11月26日、市民福祉委員協議会が開催され、「枚方市地域福祉計画(第5期)の素案について」等、7案件の協議が行われました。
枚方市議会議員の奥野みかです。
11月26日は市民福祉委員協議会が開催され、7件の案件の審議が行われました。
今回、提出された案件は次のとおり。
(1)枚方市総合福祉センターの指定候補者の選定について
(2)枚方市地域福祉計画(第5期)の素案について
(3)大規模災害に備えた災害弔慰金等の円滑な支給について
(4)「健康・生きがい就労トライアル」事業について
(5)「終活」の普及啓発及び「人生会議(ACP)」の環境整備の更なる推進について
(6)精神障害者通所交通費補助事業の見直しについて
(7)保健所の移転について
なお、それぞれの案件のタイトル部分をクリックすると、枚方市HP「枚方市議会/議会資料室」にアップされた資料にリンクします。
【案件名】
(1)枚方市総合福祉センターの指定候補者の選定について [健康福祉政策課]
枚方市総合福祉センター(老人福祉センター及び老人作業所)は、2006(平成18)年4月1日から指定管理者制度を導入。今後も利用者サービスの向上や更に効率的・効果的な施設の管理運営を図るため、指定管理者の指定期間の満了に伴い、次期指定候補者の選定を行うもの。
◇指定候補者となる団体について
株式会社ビケンテクノ 代表取締役社長 梶山 龍誠
指定管理期間/2025年4月1日から2030年3月31日までの5年間
◇選定の概況について
2024年7月3日、「枚方市総合福祉センター指定管理者選定委員会」に諮問。
8月5日から9月2日までの間、公募。「特定非営利活動法人 枚方文化観光協会」3団体の申請。
審議の結果、2024年10月21日に提出された答申に基づき、2024年10月30日、指定候補者の選定。
◇事業費について
(2)枚方市地域福祉計画(第5期)の素案について[健康福祉政策課]
◇“誰もが幸せに暮らせる地域をめざして”~地域福祉計画の策定について
少子高齢化の進行や、情報化の進展などの社会情勢やライフスタイルの変容等により、様々な地域生活課題が顕在化する中で、本市では誰もが住み慣れた地域でいつまでも安心して自分らしく健やかに暮らせる「地域づくり」をめざしています。その実現に向け、地域における保健・医療・福祉・教育等のサービスや住環境などの整備について、サービスの利用者である住民の立場にたち、総合的・計画的・横断的に推進するために「枚方市地域福祉計画(第5期)」の策定を進めている。
◇枚方市のめざす地域福祉について
地域福祉とは、地域で暮らし、学び、働くすべての住民が主体となって、「思いやり」「支えあい」を大切にし、誰もが安心して幸せに暮らせる、差別や排除のない地域をつくり、持続させていくことです。そのためには、住民一人ひとりの取組に加え、校区コミュニティ協議会や校区福祉委員会などの住民同士の支え合い、さらに行政や福祉事業者による相談窓口等の公的制度が連携して地域課題を解決する取組が必要となります。
◇実施時期等
2024年12月 計画素案について市民意見聴取の実施
2025年1月 枚方市社会福祉審議会地域福祉専門分科会より答申
→3月 枚方市地域福祉計画の策定
奥野の意見
第4期地域福祉計画においては、生活課題が複雑多様化する中、誰もが住み慣れた地域で安心して幸せに暮らしていくために、地域のつながりを大切にしながら、地域に住む住民がともに生活課題や地域課題を解決する取組を創ることを基本理念として計画の推進に努めてきました。
第5期地域福祉計画では、「生活課題が複雑多様化する中、誰もが住み慣れた地域で安心して幸せに暮らしていくために、地域のつながりを大切にしながら、地域に住む住民がともに生活課題や地域課題を解決する取組を創る」基本理念を引き継ぎつつ、新型コロナウイルス感染症により希薄化した人と人、人と地域のつながりを再び強く結びつけ、顔の見える関係性を構築し、困っていることは個人の問題ではなく地域の課題として解決し、誰もが取り残されることなく支え合い、誰もが安心して暮らしていけるように具体的な取組を実践すると記されています。
デジタル技術も進展していることから、ICT等の活用による効率的な相談支援体制も充実させていただきたいと思いますが、対面での相談支援の中でしか複雑に絡まった困難への相談支援が難しいこともあるかと思われます。「新しい地域拠点」は、住み慣れた地域で、対面を重視して、居場所機能も備え、問題が深刻化する前にふらっと訪れて相談することも可能な地域の相談支援の場であってほしいと願います。高齢者のよろず相談機能も求められる地域包括支援センター、子育て世代地域包括センター、障害者の地域相談支援センターとの連携も明らかにしていただきたいと思いました。また、増える外国人市民への対応についても、具体的な取り組みを示していただきたいと感じています。
市民アンケート調査結果において、「取組のことを知らない」との回答が約半数である等、周知の課題が懸念されます。
他の委員の質問
