相互に助け合い、人と人とのつながりが生まれる社会をめざして。7月9日、「孤独・孤立」をテーマに「みか’s cafe」を開催しました。
枚方市議会議員の奥野みかです。
7月9日、3回目の「みか’s cafe」を開催しました。毎回、雨の中の開催となっていますが…、これまでのメンバーに、自営業の若者、深く地域活動を重ねてこられている皆さんも加わり、ゆるやかな対話が、とってもとっても盛り上がりました。集まってくださった皆さん、ありがとうございました。
今回のテーマは「孤独・孤立」でした。
「孤立孤独で悩む人を誰一人取り残さない社会。相互に助け合い、人と人とのつながりが生まれる社会をめざす」と、法律を作って取り組まないといけないくらい、孤独・孤立の問題が深刻な時代になっている。しがらみと考えられていた血縁、地縁、会社縁等がなくなりつつある。核家族化、高齢者のひとり暮らし、孤独死。その後、震災で、地域を離れて暮らす方の孤独。そして今、つながりを持てなくなった若い人の社会的な孤立も問題になってきている。
…成立したばかりの「孤独・孤立対策推進法」の目的も共有しながら、地域や現場でのさまざまな実情や思い、それぞれが行っている支援について、語り合いました。
・「孤独」は感じかた(主観)、「孤立」は状態のこと(客観)で、概念は異なるが、その原因は重なることも多い。孤独・孤立の問題が難しいのは、問題につながるケースと問題につながらないケースがあるということ。
・孤独・孤立は、高齢者の問題のみではなく、すべての世代に関わる問題で、真正面から向き合い、対策を急がなければならないということは理解できるけれども、いったい何をゴールとしてめざすのか。誰一人取り残さないと言うが、ポイントを絞らなければいかないのではないか。
・孤独になるタイミングがわかればいい。尊重され、認めてもらえるから生きていける。働きが終わるタイミングで、居場所を失い、孤独になるのではないか。
・つながり孤独と言われるが、ネットでつながっているけれども、実際に助けてと言える人はいない、実はつながっていない、そういう人が増えている。
・友だちが困っている時に自然と助けてあげるとか、自分が困っていると言えるとか、そういう力を身につけているのか。いま、おせっかいなおばさんは絶滅危惧種か⁉
・支援の中での一番のねらいは、社会を恨む子をつくらないということ。一人でも信頼できる大人に出会っているかどうか。その大人にあなたがなれるかもしれないということ。
・魔術師にはなれないが、一つでも子どもたちの心に届く言葉を伝えられればと思っている。
・地域の居場所、第二の居場所があればいい。日常のルーティンの中に、週1回でもそれがある人は心がほぐれる、楽しそうである。
・孤独・孤立を「治す」というのは、薬ではなく、「社会的なつながり」とか、そういうものかもしれない。
・個人の人格や尊厳を侵害するような言動を許さない教育を推進する。許さない教育は言葉狩りにならないか。許さない教育ではなく、「寛容」を。ゆるやかにつながる「包摂」を。
…幅広く、皆さんから本当にたくさんの意見をいただきました。
孤独・孤立の問題は、人とのつながりの中で解決していかなくてはいけないものであると思います。誰かに助けてと求めたりとか、自分はこんな状態やねんとヘルプを出していくとか、そこならでないとつながりも生まれないし、孤独・孤立という状態の背景にあるものもわからない。万能の薬はないけれども、SNSだけでなく、本当のつながり探しをしていかないといけないなと、つながりづくり、つながりさがしの大切さを改めて感じました。
国のHPでも、「あなたはひとりじゃない」として、
「あなたのための支援があります」「あなたのための相談場所があります」と相談窓口が案内されています。
孤独・孤立の問題を考えていくとき、「相談」というのが、結局、対策の中で重みを増していくことになるかと思いますが、行政の相談事業には課題も多くあります。
「孤立・孤独で悩む人を誰一人取り残さない社会。相互に助け合い、人と人とのつながりが生まれる社会をめざす」
そのためには、「相談」の仕組みの充実がまずは喫緊の課題であると考えます。
相談窓口を開設しました、相談しに来てください、総合的に何でもやりますよと言っても、まず、相談しにいくことができないから大変で、相談窓口に行っても、ここがいいですよと振られるだけとか、いわゆる「たらいまわし」の懸念もあります。相談窓口の専門性の確保も大きな問題です。
次回の「みか’s cafe」は、「相談すること、相談されること」をテーマに話し合うことができればと思っています。日時は、8月20日(日)9時30分~を予定しています。「みか’s cafe」、引き続き、よろしくお願いいたします(◠‿・)—☆
【関連】
第3回の「みか’s cafe」の参加申込みにあたり、事前にいただいたご意見・ご質問です。対話の中で触れられなかった内容・資料等もありますので、ご確認ください。
◇市内の独居市民の居住状況について
図3-2は「2020(令和2)年国勢調査 人口等基本集計結果概要(枚方市)」からの抜粋です。
・人口総数は 397,289 人(前回より 6,863 人減少)
・一般世帯 172,035 世帯(前回より 4,834 世帯増加)、親族世帯が 109,171 世帯(前回より 4,322 世帯減少)、単独世帯が 56,274 世帯(前回より 5,920 世帯増加)
・単独世帯の割合は 33.8 %(前回 30.5 %)で、前回より 3.3 ポイント上昇
◇昼間独居を含む独居高齢者に関する福祉活動について、現状あまりにも民生委員や自治会の努力に頼りすぎているのではないか。
また、老老介護の高齢者2人世帯など、民生委員の見守り対象とならない高齢者の孤立についても、介護事業者や家族以外との接点をもって、悩みを共有できる場の提供が必要と思うが、費用面、マンパワー面のサポートをどうするべきか。
◇「孤独・孤立」と言っても、世代によって置かれた状況屋自分で作り上げてきた物が違うので、一概に言えませんが、マイナスから始まることがないような社会であって欲しいと願っています。
【参考資料】
▶ 孤独・孤立対策 官民連携プラットフォーム