3月17日、予算特別委員会2日目(総論及び総務・教育子育て部門)、公の施設として廃止される市民会館の維持管理経費や学校給食牛乳パックリサイクル事業等について質問しました。
枚方市議会議員の奥野みかです。
3月17日、A日程(総論及び総務・教育子育て部門)、総論に続いて行った具体的な事業についての質問の報告です。
************************
【3月17日の質問項目】
[総論]
(1) 自主財源の根幹である市税収入の見通しについて
(2) 施設保全整備基金等の特定目的基金の運用に関する考え方について
[個別事業]
(3) 市民会館維持管理経費について
(4) 枚方市駅周辺民間活力導入可能性調査委託について
(5) 公立保育所民営化事業経費について
(6) 幼児療育園の跡地活用について
(7) 学校給食牛乳パックリサイクル事業について
(8) 学校水泳授業民間活用事業について
※以下、質問のやりとりを掲載します。
(3)市民会館維持管理経費について
Q.私の質問
ここからは具体的な事業について伺う。
まず、市民会館維持管理経費について、伺う。
市民会館大ホール棟は、2021(令和3)年9月末をもって、市民会館本館は、2022(令和4)年3月末をもって一般貸出を終え、条例で定める「公の施設」が廃止となることが決まっている。3月11日付の市からの通知によると、もと枚方市市民会館については、庁内の事務、会議スペースなどに対応できる庁舎「第3分館」(公共施設)として、2022(令和4)年4月1日から除却までの間、総務部が所管して暫定活用を行うとのことである。
予算説明書139ページには、「文化振興費」の「市民会館維持管理費」42,492千円(施設運営委託料 24,662千円、諸経費 17,830千円)が計上されているが、施設運営委託料 24,662千円は、実際にはどのような予算執行になるのか、伺う。
また、公の施設としての条例が廃止された当該施設を、「庁舎」として暫定活用していくには、「枚方市庁舎管理規則」に基づく運用になるのかと思うが、どのような手続きが必要で、現時点で、どの程度の手続きが完了しているのか、伺う。
A.総務管理室課長の答弁
令和4年4月から庁舎として管理運営を行っていくことから、これまでの諸室の貸し出しに係る受付事務の廃止や、年間24時間にわたる人的警備から夜間及び休祭日の閉庁時間帯におけます機械警備への変更導入など、必要経費を精査のうえ、令和4年度の施設運営委託料としては、防災設備等点検業務などの各種点検業務や、水質検査などの環境衛生管理業務のほか、清掃業務及び警備業務にかかる経費を計上している。諸経費についても光熱水費や冷温水機保守点検委託等に係る委託料など、庁舎管理において必要な範囲を計上している。
また、庁舎としての暫定活用にあたっては、名称を第3分館と変更し、庁舎として活用することやその旨を周知する決裁を行っており、今後、速やかに観光にぎわい部から総務部への所管替え手続きを進めていく。
Q.私の質問
「公の施設」ではなくなるが、今回、お示しされた庁舎「第3分館」(公共施設)として暫定活用するにあたり、この後、毎年度、令和4年度同様のランニングコストが見込まれるということになるのか、伺う。
さらに、令和4年4月1日以降、公の施設の廃止が決まっている市民会館本館も大ホール棟も、市有建築物保全計画の対象からも除外されるとのことであるが、施設保全や改修・修繕対応を行う基準について、また、2022(令和4)年度、必要となる保全対応はどのように見込まれているのか、伺う。
A.総務管理室課長の答弁
庁舎管理にかかる必要経費については、庁舎として暫定利用行っている間、計上を見込んでいる。また、2022(令和4)年度におけます保全工事や修繕などの予定は現時点ではない。しかし、施設使用にあたり安全面等に影響が生じないよう、必要な修繕等は費用対効果を検証しながら検討を行っていく。
Q.私の質問