・権利擁護(成年後見制度、法定後見・任意後見・市長申し立て)の取り組みいについて。
→国の権利擁護計画を包含している(2022年_第二期成年後見制度利用促進基本計画 )。「成年後見制度」の認知度は高まっているものの、「法定後見制度」「任意後見制度」の認知度は、それぞれ、54.2%、48.6%であり、詳しい制度内容についてはまだ理解が進んでいない。
※【枚方市における取組】(案)17ページより抜粋
第二期においては、本地域福祉計画の基本理念「みんなが、いつまでも安心して地域で暮らせるように…支え合える地域を創る」を基に、これまで構築してきた地域連携ネットワークのさらなる強化、こうけんひらかたにおける相談内容に応じた専門職相談への連携やチーム形成支援、成年後見制度の担い手支援、新たな権利擁護支援制度の構築を4つの柱として、権利擁護のさらなる推進を図ります。
・総合交通計画も策定されるが、地域福祉計画において、地域福祉の観点から、交通に関する具体的な取り組みが示されていないのではないか。
・包括的な相談体制の充実を掲げ、北部リーフを立ち上げたが、駅前にまるっとこどもセンター開設後は予約制に変更となり、すぐに相談できない状況。コロナ禍で浸透したオンライン相談の利点は活用いただきたいが、同時に、対面での相談、サポートも重要ではないか。
→「新しい地域拠点の基本的な考え方」について記しているが、地域拠点の整備にあたっては、地域の実情や必要性等を鑑みるとともに、③街区における「新しい窓口」での実績や課題等の検証を踏まえて構築する。
(3)大規模災害に備えた災害弔慰金等の円滑な支給について [健康福祉総合相談課、生活福祉課]
大規模災害が発生した際に、「災害関連死」を含む災害弔慰金や災害障害見舞金の支給については、過去の大規模災害で認定された実例なども参考にしながら市において認定を行う。しかし、その判断が困難な場合は、医師や弁護士等の有識者による「災害弔慰金等支給審査会」を市で設置し、専門的な見地から災害との因果関係等を審査することとしており、審査会の設置には、「枚方市災害弔慰金の支給等に関する条例」の改正が必要となる。
近年、大規模災害が相次ぐ中で、「災害関連死」で犠牲となる人が増えていることもあり、発災後の審議会の設置等では災害弔慰金等の支給が遅いことが 課題となっていることから、発災後、平時において条例を改正し、審査会を設置しておくもの。
他の委員の質問
・「災害関連死」は防ぐべきものとの視点が一番大切である。改めて共有いただきたい。
(4)「健康・生きがい就労トライアル」事業について[健康づくり課]
◇プチ就労
市内で当該事業に協力していただける参加 事業者を募り、まず業務の中から、高齢者が担える仕事などの切出し等を行っていただく。切り出していただいた業務の中で、 高齢者が健康づくりのために、 週1回から2回 程度 、 また、1回の勤務 において1時間から2時間程度働ける、短時間の「プチ就労」ができる体制を構築する。(「プチ就労」
は仕事として扱うので、報酬も発生)
他の委員の質問
・ハローワークとの連携、トラブルへの対応、シルバー人材センターとのすみわけについて。
→ミスマッチ、トラブル回避のための「就労トライアル」の設定である。現時点の伴走支援(府)でトラブルは聞いていない。ハローワークの職業巣紹介事業は、プチ就労以外の選択肢となる。
・大阪府の事業で、2024~2026年度の実施とのことであるが、その後はどうなるのか。
→第9期の取り組みで、2026年度末にあわせて効果測定・評価を行い、2027年度からの第10期計画の位置付けるのか、検討する予定。
・事業者の反応について。介護事業者は、当該事業の切り出しは難しいと言っている。
→メリット等、丁寧に伝えるよう努める。
(5)「終活」の普及啓発及び「人生会議(ACP)」の環境整備の更なる推進について[健康づくり課]
高齢者が可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、また、今をより良く自分らしく生きるために「終活」はとても重要である。誰もが「終活」を始めることができるよう「エンディングノート」を作成し、普及啓発に努めているところ。
また、もしもの時に備え、自らが望む医療やケアについて前もって考え、家族や医療・介護の専門職など、身近で信頼のおける方々と繰り返し話し合い、共有するための「人生会議(ACP)」についても、2021年度に「人生会議まるわかりガイド」を作成し、積極的に実施していただける環境整備をめざし、切れ目のない在宅医療と介護の提供体制の構築に向けた関係機関との連携強化に努めているところ。
このたび、取組を進めるうえで生じている課題の解消のため、「エンディングノート」や「人生会議まるわかりガイド」の統合・再編や、新たに医療や介護の専門職を対象とした「専門職向けACP(人生会議)実践の手引き」の作成・発行などを通して、更なる取組の推進を図るもの。
◇人生会議の環境整備について(在宅医療・介護連携推進事業)
