3月24日、予算特別委員会の4日目(厚生・建設環境部門)において、2つの観点から質問を行いました。
3月24日、予算特別委員会の4日目(厚生・建設環境部門)において、令和2年度当初予算について、2つの観点から質問を行いました。
予算の内容について質問するとともに、「①未利用施設(元幼児療育園)の維持管理について」では、用途廃止となった資産について、市として大きな機会損失とならないよう、例えば、建物の解体費用を基金から繰り出すシステムを構築されている他市事例も参考に、地元からの要望も踏まえた資産活用方策を早急に確立することを要望し、「②医療的ケア児等支援事業について」では、大変な思いで、医療的ケアを必要とするお子さんのいのちと生活を支えておられる保護者の皆さんの負担軽減のためにも、子どもたち自身の意思や状況に応じた支援が行えるようにするためにも、協議の場として設置された「枚方市医療的ケア児等支援連絡会議」のさらなる連携強化と具体的な支援施策の充実に取り組んでいただくことを要望しました。
「産後ケア事業について」の質問も予定していましたが、時間の制約があり省かせていただくことになりました(ヒアリングさせていただいたのに、申し訳ありませんでした)。
以下、質問のやりとりを掲載します。
①未利用施設(元幼児療育園)の維持管理について
Q.私の質問
肢体不自由児の通園施設であった「幼児療育園」は、知的障害児の通園施設であった「すぎの木園」と合築して、令和元年度から「市立ひらかた子ども発達支援センター」として開設されている。用途廃止となった「幼児療育園」の建物及びその土地について、どのような課題があると考え、令和2年度はどのような予算を計上されているのか、伺う。
A.子育て運営課の回答
幼児療育園の跡地については、現在活用されていないが、防犯対策を行う必要があり、機械警備を行うとともに、年に数回、建物や設備等の確認をしている。また、園庭であった土地や外周にある樹木の選定や草刈りなどを行っている。維持管理にかかる予算としては、引き続き機械警備にかかる委託経費を計上しており、令和2年度は40万2千円を計上している。
Q.私の質問
「幼児療育園」の建物及びその土地が用途廃止となってまもなく1年になるが、建物はまったく利用されない「空き家」のまま残っている。ひらかた子ども発達支援センターの開設に伴い、幼児療育園の建物及びその土地が使われなくなることは、あらかじめわかっていたことであるのにも関わらず、令和2年度についても、未利用施設の維持管理経費を引き続き予算化されている。これは、コスト面からも、また、枚方宿地区の景観面や治安上の観点からも、極めて不適切な状態であると思う。
枚方宿地区の旧本陣跡という絶好の位置にあるこの土地の有効利用については、五六市に取り組む地元の皆さんから要望されているし、市政運営方針では、「枚方船着場から枚方宿、枚方市駅周辺地域を面で捉え、歴史的なまちなみや、淀川の自然、商業集積などの地域資源を活用して、事業者はもとより国や他自治体とも連携しながら、賑わい創出に努める。」とされている。市においても「観光」の観点からの活用を検討いただいていると承知はしているが、一刻も早く新たな有効活用方策を確立し、用途廃止となった建物及び土地をそのまま放置する状態を解消しなければ、市として大きな機会損失を続けることになる。
そのままでは活用困難な建物の解体工事にもそれなりの費用が必要になると思うが、例えば、解体工事に活用できる財源は何かないのか、伺う。
A.財政課の回答
通常、建設工事費には市債や施設保全整備基金が活用可能と考えるが、解体工事のみとなると、いずれの財源も対象外となるため、実施する際は一般財源で対応することになる。
O.私の意見
建物の解体工事には、新施設の建設と一体となる場合でないと起債を財源にできない、施設保全基金を充てることもできない、一般財源を充てるしかない、とのことである。
新たな有効活用方策の検討にあたっては、「旧施設の改修活用」や「建替え」といった従来型の手法以外にも、例えば、民間事業者の負担とリスク軽減のために建物を解体して更地とした上で、民間活力を生かして次の活用を図るという選択肢等を増やさなければ、厳しい財政状況において予算確保は困難で、行き詰ったままになるのではないかと懸念される。
横浜市においては、防災、防犯性の向上、地域のまちづくりや財源確保の観点などから、既存建物を早期に解体し、売却や有償貸付け等を行うことが資産活用施策の一環として必要性が高いと認められる場合に、建物の解体費用や建物の改修などに必要な経費を「資産活用推進基金」から繰り出すシステム、すなわち、「資産活用を推進する財政の仕組み」を構築されているとのことである。
用途廃止となった「幼児療育園」の土地活用については、地元の皆さんから要望も出されている。解体して更地にすることだけでも、活用の可能性は大きく広がるのではないか。
前例にとらわれることなく「チャレンジ」することを市長は掲げておられるので、まずは、資産管理の適正化の観点から、次の活用を検討している部署に所管を切り替えるとともに、活用方策の可能性を広げる財源対策も行っていただき、資産活用の具体化を図っていただきたいと思う。そして、未利用施設の維持管理経費を令和3年度に再び同じ部署から予算化するようなことがないようにしていただきたい、と強く要望しておく。
②医療的ケア児等支援事業について
Q.私の質問
「予算説明書」207ページ、医療的ケア児等支援事業経費2,702,000円について、今年度からの事業とのことであるが、事業を立ち上げられた経緯と事業内容について、伺う。
A.障害福祉室の回答
人工呼吸器や経管栄養など医療的ケアが必要な障害児が増加していることを受け、平成28年に児童福祉法が改正され、医療的ケアを必要とする障害児が、医療や福祉などの支援が受けられるように、地方公共団体が適切な措置を講ずるよう明記された。これを受け、平成30年に策定した枚方市障害児福祉計画第1期においては、医療的ケア児の支援調整の役割を担うコーディネーターの配置と、医療的ケア児支援のための関係機関の協議の場の設置を盛り込んだ。
今年度から医療的ケア児等コーディネーターについては、市内で相談窓口として委託している基幹相談支援センター1か所に配置し、保護者等からの相談やサービス提供の調整など行っている。また、協議の場として「枚方市医療的ケア児等支援連絡会議」を立ち上げ、医師会、歯科医師会、地域中核病院、小児診療所、訪問看護ステーション連絡会、保健所、保健センター、交野支援学校、児童生徒支援室、子育て運営課、ひらかた子ども発達支援センター、障害福祉サービス事業者連絡会、枚方市自立支援協議会、医療的ケア児等コーディネーター、そして障害福祉室が事務局を兼ねるかたちで会議を構成し、関係機関による情報交換等を通じた連携強化を図っている。
O.私の意見
「待機児童の中に障害児・医療的ケア児が、大阪市では9割」という衝撃的な報道もあった。幼児教育・保育の無償化により、利用希望者が増えれば、最も弱い立場にいる子どもたちがより一層取り残されるのではないか、保護者はさらに社会から孤立化してしまうのではないかと懸念される。
医療・福祉・健康・教育等、関係機関の協議の場として「枚方市医療的ケア児等支援連絡会議」が設置されたことは、課題解決のための第一歩であると思う。大変な思いで、医療的ケアを必要とするお子さんのいのちと生活を支えておられる保護者の皆さんの負担軽減のためにも、子どもたち自身の意思や状況に応じた支援が行えるようにするためにも、関係機関のさらなる連携強化と具体的な支援施策の充実に取り組んでいただきたいと、これは要望とさせていただく。