6月15日、2023(令和5)年6月定例月議会(第1日)がスタート。条例の制定・改正案件の他、補正予算案件など、議案の審議を行いました。

2023/06/15

枚方市議会議員の奥野みかです。

2023(令和5)年6月定例月議会(第1日)は、6月15日(木曜日)に開会されました。

第1日目は、条例案件が8件、補正予算案件が3件、契約締結案件2件、訴えの提起が1件、調停案の受諾が1件、合計15件の議案審議が行われ、すべて原案可決となりました。なお、条例案件2件、枚方市立総合スポーツセンター条例等の一部改正については総務常任委員会に付託、枚方市立図書館条例の一部改正については教育子育て常任委員会に付託となりました。

報告については、外郭団体の経営状況の報告について2件、繰越計算書について6件、専決事項の報告1件(損害賠償の額を定めることについて 2件)合計9件の報告を聴取しました。

なお、会議に入る前に、全国市議会議長会から在職20年の永年勤続の表彰状の伝達が行われ、連合市民の会の野村議員が表彰されました。

付議事件議決結果一覧

6月定例月議会の会期は、6月15日(木曜日)から6月29日(木曜日)までの15日間となります。
6月22日(木)から一般質問が始まります。いま、一般質問の準備を行っています。

 


 

条例案件での議案質疑

◇議案第18号 枚方市立生涯学習市民センター条例の一部改正について

※議案第18号に対する私の質疑のやりとりは次のとおりです。

Q.私の質問
ただいま上程されました議案第18号「枚方市立生涯学習市民センター条例の一部改正について」、伺う。
議案に示された条例改正の基本的な内容は、
・サンプラザ生涯学習市民センターを廃止すること、
・生涯学習交流センターを設置すること
・施設内容は、サンプラザ生涯学習市民センター類似とすること。
・管理運営は、直営から指定管理者制度に変えること
・施設使用料等は従前水準とすること、
であると受け止めている。従前から変更があるところも、変更がないところも含めて、こうした内容を持つ新規の生涯学習施設を整備するとのことである。条例制定に先立ち、これらのことを整備計画としてまとめて市民に示して説明し、意見を聞くことを、なぜ行わなかったのか、伺う。

A.富田観光にぎわい部長の答弁
生涯学習交流センターについては、枚方市駅周辺再整備の一環として、サンプラザ生涯学習市民センター機能の移転と合わせて、図書館機能を一体的に提供するという位置づけで整備を進めている。
その中で、生涯学習に関する諸室の数や諸室の定員及び使用料については、基本的に変更はないので、既存施設の移転という観点から、生涯学習市民センターと図書館の連携や再編後の機能、業務、レイアウトなどを「枚方市新庁舎整備基本構想」や「枚方市駅周辺再整備基本計画」、「枚方市駅前行政サービスの考え方」において位置づけし、実施設計を終え、現在、内装工事に着手している状況である。
一方で、今回の移転内容を利用者等にお知らせしていく必要性は認識しており、今後、諸室や定員、使用料といった、今回の条例改正の内容等を周知していく。

Q.私の質問
・既存施設の単なる移転で、施設内容・施設使用料等に基本的に変更はない。
・生涯学習市民センターと図書館の連携や再編後の機能、業務、レイアウトなどは「枚方市駅周辺再整備基本計画」等に位置づけているので、当該施設の整備計画は不要。
・規定路線の具体化だから運営計画は不要。
ご答弁から、市の見解はそのようなものであると受け止める。