2014(平成26)年の介護保険法改正により、市町村が実施主体である地域支援事業に「在宅医療・介護連携推進事業」が位置づけらた。具体的には、「日常の療養支援」、「入退院支援」、「急変時の対応」、「看取り」の4つの場面を意識しながら、地域における在宅での医療と介護の専門職が連携し、高齢者が住み慣れた地域で最後まで生活することができるような支援体制を整備するよう求められたことから、行政は、医療と介護の両方を必要とする状態の高齢者が、「人生会議」において、自らが望む医療や介護が選択できるよう切れ目のない在宅での医療と介護の提供体制を構築する必要がある。
他の委員の質問
・私の思い手帳(A6サイズ)の評価も確認していきたいが、安心カプセル(あんしんここちゃん)の管理とあわせていくことも必要ではないか。
・11月16日に開催した人生会議の講演会について。
→在宅医療・介護連携事業として医師会に委託の一環として実施。 1部は市民向け、2部は医療専門職向けの講演会を開催し、1部は市民、訪問Ns等で約100名、2部はDrと訪問Ns等で約100名、全体では、市民7割、専門職3割。好評であったと認識している。
・予算について。
→介護保険特別会計の「在宅医療・介護連携推進事業に要する委託料(枚方市医師会)」7,063千円の一部として執行。
(6)精神障害者通所交通費補助事業の見直しについて[障害企画課]
在宅の精神障害者が事業所に通所する際に支給していた交通費補助事業(1日110円)の見直しを行うもの。
背景は、2024年7月の厚生労働省通知を受け、公共交通機関各社においては、2025年4月1日から身体障害者、知的障害者と同様に、精神障害者に対する割引制度を開始する予定。また、京阪バスにおいては、12月1日から運賃改定を行うとともに、精神障害者割引が一般路線バス全線に導入されることを受け、公平性確保の観点等から見直しを行うもの。
12月1日~
京阪バスのみを利用する方は、手帳の提示により割引が受けられるため、補助の重複となることから対象外とする。電車を利用する方(京阪バスとの併用を含む)については、2024年度末までの経過措置として、従前のとおり補助の対象。
2025年4月1日~
精神障害者についても、身体障害者及び知的障害者と同様に割引の制度(下記)が適用となるため、交通機関の種類に関わらず補助を行わないこととし、2024年度末をもって当事業を廃止。
他の委員の質問
・補助制度の活用状況について。鉄道は、片道100㎞超の場合にのみ、単独でも半額となる。「誰もが移動しやすいまちづくり」となるのか。単なるスクラップになっていないか。廃止を受け、対応はあるのか。
→バスのみ利用50人、バス&電車利用25人、電車利用55人の合計130人。12月から廃止は50人、4月以降は80人が負担増となる。廃止を受けての新規事業はない。
(7)保健所の移転について[保健予防課]
現在の保健所は、執務スペース等が狭隘であり、かつ、築後60年以上が経過し、老朽化が進んでいる。枚方市駅周辺再整備にあたり、現在の保健センターを改修して2025年度中に保健所を移転する計画としており、現在、改修工事を実施しているところ。
移転を契機として、市立ひらかた病院及び三師会(医師会・歯科医師会・薬剤師会)の拠点である枚方市医師会館に隣接している立地を生かし、関係機関・団体との連携をより一層深めながら、健康危機事象の発生時には保健所内に枚方市保健医療調整本部を立ち上げ、構成員である市立ひらかた病院や三師会等と協力して保健医療活動にあたるなど、平時・災害時を通じて健康危機管理の拠点となるよう取り組んでいく。その他、主な機能強化策は以下のとおり。
◇機能強化策
①健康危機への対応
・健康危機事象発生時に保健医療調整本部等として活用できる可動式会議室の整備
・レイアウト変更への柔軟な対応が可能となるフリーアドレス制の採用
・健康危機管理(災害・感染症など)の拠点として平時からの関係機関・団体との連携強化
②DXの推進
・保健衛生行政におけるDX推進(電子申請・キャッシュレス決済など)による市民・事業者の利便性向上
・オンライン環境整備による庁内各部署や国・府等とのコミュニケーション機能の充実
③地域保健の充実
・秘匿性の高い相談(精神保健・性感染症など)のため複数の市民が同時に来所しても安心して個別に対応できる相談室の確保
・地域保健の充実に向けた地域活動との連携強化
◇事業費
保健所移転経費 63,087千円/委託料・工事費・備品購入費(国庫495千円、それ以外は一般財源)
保健所移転準備経費 303,635千円/実施設計委託_11,860千円、工事費_291,775千円(国庫5,000千円、それ以外は一般財源)
他の委員の質問
・保健所に来所する市民について。
→狂犬病病予防注射済票交付は約12,000件であるが、7割以上は来ない(動物病院委託)の他、感染症の面接相談が約480件、指定難病の面接相談約650件(更新は郵送)、検査が約3,800人など。相談者が車利用を希望する場合もあるので、利便性は検討する。
・秘匿性の高い相談に対応できるよう、相談室の吸音ボード設置などの検討を。