GIGAスクール構想の推進における1人1台端末の更新について。子どもたちの未来への可能性を最大限に伸ばす枚方の教育をめざすために。(教育子育て委員協議会報告⑤)
枚方市議会議員の奥野みかです。
8月28日に開催された教育子育て委員協議会の報告⑤です。
(5)GIGAスクール構想の推進における1人1台端末の更新について[教育研修課]
国のGIGAスクール構想に伴い、本市は、2020年度に、1人1台端末を賃貸借契約(5年)により導入した。2025年度に順次、賃貸借契約期間が終了となることから、子どもたちの学びに支障がないよう1人1台端末の更新を滞りなく進めるため、2023年度より小中学校教職員や外部有識者による意見聴取会を設置するとともに、内外の意見を参考にして議論を重ねてきたところ。今回、2030年9月30日までの約5年間の次期1人1台端末に係る機種、周辺機器及び学習支援ソフト、通信手段等について報告するもの。
◇GIGAスクール構想の推進における1人1台端末の更新について
【委託料】
令和6年度(2024年度)
特別職非常勤職員報酬等:1,056千円
総事業費:5,098,726千円
補助金額:1,161,380千円(31,700台×上限55,000円×2/3、31,674台)
市負担額(予算):3,937,346千円
奥野の意見
GIGAスクール構想、1人1台パソコンというツール(道具)の話が進行する中、学校教育において最も大切な「非認知的能力」を高める教育への関心が薄れてしまっていないかと懸念しています。
非認知能力とは、知能検査や学力検査では測定できない能力で、意欲や協調性、忍耐力、自制心など、人の心や社会性に関係する力を指します。文部科学省は、非認知能力を「子どもたちが未来を切り拓いていく資質」として重要視しています。
例えば、不登校が拡大するということは、学校という「場」の中で、教員と子どもたち、また、子どもたち同士の関係性の中で、自分と他者を大切にできる力を培い、「非認知的能力」を高め、生きる力を身につけた人材を育てるという役割を果たせないのではないか、学校という存在意義の喪失につながりかねない危機ではないかと危惧します。こういった危機感への対応も必要であると考えます。
他の委員の質問
・本市の1人1台セルラー、LTEモデルのメリットとして、他者参照、共同編集、即時調査等がある。児童・教師ともに苦手な者へのフォローについて。使用頻度(習熟度)と学力の関係。
→ICT支援員が教職員の端末操作を支援。教職員向け操作動画も作成しアップしている。また研修会を複数回し、指導主事にヒアリングして好事例を紹介する等、学びを深められるように工夫している。ほぼ毎日使用している児童と週1回程度使用の児童を比較。全国学力テストにて平均正答率の相関が確認されている。
・1人1台端末で、公平性の観点から、障がいのある児童生徒への対応(配慮を要する児童生徒)と同様に、外国ルーツの児童生徒に対する対応について。
→教職員の端末操作には、翻訳アプリケーションをインストールし、コミュニケーションを図れるよう対応。様々な国籍の児童生徒がいるので、より多くの言語に対応していけるように努める。日本語が不慣れな保護者への対応にも活用。
・議員立法の教科書バリアフリー法(2024年7月_一部改正)において、音声教材が活用できる児童生徒の範囲に(これまで障害のある児童生徒)、よみかきが不自由な外国人が加わった。多文化共生にデイジー教科書(翻訳アプリも活用、マルチメディアデイジー教科書)の活用。
・端末のハードディスクの容量について。バッテリーは、第7世代・第7世代以降も変わらない。端末の重量は軽くなるのか。
→32ギガより大きい。重量は数10グラム軽くなす。教科書を教室に置いておく(置きベン)ことも認める。(校長会で指導)重量があるため、姿勢(猫背リスク)への配慮も要望。
・附属物品等の想定もあるのか。
→タッチペンを標準にする。
・グーグルアカウントがなくなって支障はないのか。
→複数のアカウントが混在する混乱を避け、一本化するもの。これまで各自が保存しているデータについては活用できるように対応する。更新後はマイクロソフトアカウントのみ。教師の使用する校務支援システムはマイクロソフト。
・国補助の基準額は、1人1台あたり、上限55,000円×2/3
・導入時(2020年)はIpad第7世代。メタバース等、機種の処理能力も高まっている。2024ではどの程度、向上しているのか。
→カメラ性能、データ処理速度、外国語対応、新たなアプリのインストール等が向上。
・不登校の子どもたちが機器を使いこなせていない(説明を受けられていない)実態がある。子どもたちが効率的に支援を受けられるよう、保護者へのサポートも必要。(データで上がっているのではないか。)
・SNSの活用も増えていることから、デジタルリテラシーの向上も必要。
・タッチペンの導入をお願いする。(活用事例、先生の負担軽減)
【参考】
▶ GIGAスクール構想の推進における1人1台端末の更新について(2024年6月教育子育て委員協議会資料より)
【参考】