しかしながら、新しい場所に多額の公費を投じて整備する新しい公の施設であることは事実であり、だからこそ、設置条例も制定するわけである。
「既存施設の単なる移転」という市の見解の論拠とされている「施設内容・施設使用料等に基本的に変更はない」、「同じような施設規模・内容にする」ということ自体が、行政としての判断すなわち方針であり、そのことをしっかりと説明する責任があるのではないか。「その場所で新たに整備する施設なら、こういう施設・機能にしたほうがいいのではないか」という市の考えとは違う代替案の意見はありえるし、市には、それらの意見を聞き、検討する責任があると考える。実際、現在のサンプラザ生涯学習市民センター類似の施設内容としながら、市民ギャラリー廃止後の活用スペースである国際交流推進ルーム機能についてのお示しはないわけである。「既存施設の単なる移転」でないことの証左であるが、新しくなる施設で、国際交流推進ルーム機能についてはどう対応するのか、しっかりと検討いただきたいと、これは要望しておく。

また、運営についてである。指定管理者運営方式を拡大することが規定路線であったとしても、現在、直営で管理運営しているサンブラザ生涯学習市民センターの管理運営方法を変更するわけであるから、なぜ変更するのか、変更することでどのようなメリットがあるのか、デメリットはないのか等を、利用者市民にきちんと説明する責任があるわけである。これは、分館としての併設を示されている図書館機能メリット、デメリットについても同様であると考える。

計画・方針等を定めるにあたっては、パブリックコメントの実施が必要である。そのことを避けるためではないとは思うが、なぜ、「計画」を示すというプロセスを行わないのか。新しい公の施設であるのに「基本的に変更はない」から計画は不要。施設運営方式が変わるのに「規定路線」だから計画は不要。このような理屈は市民にどう受け止められるだろうか。「計画」を作って公表し、議会や市民の意見を聞くというプロセスは、行政が行おうとしていることを公開し、説明するという当然に求められている手続である。「枚方市、いったいどうなっているの?」と、市民の行政不信を招かないか心配である。

担当課として、「指定管理者制度の導入について、また、条例改正の内容等については、この後、利用者懇談会などでの説明、施設での周知等に努めたい」という説明はあった。条例が改正されたら、関係する利用者等に速やかに周知することは当然のことである。「今回の移転内容を利用者等にお知らせしていく必要性は認識している」と、これも当たり前のことである。
問題であると指摘しているのは、新しく整備する施設として、整備や運営に関する「計画」を示すことが必要ではないかということである。

先の全員協議会で問題になった③街区の行政スペースの総合窓口機能問題についても、であるが、公の施設について、整備施設ごとの整備計画をしっかり詰めておかないから、後で「話が違う」ということが出てくるのではないかと考える。市として、整備計画をあらかじめ示しておかないことのリスクは大きいと思うが、見解を伺う。

A.富田観光にぎわい部長の答弁
整備計画については、改めて作成する予定はないが、生涯学習交流センターの運営について、今後、指定管理者選定の際に作成する募集要項や基本仕様書等において、市の考えをしっかり盛り込んでいき、反映できるよう、進めていく。

Q.私の質問及び意見
公の施設を新たに整備するにあたって、施設の整備計画や運営計画の公表といったことは、本来、行政として、条例制定前に行うべきことであり、今回のプロセス・手続きは極めて不十分であるということは重ねて指摘しておきたいと思う。
「整備計画については、改めて作成する予定はない」との非常に残念な答弁ではあるが、条例事項としては、特に反対する内容ではないと考えるので、当該議案に反対はしないが、条例を制定したからといって、市が整理すべき課題、市民に説明し、話し合うべき課題は残されている。この後、適時適切な対応・取り組みをしっかりと進めることを要望しておく。

 

▶ 新しく整備する施設として、整備や運営に関する計画・方針等を示すことが必要ではないか。6月2日、「➂街区に設置する生涯学習市民センター・図書館の指定管理者制度導入について」です。(総務委員協議会の報告④)

 

 


 

(※以下、報告の詳細を掲載します。)

【外郭団体の経営状況の報告について 2件】

報告第2号 枚方市土地開発公社の経営状況(令和5年度事業計画)について
(事業内容:公有用地取得計画 5件の用地取得・公有用地処分計画 2件の用地処分、予算総額:収益的収入 127,873千円、収益的支出 130,475千円、資本的収入 5,802,540千円、資本的支出 6,522,625千円)

