3月9日、3月定例月議会の4日目が終わりました。補正予算、条例の改正、契約締結等、議案31件の審議が行われました。
枚方市議会議員の奥野みかです。
2021(令和3)年3月定例月議会4日目は、3月9日(火曜日)10時から始まり、報告1件、議案31件(補正予算案件8件、条例案件16件、契約案件7件)の審議が行われ、議案第129号「子どもを守る条例の制定について」は、教育・子育て常任委員会に審議が付託されましたが、その他の議案は原案可決となりました。
さて、新型コロナウイルス感染症対策第12弾を含む「令和2年度大阪府枚方市一般会計補正予算(第14号)」が可決され、史上最大であった令和2年度一般会計当初予算 1,508億円に対するこれまでの補正増額の合計は 542.3億円となり、今回補正後の一般会計の額は 2,050.3億円となっています。今回の補正は、決算見込みに基づく補正や、国の補正予算に伴う令和3年度当初予算からの前倒し、新型コロナウイルス感染症への対応のほか、債務負担行為や繰越明許費の設定などについての補正なります。
3月9日の付議事件議決の結果一覧は次のとおりです。
▶ 付議事件議決結果一覧
(※クリックするとPDFファイルが開きます。)
◇付議事件(3月9日)の概要について
(★印を付した案件については、以下の「議案の質疑について」等にも記載しています。)
議案(補正予算)9件
▪議案第120号 令和2年度大阪府枚方市一般会計補正予算(第14号)★
→補正額 2,861,573千円(新型コロナウイルス感染症対策第12弾、決算見込みに基づく補正、国の補正予算に伴う令和3年度当初予算からの前倒し、債務負担行為や繰越明許費の設定など予算の執行見直し等→補正後予算額 205,027,888千円)
▪議案第121号 令和2年度大阪府枚方市国民健康保険特別会計補正予算(第6号)
→補正額 ▲6,516千円(財源補正:約6,700万円の保険料収入の減収→一般会計繰入金の確定、雑入の減額)
▪議案第122号 令和2年度大阪府枚方市自動車駐車場特別会計補正予算(第3号)
→補正額 ▲17,000千円(自動車駐車場使用料の減収。緊急事態宣言の2020年4月・5月の減収の影響が顕著。)
▪議案第123号 令和2年度大阪府枚方市財産区特別会計補正予算(第3号)
→補正額 101,001千円(菅原財産区移行残余収入)
枚方市菅原財産区議会は3月2日に廃止の議決。今回、枚方市財産区管理会条例等を改正し、枚方市菅原財産区に財産区管理会を設置する。財産区議会を有する新財産区(現在、氷室・津田・菅原の3団体)から、財産区管理会(7名以内)で運営する旧財産区(現在、市内に23団体)に変更。このことに伴い、枚方市菅原財産区が所有する資金を受け入れ、枚方市財産区基金に積み立てるもの。なお、財産区は特別地方公共団体。
▪議案第124号 令和2年度大阪府枚方市介護保険特別会計補正予算(第4号)
→補正額▲803,245千円(保険給付費 ▲1,045,476千円、介護給付費準備基金積立金 299,219千円等)
補助金等の減額はあるものの、介護サービス・介護予防サービス等の給付が減少し、発生する剰余金を基金に積み立てるもの。
▪議案第125号 令和2年度大阪府枚方市後期高齢者医療特別会計補正予算(第4号)
→補正額 31,572千円(大阪府後期高齢者医療広域連合負担金 35,072千円、一般会計繰入金 4,319千円t等)
広域連合への負担金の増額のため、財源を補正するもの。
▪議案第126号 令和2年度大阪府枚方市水道事業会計補正予算(第6号)
→補正額 収益的収入:▲42,455千円、収益的支出:5,036千円、資本的収入:▲351,000千円、資本的支出:▲504,111千円
→補正内容:他会計補助金(新型コロナウイルス感染症対策分)の減額、退職給付費の増額、建設改良事業費(北山配水場電気設備設計委託、府道杉田口禁野線配水管改良工事、田口用地取得)の減額▲45,811千円、配水支管更新事業(▲130,000千円、継続費:組み換え、長尾家具町4丁目)、送配水管更生事業(▲240,300千円、継続費:延期、中宮浄水場~田口山配水場間送水管更生工事において、地中埋設物等により敷設位置の変更等)、送配水管更新事業(▲20,000千円、継続費:組み換え、招提東町3丁目撤去工事において、撤去できないため他工法=充填に変更)、都市計画道路内里高野線整備関連事業(▲68,000千円、継続費:組み換え、長尾家具町1丁目)
▪議案第128号 令和2年度大阪府枚方市下水道事業会計補正予算(第6号)
→補正額 収益的収入:▲6,856千円、収益的支出:▲233,187千円、資本的収入:29,000千円、資本的支出:28,709千円
→補正内容:淀川左岸流域下水道分及び寝屋川北部流域下水道分維持管理負担金の減額、退職給付費の減額、その他特別損失、淀川左岸流域下水道事業及び寝屋川北部流域下水道事業建設負担金の増額、サダポンプ場1号ポンプ改良工事の増額
議案(条例)16件
▪議案第129号 子どもを守る条例の制定について →教育・子育て常任委員会に付託
→子ども・子育て支援に関する基本的な事項を定めるため。
▪議案第130号 手話でつむぐ住みよいまち枚方市手話言語条例の制定について★
→手話に対する理解及びろう者に対する理解の促進に関する基本的な事項を定めるため。
▪議案第131号 枚方市附属機関条例の一部改正について
→雇用推進事業者選定審査会の設置等を行うため。
▪議案第132号 枚方市事務分掌条例の一部改正について★
→部の分掌する事務を変更するため。
▪議案第133号 枚方市財産区管理会条例及び枚方市基金条例の一部改正について
→枚方市菅原財産区に財産区管理会を設置するため。
▪議案第134号 枚方市国民健康保険条例の一部改正について
→基礎賦課限度額等の引き上げや、保険料の減額の基準となる所得額の算定方法の変更などを行うため。
▪議案第135号 枚方市立消費生活センター条例及び枚方市立生涯学習市民センター条例の一部改正について
→枚方市立消費生活センターの位置の変更及び枚方市立サンプラザ生涯学習市民センターの名称及び位置を変更するため。
▪議案第136号 枚方市指定障害福祉サービス事業者の指定並びに指定障害福祉サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例等の一部改正について★
→指定障害福祉サービスに関する基準等を変更するため。
▪議案第137号 枚方市介護保険条例の一部改正について★
→保険料率を改定するため。
▪議案第138号 枚方市指定地域密着型サービスに関する基準を定める条例等の一部改正について★
→指定地域密着型サービスに関する基準等を改正するため。
▪議案第139号 枚方市食品衛生法等施行条例一部改正について
→食品衛生法の改正に伴い、所要の整備を行うため。
▪議案第140号 枚方市保健所事務手数料条例の一部改正について