廃止することが決まっている公の施設の、廃止後の「施設運営委託料」を予算化するというのは前代未聞である。庁舎としての暫定活用が決まっていて予算化したというのであれば、庁舎の何を運営する「施設運営委託料」になるのか。庁舎のメンテナンス業務を委託するなら、名称は「庁舎管理委託料」になるだろう。「予算は目的ごとに予算計上している」と先ほどご答弁もあったが、予算は目的別に組むものである。庁舎「第3分館」(公共施設)の維持管理経費は、「目」になるが、「庁舎管理費(庁舎の維持管理に要する経費)」で組むべきであり、「文化振興費(文化振興に要する経費)」ではない。
2022(令和4)年4月1日以降、「公の施設」の廃止が決まっている施設を残すのであれば、2022(令和4)年度予算編成までに整理しておくのがあたりまえではないか。
昨年7月の全員協議会で、「2022(令和4)年度以降の市民会館における維持管理に係る予算及び担当部署につきましては、今後、廃止後の市民会館の取扱いについて庁内で検討を行い、年内には確定してまいりたいと考えております。」と当時の部長にご答弁いただき、予算編成もあることから年内には確定ということですね、と確認している。
市民会館の庁舎「第3分館」化については、存続させる大ホール棟・市民会館本館の予算をどの予算科目で、どのような位置づけで組むのかということは、今回の予算編成において重要なポイントの1つであったと思う。2022(令和4)年4月1日から庁舎として管理していくことが決まったというのに、なぜ、文化振興費で予算を計上しているのかについて、これは、財政部局の見解を伺う。
A.財政課長の答弁
庁舎利用とする方向性は決まっていたが、その活用内容によって、予算計上費目が異なることになり、予算編成段階では、具体的な活用内容の決定に至っていなかったため、暫定的に文化振興費に計上したものである。
しかしながら、今後、適切な費目での執行となるよう対応していく。
Q.私の質問
「予算編成段階では、具体的な活用内容の決定に至っていなかったため、暫定的に文化振興費に計上した」とのご答弁である。では、庁舎として活用するということは、いつ、どこで、どのように決められたのか、伺う。また、3月11日付で庁舎として暫定活用する旨の通知を受けたが、丁寧な情報共有を図ると言われながら、この時期の通知となった理由について、伺う。
また、庁舎として活用するには、どのような手続きが必要か、そして、現時点でどの程度の手続きが完了しているのか、聞かせていただいたが、手続きの進捗に問題はないのか、伺う。
A.総務管理室課長の答弁
2021(令和3)年10月に庁内委員会である公共施設マネジメント推進委員会において、除却工事が始まるまでの暫定活用として方向性が決定され、その後、暫定活用となることにより、経費の削減による施設運営などの具体的な活用方策やその課題等の検討を行ったことから3月の報告となった。
庁舎管理に必要な手続きはすでに確認を行っており、今後とも遅れることなく適切な時期に行っていく。
O.私の意見・指摘
2021(令和3)年10月に決まったとのことであるが、庁内各課への事務連絡通知も3月11日のようである。
第3分館の3階は無線APを常設した会議室になるようだ。リモート会議用のリアル会議室。2階は固定利用。1階と大ホール・小ホールは特設会場としての暫定利用を予定されている。
新庁舎基本構想や③街区における新たな行政機能についての協議をしながら、今回の庁舎機能の拡大である。昨年7月の全員協議会で示されていた「エリアマネジメントの促進に向けた大ホール跡地の暫定活用などによる社会実験」は、この後、庁舎の特設会場を活用するというのか。
庁内会議室も不足、空調も市役所本館・別館庁舎と一体なので、総務管理室が担うのはやむを得ず、かもしれないが、この大きな転換は、委員協議会での報告が必要であったのではないか。さらに、市長が市政運営方針で述べる必要があったのではないか。
予算編成も含め、廃止された市民会館本館・大ホール棟の取り扱いの手続き上の瑕疵について、ここでは指摘しておく。
いずれにせよ、公の施設としては廃止となった市民会館を、公共施設の庁舎として暫定利用することを決定された。安全性の確保には最大限の注意を払っていただくとは思うが、市民会館大ホール棟の落下物防護ネットは、あくまでも緊急処置であるから、本来的には使用を継続するべきではない。