報告第3号 公益財団法人枚方市スポーツ協会の経営状況(令和5年度事業計画)について
(事業内容:市民スポーツ普及啓発事業、総合型地域スポーツクラブの育成事業、利用者の利便性向上事業、民間団体との連携協力事業、予算総額:経常収益 349,882,075円、経常費用 349,877,047円)

【繰越計算書について 6件】

報告第4号 2022(令和4)年度大阪府枚方市一般会計繰越明許費の繰越計算書について
(繰越内容:トイレ改善事業 他34件、8,864,297,968円)

報告第5号 2022(令和4)年度大阪府枚方市水道事業会計予算の繰越計算書について
(繰越内容:建設改良事業等、218,066,000円)

報告第6号 2022(令和4)年度大阪府枚方市水道事業会計継続費の繰越計算書について
(繰越内容:配水支管更新事業 他6件、1,566,704,014円)

報告第7号 2022(令和4)年度大阪府枚方市病院事業会計予算の繰越計算書について
(繰越内容:施設改良事業、2,365,000円

報告第8号 2022(令和4)年度大阪府枚方市下水道事業会計予算の繰越計算書について
(繰越内容:汚水公共下水道整備事業 他4件、701,210,426円)

報告第9号 2022(令和4)年度大阪府枚方市下水道事業会計継続費の繰越計算書について
(繰越内容:汚水公共下水道未普及地区整備事業 他1件、637,681,386円)


【損害賠償の額を定めることについて 2件(専決1件)】

報告第10号 車両物損事故(2件)

 


 

(※以下、議案の詳細を掲載します。)

【一般・事業会計補正予算 3件】

議案第10号 令和5年度大阪府枚方市一般会計補正予算(第4号)
(歳入歳出補正額 299,177千円、補正後の額 162,716,111千円)

・歳入
個人番号カード交付事務費補助金(社会保障・税番号制度関係事務経費に係る国庫補助金)54,155千円
保育所等整備交付金(私立保育所施設整備補助金に係る国庫補助)10,834千円
大阪府地域医療介護総合確保基金事業補助金(介護サービス事業所等のサービス提供体制確保事業補助金に係る府補助金)121,654千円
高齢者施設等施設内療養体制確保事業費補助金(介護サービス事業所等のサービス提供体制確保事業補助金に係る府補助金)25,710千円
その他雑入(有料自転車駐車場の賠償金に係る保険金収入)4,667千円
財政調整基金繰入金(収支調整分)70,522千円

・歳出
駐車場交通誘導警備委託料(北部支所費)(北部支所駐車場の満車時における車列整理や入出庫時の歩行者安全確保のための警備委託)8,500千円
いじめ問題再調査委員会委員事務経費(市立中学校で発生したいじめの重大事態に対して、市長部局での再調査を実施するための人件費等の補正)6,800千円
いじめ対策事業経費(いじめの相談支援体制を充実させるため、市長部局においても「いじめ相談窓口」を設置するにあたり、周知や手紙相談などいじめ対策を実施するための経費)1,084千円
社会保障・税番号制度関係事務経費(マイナポイント付与期限が9月まで延長されたことに伴い、期限前に来庁者が集中することを踏まえた窓口増設のための補正)54,155千円/(国)54,155千円
介護サービス事業所等のサービス提供体制確保事業補助金(新型コロナウイルス感染症に伴う介護サービス事業所等に対するかかり増し経費の増額補正)147,364千円/(府)147,364千円
私立保育所等経費施設整備補助金(私立保育所等への施設整備補助金に係る国の補助基準額が増額となったことによる補正)21,484千円/(国)10,834千円、(市債)8,500千円
新型コロナウイルス感染症関係制度融資信用保証料補給金(同制度融資の利用にかかる保証制度の延長及び融資対象の拡充による補正)4,536千円
有料自転車駐車場管理運営経費(令和元年度に発生した枚方市駅東自転車駐車場から階下店舗への漏水事案に係る賠償金)4,667千円/(諸収入)4,667千円
学校いじめ重大事態調査委員会委員いじめ問題対策事業費(いじめ重大事態のうち教育委員会が調査主体となる場合に、教育委員会の諮問に応じ、調査審議を行う調査委員会に係る人件費等の補正)17,120千円