→食品衛生法関係事務についての手数料の額等を見直すため。
▪議案第141号 枚方市児童福祉施設等条例の一部改正について
→枚方市立渚保育所を廃止するため。令和3年4月1日施行。
▪議案第142号 枚方市水道事業給水条例の一部改正について
→大口需要者に係る料金の額の特例を定めるため。
▪議案第143号 枚方市水道事業及び下水道事業に関する条例の一部改正について
→水道事業及び下水道事業における経営体制を見直すため。
▪議案第144号 市立ひらかた病院の使用料及び手数料条例の一部改正について★
→病院事業の管理者が額を定める使用料の範囲を見直すため。
議案(契約締結)7件
▪議案第145号 令和3年度包括外部監査契約の締結について
→[契約相手]公認会計士 石崎一登、[契約金額]予算額を上限とする額、[契約期間の始期]令和3年4月1曰
▪議案第146号~151号 (仮称)枚方市総合文化芸術センター建設工事請負変更契約締結について
※(仮称)枚方市総合文化芸術センター建設工事は、新型コロナウイルス感染拡大防止、地中埋設物への対応等により、建築工事・電気設備工事・機械設備工事・舞台機構設備工事・舞台音響設備工事・舞台照明設備工事(6工事)で合計 314,989,400円の増額となっています。なお、予算は12月補正で 206,900千円を計上しています。
▪議案第146号 (仮称)枚方市総合文化芸術センター建設工事(建築工事)請負変更契約締結について
→[施工場所]枚方市新町2丁目280番4他、[受注者]前田建設工業㈱ 関西支店、[契約金額]変更前 7,405,490,100円、変更後 7,691,174,400円、増額 285,684,300円、[工期]変更前 平成30年10月10日から令和3年3月19日まで、変更後 平成30年10月10日から令和3年5月17日まで、
[変更理由]新型コロナウイルス感染拡大防止、地中埋設物への対応等
※新型コロナウイルス感染拡大防止及び石綿含有廃棄物等の地中埋設物への対応、北側道路擁壁の杭基礎の追加、防音工法の変更、施工時の振動及び騒音の対策、工期短縮に向けた重機及び工法の変更等による増額。
また当初から工期短縮に向けて取り組んできたが、新型コロナウイルス感染拡大防止への対応として実施した工事の一時中止及び現場における感染防止策による影響を受け、並びに歩行者デッキ工事や外構工事において時間を要するコンクリート製の残置杭や大型構造物が発見されたため、工期を延長するもの。
▪議案第147号 (仮称)枚方市総合文化芸術センター建設工事(電気設備工事)請負変更契約締結について
→[施工場所]枚方市新町2丁目280番4他、[受注者]栗原工業㈱、[契約金額]変更前 993,707,100円、変更後 1,011,053,000円、増額 17,345,900円、[工期]変更前 平成30年10月10日から令和3年3月19日まで、変更後 平成30年10月10日から令和3年5月17日まで、
[変更理由]新型コロナウイルス感染拡大防止、地中埋設物への対応等
※新型コロナウイルス感染拡大防止及び石綿含有廃棄物等の地中埋設物への対応並びに幹線ケーブルのルート変更による増額。
また、新型コロナウイルス感染拡大防止への対応として実施した工事の一時中止及び現場における感染防止策による影響並びに建築工事における撤去に時間を要するコンクリート製の残置杭等の地通埋設物への対応による影響を受けたため、工期を延長するもの。
▪議案第148号 (仮称)枚方市総合文化芸術センター建設工事(機械設備工事)請負変更契約締結について
→[施工場所]枚方市新町2丁目280番4他、[受注者]新菱冷熱工業㈱ 大阪支社、[契約金額]変更前 1,265,981,500円、変更後 1,275,570,200円、増額 9,588,700円、[工期]変更前 平成30年10月10日から令和3年3月19日まで、変更後 平成30年10月10日から令和3年5月17日まで、
[変更理由]新型コロナウイルス感染拡大防止、地中埋設物への対応等
※新型コロナウイルス感染拡大防止及び石綿含有廃棄物等の地中埋設物への対応による増額。
また新型コロナウイルス感染拡大防止への対応として実施した工事の一時中止及び現場における感染防止策による影響並びに建築工事における撤去に時間を要するコンクリート製の残置杭等の地中埋設物への対応による影響を受けたため、工期を延長するもの。
▪議案第149号 (仮称)枚方市総合文化芸術センター建設工事(舞台機構設備工事)請負変更契約締結について
→[施工場所]枚方市新町2丁目280番4他、[受注者]三精テクノロジーズ㈱、[契約金額]変更前 842,400,000円、変更後 843,100,700円、増額 700,700円、[工期]変更前 平成30年10月10日から令和3年3月19日まで、変更後 平成30年10月10日から令和3年4月8日まで、
[変更理由]新型コロナウイルス感染拡大防止への対応
※新型コロナウイルス感染拡大防止への対応による増額。また新型コロナウイルス感染拡大防止への対応として実施した工事の一時中止及び現場における感染防止策による影響を受けたため、工期を延長するもの。
▪議案第150号 (仮称)枚方市総合文化芸術センター建設工事(舞台音響設備工事)請負変更契約締結について
→[施工場所]枚方市新町2丁目280番4他、[受注者]ヤマハサウンドシステム㈱大阪営業所、[契約金額]変更前 444,845,000円、変更後 445,852,600円、増額 1,007,600円、[工期]変更前 平成30年10月10日から令和3年3月19日まで、変更後 平成30年10月10日から令和3年4月8日まで、
[変更理由]新型コロナウイルス感染拡大防止への対応
※新型コロナウイルス感染拡大防止への対応による増額。また新型コロナウイルス感染拡大防止への対応として実施した工事の一時中止及び現場における感染防止策による影響を受けたため、工期を延長するもの。
▪議案第151号 (仮称)枚方市総合文化芸術センター建設工事(舞台照明設備工事)請負変更契約締結について
→[施工場所]枚方市新町2丁目280番4他、[受注者]パナソニックLSエンジニアリング㈱ 近畿支店、[契約金額]変更前 485,330,500円、変更後 485,992,700円、増額 662,200円、[工期]変更前 平成30年10月10日から令和3年3月19日まで、変更後 平成30年10月10日から令和3年4月8日まで、
[変更理由]新型コロナウイルス感染拡大防止への対応
※新型コロナウイルス感染拡大防止への対応による増額。また新型コロナウイルス感染拡大防止への対応として実施した工事の一時中止及び現場における感染防止策による影響を受けたため、工期を延長するもの。
条例案件での議案質疑
◇議案第130号 手話でつむぐ住みよいまち枚方市手話言語条例の制定について
【内容】