枚方市駅周辺再整備事業においては、令和5年度以降となる④⑤街区の整備とともに市民会館施設の廃止・解体を考えていくというこれまでのご答弁に対して、目の前にある市民会館大ホール棟、市民会館本館の廃止後の扱いが「おざなり」にされているのではないかと、この間、ずっと指摘してきている。
本市の文化芸術拠点としての役割を終えた市民会館大ホール棟に関する今後の取り組み方針については、あくまでも手段でしかない補助金の獲得を至上命題にし、まだまだ事業計画も事業概要も不透明な⑤街区における事業と一体で土地区画整理事業を進めようとすると、結局、ズルズルと長い時間がかかってしまい、その間、不必要な施設の維持管理コストを出し続けることになるばかりか、新たな活用可能性をつぶすという莫大な機会損失と逸失利益を発生させることになるのではないかと考えるので、繰り返しになるが、基金財源による先行解体、そして、跡地の早期暫定活用を図るべきであることを再度指摘しておく。
▶ 2021(令和3)年予算特別委員会「市民会館維持管理経費について」の質問
「落下物防護ネット」を張り巡らされ、役割を終えた危険な建築物が市駅南側に長く放置されることのないよう、廃止施設であってもリスク管理のために莫大な費用がかかる大ホール棟の早期の解体撤去を要望。
(4)枚方市駅周辺民間活力導入可能性調査委託について
Q.私の質問
次に、枚方市駅周辺民間活力導入可能性調査委託について、伺う。
2021(令和3)年度予算3月補正で計上された「サウンディング型市場調査に係る委託事業」の債務負担行為100万円は、2022(令和4)年度当初予算説明書ではどこに計上されているのかわからなかったが、これまでの質疑の中で、「枚方市駅周辺再整備調査設計等事業費3,200万円」に含められていること、そして、その委託3200万円には、「(1)サウンディング型市場調査に係る業務」のほか、「(2)④⑤街区でのまちづくりに関する調査・検討業務」(「④⑤街区の市有地を有効活用したまちづくりの考え方(案)」の作成支援や、土地区画整理事業の都市計画決定に向けた調査・資料作成などの支援業務)、さらに、「(3)①②街区のまちづくりに関する調査・検討業務」(権利者の生活再建を踏まえた検討を進めるためのモデル案の作成や権利者勉強会の開催などの可能性調査・検討の支援業務)という3つの業務委託を予定している、ということのようである。
3月14日に、「実施要領」が配布されたが、3月~5月を委託期間とするサウンディング型市場調査委託の受託事業者と、契約方式について、伺う。
また、この可能性調査で確認する「可能性」とは何なのかについて、伺う。
A.市駅周辺まち活性化部課長の答弁
サウンディング型市場調査に係る契約については、先月の2021(令和3)年度大阪府枚方市一般会計補正予算の成立後に手続きを開始し、3月4日付けで、2021(令和3)年度に枚方市駅周辺再整備の調査、検討などの業務委託している業者に対し、業務期間の短縮及び経費の削減を図れるなどを理由に随意契約の締結を行った。
また、本調査における「可能性」については、今般取りまとめた④⑤街区のまちづくりの考え方(骨子案)を基に、民間事業者から提案を頂くことで、コンテンツなど今後予定しているまちづくりの実現性や魅力をさらに高めていくことができると考えている。
Q.私の質問
「サウンディング型市場調査に係る委託事業」の受託者は、2020(令和2)年4月以降、繰り越しとなり、2022(令和4)年2月末までが契約期間となった「枚方市駅周辺再整備基本計画策定支援業務委託」の受託者で、UR(ウル)、「都市・計画・設計研究所」と聞いている。「枚方市駅周辺再整備基本計画策定支援業務委託」は、基本計画の策定等支援のほか、2021(令和3)年度には、②④⑤街区における都市計画の検討、勉強会・意見聴取などの支援とのことで、昨年、④街区の民間活力導入エリアの魅力を高めるコンテンツの検討に活用するため実施されたアンケート調査(35件)やワークショップ実施(2回)などの支援も担われた事業者への随意契約である。
可能性調査で確認する「可能性」とは何なのか、について、ご答弁はよくわからなかったが、コンテンツが実現できたとしても、そのコンテンツが、まちとしての価値を持続的に高められるものであるかという評価も重要ではないか。市の見解を伺う。