 

議案第11号 令和5年度大阪府枚方市国民健康保険特別会計補正予算(第2号)
(補正額:37,226千円、補正内容:保険給付費等交付金、事務費等分繰入金、国民健康保険事務処理標準システム事業経費)

議案第12号 令和5年度度大阪府枚方市母子父子寡婦福祉資金貸付金特別会計補正予算(第2号)
(補正額:23,870千円、補正内容:事務費等分繰入金、母子父子寡婦福祉資金貸付システム構築委託料)

【条例の制定・改正 8件】

議案第13号 枚方市学校いじめ重大事態調査委員会条例の制定について
(枚方市学校いじめ重大事態調査委員会を設置するため。)

議案第14号 新型コロナウイルス感染症に対処するための業務に係る特殊勤務手当に関する特別措置条例の廃止について
(新型コロナウイルス感染症に係る感染症等対策業務手当の支給に関する特別措置を廃止するため。)

議案第15号 市長の調査等の対象となる出資法人を定める条例の一部改正について
(株式会社エフエムひらかたの解散に伴い、所要の整備を行うため。)←株式会社エフエムひらかたの解散は2022年3月31日です。

議案第16号 枚方市いじめ問題再調査委員会条例の一部改正について
(いじめ問題再調査委員会の委員の報酬を見直すため。)→会議出席、調査等従事(時間単価)を設定するもの。

議案第17号 枚方市税条例の一部改正について
(固定資産税の特例の割合を定めるため、軽自動車税の税率等の特例を見直すため及び森林環境税の賦課及び徴収に関し必要な事項を定めるため。)

議案第18号 枚方市立生涯学習市民センター条例の一部改正について
(枚方市立生涯学習交流センターの管理運営について必要な事項を定めるため。)

議案第20号 枚方市指定障害福祉サービス事業者の指定並びに指定障害福祉サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例等の一部改正について
(こども家庭庁設置法等の施行に伴い、所要の整備を行うため。)

議案第21号 枚方市附属機関条例の一部改正について
(枚方市総合交通計画推進協議会を廃止するため。)

以下、2件は常任委員会に付託。

議案第19号 枚方市立総合スポーツセンター条例等の一部改正について
(休所日等や使用の許可の基準を見直すため及び特に収益が見込まれる場合における利用料金を定めるため。)

議案第22号 枚方市立図書館条例の一部改正について
(枚方市立市駅前図書館を設置するため。)

【契約案件 2件】

議案第23号 令和5年度東部清掃工場定期補修工事請負契約締結について
(川崎重工業株式会社関西支社、509,300,000円、契約期間は契約締結日~令和4年3月15日)

議案第24号 牧野長尾線(7工区)・長尾杉線(長尾工区)道路整備工事請負変更契約締結について
(施工場所:枚方市長尾東町1丁目及び3丁目地内、(株)中島組、契約金額:変更前 773,740,000円、変更後 859,697,300円、変更理由:堤防上部の拡幅工事における護岸コンクリート等の取壊し工法の変更等)

【その他 2件】

議案第25号 訴えの提起について
(原告:枚方市 代表者 枚方市長、被告:大阪市在住者、概要:在職期間中の行為に係る刑事事件に関し、禁錮以上の刑に処せられた元職員に対して退職手当の全部返納を求めていたが、これに応じないため、大阪地方裁判所に訴えを提起することについて、議決を求める。)

議案第26号 調停案の受諾について
(原告:枚方市所在の法人、被告:枚方市 代表者 枚方市長、概要:2019(令和元)年10月に発生した、枚方市駅東自転車駐車場の階下店舗への漏水事故について、被害店舗より調停の申し立てがあり、その調停案を受諾することについて、議決を求める。)

 

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