手話は、文法体系をもち、音声ではなく手指や体の動き、表情を使って視覚的に表現をする「言語」であり、ろう者に必要な「言語」として欠かすことができない重要なものになっている。平成18年の国際連合総会で採択され、我が国も批准している「障害者の権利に関する条約」において、「言語」は「音声言語及び手話その他の形態の非音声言語をいう。」と定義され、障害者基本法において、手話は「言語」として位置付けられたことも踏まえ、市として、条例制定や手話によるコミュニケーション支援の取り組みを進めていくもの。
【議員からの質問】は次のとおり。
・これまでの取り組みについて。
・制定を機にそのような取り組みを行い、どのような効果を期待するのか。
・第5条に市民の役割、第6条に事業者の役割が規定されているが、実効性を確保するための取り組みについて。財政的支援はあるのか。
・第6条に事業者の役割の「努める」とは。市としての事業者への支援は考えているのか。
・審議会議事録には、具体的な取り組みとして手話通訳のスキルアップ、ボランティアではなく通訳者の育成等の要望がある。条例は作っただけではダメ。どう進めていくのか。
【市の答弁】としては次のとおり。
・コミュニケーション支援として、手話通訳派遣事業、ICT活用による遠隔手話通訳(7か所)や手話講習会など。コロナ対策として、緊急メッセージの手話通訳動画を配信。
・すべての市民に手話は言語であることの周知に努める。ICT活用による遠隔手話通訳は、土日の利用など、利便性の向上に努める。
・まずはリーフレット等で周知。
・合理的配慮とは、過度な負担にならない程度の具体的な対応のことで、努力義務としている。手話のみでなく、可能な取り組みの提供ということもある。
・入門、基礎クラス、ステップアップ講座を準備し、府の養成講座も活用する。要望を実施するため検討する。
※議案第130号に対する私の質疑のやりとりは次のとおりです。
Q.私の質問
ただいま提案のあった議案第130号について、質問させていただく。
手話は言語である。外国人にとっての母語もそうだと思うが、手話は、その人がその人らしく安心して生きていくために必要な言葉、それがないと生きていけない、不可欠な言葉であるということ、そして、ろう者が手話によるコミュニケーションを図る権利があるということ、それらのことを周知し、理解を求めていくということは、すべての人が安心して暮らせるまちをつくるという観点からも、誰一人取り残さないというSDGsの観点からも非常に大切であると考える。
そこで、確認するが、市は、この条例の制定により、どのようなことを、どのように市民に周知していこうと考えているのかについて、伺う。また、「病院における手話通訳」は、審議会や意見聴取での要望が多かったと聞くが、具体的にどのような取り組みを考えているのか、伺う。
A.健康福祉部長の答弁
この条例により、手話は言語であり、コミュニケーション手段であり、文化を創造するために重要かつ不可欠なものであることなど、手話及びろう者に対する理解を深めることにより、すべての人が安心して住みよいまちを実現することを目的とするものであることを広く市民に周知を図るものである。
周知については、ホームページやSNSにおいては手話動画を付けて発信するほか、広報への掲載やリーフレット作成にも取り組む。
また、特に、病院における手話通訳については、ろう者が手話通訳を依頼されることが最も多いことから、医療機関向けのリーフレットを作成し、遠隔手話通訳を含む手話通訳対応への理解とろう者への理解が図れるよう、市内医療機関へ配布する予定である。
Q.私の意見
スマホやタブレット端末を利用し、手話オペレーターによる手話通訳を受けることができる「遠隔手話通訳サービス」など、ICTの活用による非接触の取り組みも進んでいるようだ。しかしながら、道具やツールが調達されても、手話通訳を依頼されることが多い行政の各種窓口や学校、医療機関での受診時など、「手話は言語である」「それがないと困る」という意識があるかないか、理解があるかないかで取り組み姿勢が変わってくると思われるので、関係機関・医療機関への実効性のある周知・啓発を、まずは、しっかりと進めていただきたいと思う。
また、市の責務として、第4条に「総合的かつ計画的な施策の推進」が掲げられているが、社会福祉審議会窓外福祉専門分科会で進捗管理を行うとの答弁であった。障害者計画には、要約筆記など、それぞれの障害特性に応じた取り組みの充実についても記載されているが、手話によるコミュニケーション支援の具体的な取り組みの進捗管理についても、しっかりと行っていただくようお願いする。事業者の合理的配慮についての質問もあったが、よりよい方策をともに考えるという視点を踏まえながら、市民及び事業者による合理的配慮の提供を支援する公的な仕組みについても検討いただくことを要望しておく。
「手話でつむぐ住みよいまち」、親しみやすくわかりやすいようにとの説明であったが、とてもよい響きだと思う。この条例の制定により、手話によるコミュニケーション支援の取り組みが確実に推進され、障害のある人もない人もすべての人が互いを尊重し合いながら、安全に、安心して暮らしていくことができるまちとなることを強く要望して、私からの意見とさせていただく。
【奥野の意見】
2月24日に開催された市民福祉委員協議会でも、この案件について、意見を述べています。
(※本会議録画映像 51:30~56:04/提案説明から採択までは、23:30~56:55)
◇議案第132号 枚方市事務分掌条例の一部改正について
【内容】
部等の分掌する事務のうち「里山の保全及び振興に関すること」を土木部から観光賑わい部に変更。
【議員からの質問】は次のとおり。
・第5条の規則委任について、「市長が別に定める」となると議会として審議できない。問題提起しておく。
◇議案第135号 枚方市立消費生活センター条例及び枚方市立生涯学習市民センター条例の一部改正について
【内容】
枚方市立消費生活センター位置を岡東町12番3-202号から「岡東町2番地4」に変更。枚方市立サンプラザ生涯学習市民センターの位置を岡東町12番3-502号及び508号から「岡東町2番地4」に変更し、名称を「枚方市立生涯学習交流センター」とするもの。
【議員からの質問】は次のとおり。
・令和8年3月31日までの間において規則で定める日から施行とあるが、なぜ今、改正するのか。
・図書館機能をはじめ、③街区に設置する行政機能について、市民への説明責任は果たしているのか。75億円の市負担額を伴う事業である。
・市はサンプラザ3号館の約8%の所有である。耐震化には課題のある建物であるが、サンプラザ3号館の現施設跡地の有効活用について。
【市の答弁】としては次のとおり。
・令和3年度に内装設計、4年度に実施、5年度に供用開始と見込んでいる。
