被害給付費負担金について
(2) 学校園施設改善事業(トイレ改造工事)について
まず、新型コロナワクチン接種について、予防接種法上の「特例臨時接種」は2023(令和5)年度末で終了し、2024(令和6)年度以降は、個人の重症化予防により重症者を減らすことを目的とし、65歳以上の高齢者等は予防接種法(B類疾病)に基づく「定期接種」、それ以外の方は予防接種法に基づかない「任意接種」に変更となります。予防接種法での取り扱いが変更したことに伴い、副反応による健康被害の取り扱いも変わります。そのような中、本市においては、予防接種の担当課も変更となります。そこで、予防接種に関するリスクとベネフィットの情報提供や予防接種に対する各種ご相談への対応、健康被害に対する対応、さらに、継続して必要な伴走支援等について要望しました。
また、2023(令和5)年度で学校施設のトイレ改造は完了したとはいえ、留守家庭児童会室には男女共用トイレや和式便器が残り、さらに、熱暑災害とも言える環境の中、教室等空調設備DBO事業による一斉更新からも除外されている校舎外専用棟の空調設備について、先の一般質問に続いて問題提起し、施設整備の専門的知見を発揮いただき、留守家庭児童会室施設の整備についてもしっかりと検討いただくよう、意見しました。
【特別会計及び企業会計】10月15日
(1) 市立ひらかた病院の経営状況について(病院事業会計)
(2) 病院で勤務する看護師の現状、看護師確保策について(病院事業会計)
(3) 修繕引当金について(水道事業会計・下水道事業会計)
病院事業会計では、安定した経営基盤を構築するために定められた「経営強化プラン」が、計画期間の初年度となる2023(令和5)年度決算において、「収支計画」の計画値から大きく乖離(赤字化)する結果となり、さらに、看護師の大量退職に伴い、2023年10月に35床、2024年3月には47床を休床する事態となり、経営の要となる入院患者数も減少していることなどから、2027(令和9)年度までの経常収支の黒字化をめざす実効性のある計画とするため、改めてプランの見直しが必要ではないかと問うたところ、2025(令和7)年度中には見直すとのご答弁がありました。
また、医療業界を取り巻く現状が厳しく、人員の確保が難しい状況の中で、看護師を確保するためには、給与や手当といった処遇面も重要な要因であると考えます。交代勤務が可能な看護師の確保のために行っている取り組み、厳しい労働条件の中でキャリア継続できる看護師人材を確保するために行っておられる取り組み・環境整備についても確認し、職員が誇りとやりがいを持って働くことのできる魅力ある病院づくりをさらに進めていただくことにより、持続可能な経営基盤の構築を図っていただきたいと、要望しました。
水道事業会計・下水道事業会計では、修繕引当金の取り扱いについて確認しました。修繕については、そもそも修繕が遅延するリスクを最小限に抑えるための努力が必要で、もともと予定されている事業年度で修繕対応が実施されることが望ましいと考えますが、さまざまな事情もあるため、結果として、翌事業年度に持ち越す場合の修繕引当金の取り扱いについては、明確な会計基準に基づき、今後も適正に執行されるよう要望しておきました。
【議会報(テキスト再掲)】
◇庁舎外壁落下事故の対応 予備費の繰越しは不適切
奥野議員 年度当初の庁舎本館外壁落下事故への対応として、打診調査を経て10月から翌5月までの庁舎本館外壁改修工事が実施された。施工決定時期や予算規模、工事内容や工期等に鑑みると、予備費の充用ではなく議会審議のある補正予算で対応すべきである。加えて、予備費充用分を翌年度に繰り越すのは問題があるのではないか。見解を聞く。
財政課長 年度内に本予算の執行が完了しないため、必要となる対応をした。
◇無駄な存続対策ではなく 早急に庁舎の更新整備を
奥野議員 市民会館の廃止後、庁舎として使用している第3分館(旧大ホール棟・市民会館本館)の維持管理費の4・5年度決算額と6年度予算額を聞く。
総務管理課長 4年度は約4,100万円、5年度は約3,300万円で、6年度は約4,600万円の計上である。
要望等 老朽施設の無駄な存続対策に貴重な税金が使われている。大規模災害に備えるためにも、④街区(*4)での庁舎の更新整備に早急に取り組むべきと意見する。
◇環境影響評価 評価前提が不確定 未完了は当たり前
奥野議員 枚方市駅周辺再整備に係る環境影響評価は5年度に完了せず期間を7年度まで延長した。評価の前提事実が不明、不確定では中核的な作業ができないのは当たり前である。当該予算は、庁舎移転条例の否決直後に、庁舎位置にかかわらず準備行為として必要な経費を補正すると説明されたが、改めて見解を聞く。
市駅周辺まち活性化部長 庁舎位置の確定とまちづくり全体を進めることは切り分けて考えており、着手できる調査を進めるため予算計上した。