・③街区の行政機能の再編など、平成30年の市駅周辺再整備基本計画(素案)や今回の同基本計画(案)で示している。1月の市民説明会は中止となったが、参加申込者には資料を配布、市ホームページでは説明会の動画を配信している。(←さて、内容が市民に伝わり、ともに考えることになっているのでしょうか…。)
・公共施設マネジメント計画の中で、市所有の床の跡地活用については、売却も選択肢の一つとして検討する。(←③街区に行政機能が移転した後のサンプラザ3号館はどうなるのか、想定しながら市の責務を果たしていってほしいですね。)
◇議案第136号 枚方市指定障害福祉サービス事業者の指定並びに指定障害福祉サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例等の一部改正について
【内容】
指定障害福祉サービスに関する基準等の変更。
主な変更点→利用者の人権擁護や虐待防止等のための体制整備と従事者研修の強化、従事者就業環境を守るための方針の明確化、感染症や非常災害等の発生を想定した業務継続計画(BCP)の策定、感染症の発生やまん延防止のためのマニュアルの作成、利用者の身体的拘束等の禁止・適正化の徹底、虐待の防止、非常災害対策の訓練等に係る地域住民との連携など。
◇議案第137号 枚方市介護保険条例の一部改正について
【内容】
令和3年度から5年度における保険料率の改定(第8期)。15段階の設定は継続。第5段階は 67,300円→70,800円で、3,500円(5.2%)の増額となる。
【議員からの質問】は次のとおり。
・介護保険料の増額改定の状況について。減免措置はあるのか。
【市の答弁】としては次のとおり。
・第1期(平成12~14年度)の基準月額は 3,084円で、第8期(令和3~5年度)の基準月額は 5,902円(2,818円の増)である。第7期の10割負担は50人。100数名が減免利用。減免は罹災や著しい減収が対象である。
◇議案第138号 枚方市指定地域密着型サービスに関する基準を定める条例等の一部改正について
【内容】
指定地域密着型サービスに関する基準等の改正。
人権擁護・虐待防止等のための体制整備や研修、適切なハラスメント対策、業務継続計画(BCP)の策定など。
◇議案第144号 市立ひらかた病院の使用料及び手数料条例の一部改正について
【内容】
病院事業の管理者が額を定める使用料の範囲を見直すため。
地域医療支援病院の承認を受けることが予定されている市立ひらかた病院の非紹介患者初診料加算金について、2020(令和2)年4月の診療報酬改定において、200床以上の地域医療支援病院は、厚生労働大臣が定める額以上とすることが義務化されたことから、これまで独自の金額を条例(市立ひらかた病院の使用料及び手数料条例)で規定していたものを、「市立ひらかた病院の使用料、手数料等に関する規程」で規定するもの。 2021(令和3)年4月から実施。
【議員からの質問】は次のとおり。
・これまで小児科診療時には非紹介患者初診料加算金の負担がなかったが、初診時、これまでの 0円が 5,000円になる。緩和措置は検討したのか。かかりつけ医の紹介というが、市内小児科医療機関の数について。
【市の答弁】としては次のとおり。
・国の義務化の中、地域医療支援病院の特定の診療科を外す等は困難。地域医療の役割を明確化するとともに、かかりつけ医のメリットを周知し、紹介状持参を周知徹底したい。なお、医師会のかかりつけ医マップによると、小児科は57医療機関。
【奥野の意見】
11月26日に開催された市民福祉委員協議会で、この案件について、意見を述べています。
非紹介患者初診料加算金(選定療養費)について、これまで市立ひらかた病院が徴収していなかった小児科が対象になること、こども医療・ひとり親医療の対象者も対象となること、また、いったんかかりつけ医に戻った後、紹介状を持たずに受診した場合や、逆紹介を行ったのにかかりつけ医ではなく再度ひらかた病院を受診した場合に対象となるのが「再診時」の選定療養費に該当することになると思いますが、どうぞ、誤解されないよう、正しく理解していただけるよう、適切な周知を要望しました。
また、かかりつけ医からの紹介により「安心して入院できる」、そして「安心して退院できる」、それが身近な地域で完結される、そんな地域医療の提供体制が実現できるよう、退院支援・在宅医療の後方支援にも力を入れていただきたいことを要望しました。
≪参考資料≫
【3月11日追記】
大阪府医療審議会における審議の結果、2021(令和3)年3月10日付けで、市立ひらかた病院は大阪府から「地域医療支援病院」の承認を受けました。
契約・その他案件での議案質疑
◇議案第146号~151号 (仮称)枚方市総合文化芸術センター建設工事請負変更契約締結について
【議員からの質問】は次のとおり。
・施設に設置される多目的トイレのドアについて、要望の多い自動ドアが取り入れられているのか。誰でも安心して利用できるようになっているのか。
【市の答弁】としては次のとおり。
・施設には計11か所の多目的トイレを設置するなか、スピード調整可能な手動ドアが主であるが、1施設は自動ドアとしている。バリアフリー法や府の福祉のまちづくり条例などを踏まえ、団体の要望もお聞きしながら、マルチスペース(1階)に自動ドアの多目的トイレを設置したもの。様々な基準に適応させている。
補正予算案件での議案質疑
◇議案第120号 令和2年度大阪府枚方市一般会計補正予算(第14号)
新型コロナウイルス感染症の感染予防と社会経済活動の回復に向けた取り組みを進めるとともに、医療体制や保健所の強化、緊急事態宣言下における生活課題の克服に向けた取り組みを進めてきたが、引き続き、感染拡大を防ぐための対策に取り組むとともに、新型コロナウイルス感染 症対策の重要な柱であるワクチンの接種に向けて、2月15日には臨時組織を設置し、できる 限り早期に安心してワクチンが摂取できるように取り組みを進めていくとしています。
今回の補正では、新型コロナウイルス ワクチンの接種体制の整備やPCR 検査の強化等の対策など、新型コロナウイルス感染症対策(第12弾)として3月定例月議会に計上された補正予算額は 2,484,598千円、市負担額は 343,036千円となります。新型コロナウイルス感染症対策(第1弾から第12弾まで)の市負担額の合計は56.8億円となります。この市負担総額に対しては、国からの新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金(第1次交付額 10.1億円、第2次交付額 27.3億円、第3次交付額 2.1億円の合計 39.5億円)が充当される予定とのことです。
今回の補正予算では、新型コロナウイルス感染症対策第12弾のほか、決算見込みに基づく補正、国の補正予算に伴う令和3年度当初予算からの前倒し、債務負担行為や繰越明許費の設定など、予算の執行見直し等が行われました。議案第120号「令和2年度大阪府枚方市一般会計補正予算(第14号)」(補正予算額 2,861,573千円)については、多くの議員から質問がありました。
※議案第120号に対する私の質疑のやりとりは次のとおりです。
Q.私の質問
ただいま提案のあった議案第120号について、地方債及び基金を中心に質問させていただく。
まず最初に、地方税等減収補填債・調整債・徴収猶予特例債・特別減収対策債といった地方債について、今回、合計で約23.5億円の補正計上された理由について、「今年度における市税等の減収見込みを踏まえて見込んだ。地方税等減収補填債については、後年度の公債費に対し75%の交付税措置があるものの、それ以外にはない。借入れにあたっては、決算見込みを踏まえたうえで判断するが、財政的に有利となる地方税等減収補填債のみの借入れを想定している。」とのご答弁であった。予算化されたとしても、実際の借入れには慎重な判断をお願いしておく。
その借入れ、地方債について、もう少し伺う。今回の補正予算により、地方債の令和2年度末現在高見込みが 117,840,122千円(1,178億4,012万2千円)となることが議案書90ページに記されている。先月示された「長期財政の見通し」では、令和2年度末現在高の見込みは 111,270,000千円(1,112億7千万円)とされており、すでに 6,570,122千円(65億7,012万2千円)の乖離がみられるが、このことについて、見解を伺う。(※注:減収が見込まれるとされる「市税」について、「市税」全体では、今回、390,924千円の増額補正を行うことにより、補正後予算額が 55,775,481千円となり、「長期財政の見通し」に示された令和2年度 558億円とほぼ同額となっている。)
次に、今回の一般会計補正予算では、議案書31ページに、新型コロナウイルス感染症への対応の第3次分として国から交付される、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金、213,198千円(2億1,319万8千円)が計上されている。このことにより、今年度、本市に交付される額は合計で 3,953,374千円(39億5,337万4千円)と算定されるが、これは、財源調整として想定されていた「財政調整基金」の今回の補正額に反映されていると思う。
議案書87ページに 1,716,344千円(17億1,634万4千円)の積立ての増額、議案書41ページに 1,355,227千円(13億5,522万7千円)の取崩しの減額を補正計上している「財政調整基金」の状況について、年度末の基金残高の見込みも含め、伺う。
加えて、その他の基金積立金のうち、議案書51ページで「新庁舎及び総合文化施設整備事業基金」積立金として8億円、79ページで「安心安全基金」積立金として2億円が計上されている。これらは、「財政調整基金」からの積み替えとのことであるが、なぜ、今回の補正予算でこれらの基金に積み替えを行うこととしたのか、伺う。
また、歳出では、議案書49ページに「この街に住みたい基金」積立金として 106,236千円(1億623万6千円)の積立て増額が、議案書41ページに「この街に住みたい基金」繰入金として 165,591(1億6,559万1千円)の取崩しの減額が計上されているが、この主な内容について、伺う。
A.総合政策部長の答弁
まず、議案書90ページに掲載している「地方債残高の当該年度末現在高見込額」については、令和2年度の予算ベースに基づく数値となっている。一方、「長期財政の見通し」については、それをベースに令和3年度への繰越事業などを加味した、令和2年度決算見込みに基づく数値であるため、議案書の数値が「長期財政の見通し」上の地方債残高の数値を上回っている。主な要因としては、令和3年度への繰越を予定している総合文化芸術センター整備事業や小中学校のトイレ改善事業に係る地方債、また、現時点では借入を予定していないが、資金手当債となる徴収猶予特例債などが、議案書90ページの「地方債残高の当該年度末現在高見込額」に含まれることによるものである。
次に、「財政調整基金」については、今回の補正予算において、決算見込みに基づく歳出予算の減額補正とともに、市税等の更なる減収を想定した減収補塡債などを見込んだことに伴い、取り崩し予算としては、13億5,522万7千円の減額とした。積み立て予算としては、17億1,634万4千円の増額を計上している。これにより、令和2年度の繰入予算が23億円、積立予算が 30億1,672万3千円となり、令和2年度末の「財政調整基金」残高は予算ベースでは 120億7,390万1千円となるが、決算見込みに基づく残高では、資金手当債となる徴収猶予特例債などの積立を見込んでいないことから 102億5,200万円となる。
次に、「新庁舎及び総合文化施設整備事業基金」、「安心安全基金」への積み立てについては、今年度の決算見込みを踏まえながら、今後生じることとなる新庁舎等の整備や安心安全施策の推進といった将来の財政需要に備える観点から、基金への積み立てを行うものである。
次に、「この街に住みたい基金積立金」については、今年度の決算見込みに基づき効果額の積み立てと取崩し予算の減額補正を行っており、主な内容としては、積み立て予算では、病院事業会計の医業収益の減少に伴う、繰出金抑制に係る効果額の減額として 5,000万円を見込んでいるほか、増額要素としては、国民健康保険特別会計に対する繰出金抑制として 1億1,600万6,000円、市有財産の有効活用で 5,532万4,000円などとなっている。
次に、「この街に住みたい基金」繰入金の減額については、基金充当を予定していた各経費の減額によるものとなっており、主な内容としては、地方創生臨時交付金の活用などにより学校ICT機器等整備事業経費で 6,886万5千円の減額、事業の進捗などにより、学校規模等適正化推進事業経費で 3,731万円の減額、校務の情報化推進事業経費で 1,353万円の減額などとなっている。
Q.私の質問
今回の補正予算にかかる基金積立金の内容や地方債現在高のとらえ方については一定理解したが、現時点では借入れを予定していない資金手当債や、令和3年度に起債予定の事業債を前倒しで令和2年度に行うことから発生する事業債の繰越し分が含まれることで膨らんだもので、議案書90ページの「地方債残高の当該年度末現在高見込額」は、あくまで令和2年度予算ベースに基づく数値であり、令和3年度末の地方債残高の見込みにまで現時点で影響を及ぼすものではないということを、資料から読み取ることは困難ではないかと思われる。2月と3月で地方債残高の算出方法が変わったことへの疑問も残る。
先月示された「長期財政の見通し」の地方債残高とこの3月補正後として示された地方債残高が大きく乖離していることについては、「長期財政の見通し」の資料としての信頼性にも関わりますので、適時・適切な説明・対応をお願いしておく。
基金積立金については、昨年度、予算を計上したけれども、「財政調整基金」の残高を確保するため、積み立てることを行わなかった「減債基金」や「施設保全整備基金」について、今年度は積み増しの予算の計上も行われていない。今年度末の「財政調整基金」の残高は予算ベースで 12,073,901千円(120億739万1千円)を見込んでいる。「財政調整基金」から特定目的基金への積み替えとして、「新庁舎及び総合文化施設整備事業基金」には 8億円、「安心安全基金」には 2億円の積み増しを予算化したけれども、地方債の償還に充てるための「減債基金」、公共施設の保全及び整備のための事業費に充てるための「施設保全整備基金」への積み増しは行われていない。「財政調整基金」残高の確保は必要であるが、必要な積み増しが行われていないことは確認いただきたいと指摘しておく。
なお、「この街に住みたい基金」について、繰入額の減額は充当を予定していた事業に他財源が見込めたということ、積立てにあたって、病院事業会計への繰出金の抑制を効果額として積み立てないということは賢明なご判断であると思うし、理解した。しかし、繰り返しになるが、行財政改革の効果額として行う積立てにあたっては、確実な決算の見込みをもって執行されるよう、お願いしておく。
次に、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の本市への交付額は合計で約 39.5億円とのことであるが、これまでの補正予算で計上された新型コロナウイルス感染症対策関連経費の第1弾から第12弾の市負担額を積み上げると約 56.8億円になる。
市費負担で実施する新型コロナウイルス感染症対策では、実績を踏まえ、今回の補正予算で減額する額の大きな事業では、休業要請支援金事業(府・市町村共同支援金)の予算額 893,500千円(8億9,350万円)に対して 536,750千円(5億3,675万円)の減額、事業継続固定費支援金事業の予算額 322,000千円(3億2,200万円)に対して 262,100千円(2億6,210万円)の減額が計上されているが、国の交付金対象外のものも含め、新型コロナウイルス感染症対策に要する市の負担額は現時点でいくらになっているのか、伺う。
また、議案書16ページの繰越明許費補正にある「コロナ対策実施店舗応援事業」26,700千円(2,670万円)の内容と繰越理由を伺う。コロナ対策実施店舗応援事業は、予算額約 15.6億円を投じて行った事業者支援・小売店舗支援の事業と認識しているが、この事業のこれまでの実績と、どのような店舗でクーポン券が利用されたのか、個店なのか、大型量販店なのか、上位にランキングされている店舗種別を伺う。
A.総合政策部長の答弁
令和2年度の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金約 39.5億円に対し、決算見込みに基づく本市負担額は、交付金対象外も含め 42億円程度が見込まれる。
A.観光にぎわい部長の答弁
次に、コロナ対策実施店舗応援事業について、お答えする。
本事業の繰越明許費の繰越理由と内訳であるが、3月末まで実施している換金事務の手数料の支払いが4月以降となることから、その経費 2,500万円、その他、換金時に回収した使用済みのクーポン券の廃棄処分が4月以降に必要なことから、それら委託料等となっている。
また、本事業の実績であるが、最終の取扱店舗数が 1,987店舗、うち個店が 1,238店舗、大型店・チェーン店が 749店舗である。3月5日現在、クーポン券の換金枚数が 214万9,591枚、配布枚数全体の換金率は 89.6%となっており、うち個店での利用が 16.2%、大型店・チェーン店が 83.8%である。
なお、クーポン券が多く利用された個別の店舗をみると、スーパーをはじめ大手量販店が上位を占める結果となっている。
Q.私の意見
最後は意見・要望とさせていただく。
国・府の支援の届かないところを中心に実施してきたという本市の新型コロナウイルス感染症対策にかかる市負担額は約 42億円で、ここに約 39.5億円の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が充当されるとのことである。「財政調整基金」が厳しく底をつきそうだという他市状況を聞く中、本市の「財政調整基金」残高は、予算ベースで昨年度より約 7億円の増加となるようである。「財政調整基金」は確保しているけれども、「減債基金」や「施設保全整備基金」等の特定目的基金への必要な積み増しが見送られているのが現状であるということは確認いただきたい。
また、事業者支援の新型コロナウイルス感染症対策である休業要請支援金事業や事業継続固定費支援金事業等は、支援が必要であると予測した数に届かず、今回、減額されている。事業者支援・小売店舗支援のコロナ対策実施店舗応援事業 15.6億円のうち約 12億円のクーポン券は、現時点で 89.6%、約 10.7億円分が換金されたとのことであるが、スーパーなどの大型量販店 749店舗で約 9億円が使用され、個店 1,238店舗で約 1.7億円のクーポン券が使用されたとのことである。
まだ出口の見えないコロナ禍のなか、どうぞ、必要な支援が届いていない人に適切な支援が届くよう、事業者支援、特に個店に対する実効的な支援について、早急に調査・検討していただきたいとお願いしておく。
(※本会議録画映像 4:02:35~4:17:11)
■新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金(第3次)、財政調整基金繰入金(歳入)、新型コロナウイルス感染症対策事業費について(歳出)
【内容】
新型コロナウイルス感染症対応経費に係る国庫補助金の第3 次実施計画承認分として、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金 213,198千円の増額補正。それに伴う減額及び財源調整分、特定目的基金への積み替え分として、財政調整基金繰入金 1,355,227千円の減額補正。
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金について、第3次で 213,198千円の収入が見込まれ、第1次~第3次までの総額で3,953,369千円になります。3月定例月議会に計上された補正予算額は 2,484,598千円、うち市負担額は 343,036千円です。その結果、新型コロナウイルス対策は、第1弾から今回補正の第12弾までで(令和元年度分55,000千円も含まれますが)総額 50,572,584千円、うち市負担分は 5,681,039千円と説明されています。
■繰越明許費について
【内容】
繰越明許費の対象となる事業は32事業、繰越明許費補正後の総額は 1,453,009千円となっています。主な内容は、「新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業」549,097千円、「新型コロナウイルスワクチン接種対策事業」1,410,231千円、「トイレ改善事業(小学校)」1,184,000千円、「トイレ改善事業(中学校)」623,000千円、「枚方市駅周辺再整備ビジョン推進事業」2,513,988千円などがあげられています。
会計年度独立の原則から考えると、額が大きい(令和2年度当初予算の9.6%、3月補正後予算額の7.1%)ように思われます。繰越理由は用地取得の遅れなど、関係者との協議が整わなかったこと、国府補助金の時期、自然災害等による事故繰越しなどが考えられますが、今回の「コロナ対策実施店舗応援事業」の 26,700千円は異例かと思われましたので、議案質疑で繰越理由等を確認しました。
■新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業費・新型コロナウイルスワクチン接種対策事業費について
【内容】
新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業費 455,247千円(国10/10)は、新型コロナウイルスワクチン接種実施体制確保に要する経費で、コールセンター・事務処理センター・予約システム等の整備費用)で、新型コロナウイルスワクチン接種対策事業費 1,410,231千円(国10/10)は、新型コロナウイルスワクチン接種委託料等。
【議員からの質問】は次のとおり。
・接種会場(集団・個別)について。1,000人分のワクチンが届くとのことであるが、対象となる高齢者約 11.5 万人1%であるが、どのように進めていくのか。対象者への周知方法について。
・ワクチンの配送体制について
・コールセンターの機能について。接種体制の確保について。
【市の答弁】としては次のとおり。
・4月上旬から接種券の配布を開始。集団接種の会場として、市民会館を常設し、個別接種は、現時点で医療機関 70か所を確保。接種の順番は、高齢者入所施設の入所者から実施するか等について検討中。市の広報等で周知するとともに、接種方法(個別接種可能な医療機関等)は個別通知も検討。
・保健センターがワクチン配送のセンター機能を担う。個別医療機関への配送については、温度管理等の取り扱いなど、配送業者を通じて、安全に無駄なく届けられるよう契約手続きを進めている。
・コールセンターは最大20回線で、メール・ファックスに加え、QRコードも導入したい。コールセンターからの正しい情報提供に努める。全庁的に取り組む。
■成人祭(はたちのつどい)実施経費
【内容】
成人祭(はたちのつどい)実施経費 23,329千円は、1月11日に予定されていた成人祭が延期になったことに伴う式典舞台製作等委託 11,329千円、延期日での式典不可時のリモート配信委託及び着物キャンセル料補助 12,000千円。
【議員からの質問】は次のとおり。
・3密防止対策として他市が参考にもした19中学校での地域分散方式で開催している本市成人祭を、開催予定の3日前の1月8日に急遽延期する決定を行っているが、決定プロセスについて聞く。12月に府の医療体制がレッドステージに移行したことを受け、公共施設を突然閉館しているが、判断基準もわからない。リスクを回避する方策については、ある程度のエビデンスに基づき判断すべきではないか。
【市の答弁】としては次のとおり。
・感染拡大に歯止めがかからない中、当時の状況を踏まえ、1月8日、本部判断により延期を決定し、本部会議に延期後の対応について諮った。公共施設は、緊急事態宣言解除に伴い、開館としている。
■土地開発公社健全化対策経費について
【内容】
土地開発公社健全化に向けた用地の買戻し(中振交野線用地及び長尾春日線用地)298,850千円
【議員からの質問】は次のとおり。
・土地開発公社健全化対策経費の概要と対象用地の選定理由について。
・公社所有簿価の推移と買戻しによる利息の抑制効果について。
【市の答弁】としては次のとおり。
・将来負担の軽減を図るため、土地開発公社の経営健全化対策の観点から、保有期間が10年以上の長期保有地かつ事業化に時間を要するため利息の増大が懸念される事業の中から、所在地や規模を考慮して選定し、決算見込みを踏まえ、用地の買戻しを行うもの。
・保有簿価は、令和元年度末で約52億8千万円で、令和2年度中に約4億9千万円の取得、約7億3千万円の買戻しで、令和2年度末で約50億4千万円。今回の買戻しによる利息の抑制効果は、年間約180万円程度。
■指定寄附金について
【議員からの質問】は次のとおり。
・総務関係寄附金 2億1,323万3千円について、指定寄附金はどのように基金に積み立てるのか。
・指定寄附金を財政調整基金に積むのは異例ではないか。10月の収受で入金から時間も経っているが、議論はあったのか。負担金付き寄附ではないので返還義務はないが、寄付額を超過しないよう、ランニングコストも含め、執行方法の整理が必要ではないか。
【市の答弁】としては次のとおり。
・枚方宿地区の活性化・賑わい創出のための指定寄附金 2億円及び本市財政に対する指定寄附 1,158万円は財政調整基金へ、NPO活動応援のための指定寄附 89万1千円は「NPO活動応援基金」への積立て、まちの魅力の向上及び行政改革の推進のための指定寄附 76万2千円は「この街に住みたい基金」への積立てを行う。
・枚方宿地区の活性化・賑わい創出のための指定寄附金は、幼児療育園跡地に観光交流施設を検討している。観光方針の策定とともに基金化を検討する。効果的な管理運営について、公共施設マネジメント計画を踏まえ議論をしていく。(←観光交流施設の設置にかかる合意形成充分にできていないと思うので、将来負担も見据えて、しっかりと議論いただきたいと思います。)
議案第84号 令和2年度大阪府枚方市一般会計補正予算(第14号)
(歳入歳出補正額 2,861,573千円、補正後の額 205,027,888千円)
↓
※令和2年度当初予算は150,800,000千円なので、ここまでで54,227,888千円の補正増額になります。
歳入は、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の補正とあわせて財政調整基金繰入金の減額補正、歳出は、新型コロナウイルス感染症対策第12弾のほか、決算見込みに基づく補正、国の補正予算に伴う令和3年度当初予算からの前倒し、債務負担行為や繰越明許費の設定などを行うもの。
【歳入】(※主なもの)
▪市税 390,924千円(←決算見込みに基づく補正)、
▪地方消費税交付金 526,420千円(←決算見込みに基づく補正)、
▪新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金 213,198千円(←新型コロナウイルス感染症対応経費に係る国庫補助金 第3次実施計画承認分)、
▪新型コロナウイルスワクチン接種対策費国庫負担金 1,288,505千円、
▪新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業補助金 576,973千円、
▪社会資本整備総合交付金 115,826千円(←枚方市駅周辺再整備ビジョン推進事業経費に係る国庫補助金)、
▪学校施設環境改善交付金 559,306千円(←学校施設環境改善事業経費に係る国庫補助金)、
▪指定寄附金 200,000千円(←枚方宿地区の活性化・賑わい創出のための指定寄附)、
▪減収補填債 1,077,000千円、調整債 218,900千円、徴収猶予特例債 572,499千円、特別減収対策債 482,000千円(←市税等の減収への対応)、
▪物件等移転補償金 416,514千円(←旧さだ保育所跡地分、土地売払収入分含む)、
▪財政調整基金繰入金 ▲1,355,227千円(←特定目的基金への積み替え及び財源調整分)
【歳出】(※主なもの) 【アンダーラインは新型コロナウイルス感染症対策(第12弾)関連】
▪新庁舎及び総合文化施設整備事業基金積立金 800,000千円【積】(←財政調整基金からの積み替え:基金繰入金)、
▪障害福祉分野のlCT導入モデル事業費 4,458千円【補】(←障害福祉サービス事業所等における生産性向上を目的としたlCT機器導入経費に対する補助:国2/3=2,971千円)、
▪障害福祉サービスにおけるテレワーク等導入支援事業費 3,266千円【補】(←就労系障害福祉サービス事業所における在宅就労推進のためのテレワーク導入経費等に対する補助:国1/2=1,632千円)、
▪障害福祉サービス事業者等に対するサービス継続支援事業費 4,946千円【補】(←障害福祉サービス事業所・障害者支援施設のかかり増し経費への補助:国2/3=3,297千円)、
▪国民健康保険特別会計への繰出金 581,422千円【繰】(←国保財政安定化支援事業等分)、
▪介護サービス事業所等に対するサービス継続支援事業補助 39,000千円【補】(←介護サービス事業所等のかかり増し経費等への補助:国2/3=26,000千円)、
▪子ども・子育て支援事業補助金 1,500千円【補】(←私立保育所への登降園システム導入への補助:国 1,000千円)、
▪見舞金及び死亡弔慰金 6,500千円【扶】(←新型コロナウイルスで亡くなられた方の遺族に対する弔慰金:市)、
▪高齢者・ 障害者施設従事者PCR検査事業費 90,070千円【通・委】(←高齢者・ 障害者施設従事者に対するPCR検査の実施経費:国1/2=45,684千円)、
▪特定不妊治療費負担金 24,875千円【扶】(← 不妊治療に係る治療費への助成:府(国) 12,437千円)、
▪休日・土日夜間急病診療運営委託料 13,700千円【委】(新型コロナウイルス感染症の影響による増額:市)、
▪新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業費 455,247千円【消・委・使】(←新型コロナウイルスワクチン接種実施体制確保に要する経費=コールセンター・事務処理センター・予約システム等の整備費用:国10/10)、
▪新型コロナウイルスワクチン接種対策事業費 1,410,231千円【委・使】(←新型コロナウイルスワクチン接種委託料等:国10/10)、
▪やすらぎの杜経費指定管理料 690千円【委】(←新型コロナウイルス感染症の影響による増額:市)、
▪病院事業会計への負担金等 166,844千円【負・補】(←小児医療、感染症医療、コロナ対応医療機器等分)、
▪新型コロナウイルス感染症対策経費(緊急融資信用保証料補給金 ▲18,672千円、休業要請支援金[府・市町村共同支援金] ▲536,750千円、事業継続固定費支援金 ▲262,100千円) ▲817,522千円【負・補】、
▪枚方市駅周辺再整備ビジョン推進事業経費 184,048千円【補】(←国の補正予算に伴う令和3年度当初予算からの前倒し等:国 115,826千円、市債 65,900千円)
▪京阪本線連続立体交差事業経費 ▲629,087千円【報・委・工・土・負・補】(←必要額の確定)、
▪光善寺駅周辺市街地再開発事業補助金 ▲622,503千円【補】(←事業進捗の遅れ)、
▪土地開発公社健全化対策経費 298,850千円【土】(←土地開発公社健全化に向けた用地の買戻し)、
▪枚方寝屋川消防組合に対する負担金 ▲123,237千円【負】(←人件費等の確定による)、
▪安心安全基金積立金 200,000千円【積】(←財政調整基金からの積み替え:基金繰入金)、
▪新型コロナウイルス感染症対策応援基金積立金 45,805千円【積】(←寄附金の収入見込み)、
▪学校園施設改善事業経費 2,248,370千円【工】(←国の補正予算に伴う小中学校のトイレ改善事業などの前倒し:国 558,296千円、市債 1,689,900千円)、
▪児童・生徒等の健康管理事業費 82,400千円【消・備】(←小中学校における感染症対策に係る消毒液及びマスク等の購入:市)、
▪成人祭(はたちのつどい)実施経費 23,329千円【委・補】(←成人祭が延期になったことに伴う式典舞台製作等委託 11,329千円、延期日での式典不可時のリモート配信委託及び着物キャンセル料補助 12,000千円)、
▪総合スポーツセンター指定管理料 11,516千円【委】、渚市民体育館指定管理料 6,633千円【委】、伊加賀スポーツセンター指定管理料 8,768千円【委】(←新型コロナウイルス感染症の影響による増額:市)、
▪財政調整基金積立金 1,716,344千円【積】(←財源補正等)
【債務負担行為補正 183,028千円】(※主なもの)
▪地域外来・検査センター運営委託【委】 令和2年度から令和3年度まで [限度額]150,000千円
▪新型コロナウイルス感染症コールセンター業務委託【委】 令和2年度から令和3年度まで[限度額]31,600千円
【繰越明許費補正 8,202,797千円 → 補正後総額 14,543,009千円】(※主なもの)
▪見舞金及び死亡弔慰金 6,500千円
▪新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業 549,097千円
▪新型コロナウイルスワクチン接種対策事業 1,410,231千円
▪コロナ対策実施店舗応援事業 26,700千円
▪枚方市駅周辺再整備ビジョン推進事業 2,513,988千円
▪京阪本線連続立体交差事業 559,102千円
▪牧野長尾線整備事業 166,782千円
▪中振交野線整備事業 99,261千円
▪御殿山小倉線整備事業 65,000千円
▪長尾杉線整備事業 276,636千円・6,700千円
▪北山通線整備事業 39,880千円
▪施設改善維持補修経費 441,370千円
▪トイレ改善事業 1,807,000千円