A.市駅周辺等まち活性化部課長の答弁
まちづくりの具体化に際しては、まちづくりの検討段階から、まちが完成した後の持続的な魅力向上を見据えておく必要があることから、本市としましては、エリアマネジメント手法を用いてコンテンツの提供者などと連携し、その実現を目指して行く考えである。
O.私の意見・指摘
今回のサウンディング型調査をはじめとする各種調査・検討の実施により、「枚方市駅周辺再整備基本計画」に記載しきれなかった内容の補完を行なおうとされているのであれば、前向きな理解ができなくもない。中心市街地における再整備計画で、集約化・高度利用が要求されるのは当然のことで、いくら「民間活力の導入」を掲げたところで、実際に事業を担う意思のある事業者がいなければ、つまり「実現可能性」がなければ、それは「絵に描いた餅」でしかないからである。
しかし、あわせて、もうひとつ検証しておかなくてはならないのは、「持続可能性」である。
民間事業者は、将来リスクを減らすために、事業期間を短く設定する。初期の投下資金を速やかに回収して、手を放すことができるタイプの事業提案、例えば分譲タワーマンション建設事業なら、当初に建設し、売り切ったら、事業者の手を離れる。50年後のことは区分所有権者の問題になるが、まちづくりにおいては、50年後のことこそが重要である。民間集客施設についても同じである。
将来見通しがあまりにも不透明なこの時期に、まちの将来を見据えた④・⑤街区の再整備を進める際には、いかにコストが肥大化しない効率的で効果的な事業にするかという視点が重要である。そのためには、9割が枚方市の土地であるという④街区での公共資産を十分に活用して、高度利用を図りながら、市にとって必要な機能、そしてまちづくりに必要な魅力ある施設を集約化して整備することが有益だと、私は考えている。
⑤街区に大きく事業地を拡大すると、財政負担問題を含め、事業の持続可能性は低下する。民間を巻き込んだ事業はコンパクト化し、公共性をしっかりと確保した計画が必要である。
民間事業者が、実現可能性のみならず、将来にわたって必要であると要望される機能を維持し続けることができるのか、陳腐化しない機能を保持できるのか等といった持続可能性や、適切な「公共性」が保有されるのか等についても、「不易流行」という考え方も踏まえ、この可能性調査の中でしっかりと検証していただくよう、意見しておく。
(5)公立保育所民営化事業経費について
Q.私の質問
次に、公立保育所民営化事業経費について、伺う。
予算説明書233ページの「9.公立保育所民営化事業経費」131,628千円について伺う。この経費には、2021(令和3)年4月に民営化した渚保育所の子どもたちが、2022(令和4)年4月に新園舎へ移転した後、園舎を解体して更地にし、財産区へ返還するために係る経費が含まれていると聞いている。
そこで、用地返還までのプロセスについて、伺う。
A.私立保育幼稚園課長の答弁
渚保育所用地の返還にあたり、現在、2022(令和4)年度の園舎解体に向けて実施設計と家屋調査を行っているところである。
また、この度の渚保育所の民営化においては、法人が当該保育所を使用して保育を提供するのが1年間のみとなるため、渚保育所の備品等については、法人が譲渡を希望するものについてのみ法人へ譲渡することとしている。法人が譲渡を希望しないものについては、他の公立保育所等で使用できるものは使用し、それ以外のものを廃棄するため、2022(令和4)年度の当初予算には、解体工事に係る費用と産業廃棄物処理委託料を計上している。なお、2022(令和4)年度中に更地にした上で用地を返還するものである。
O.私の意見・指摘
2022(令和4)年3月をもって公共施設としての使用を終了し、廃止施設となる2つの保育所について、借地の上に建つ渚保育所は、2022(令和4)年度中に解体して、原状回復の後、用地返還となる。市有地の上に建つ渚西保育所は、臨時保育室の開室に向けての整備が始まる。
廃止施設がそのまま空き家となって残存する危険性を回避するためにも、公共施設の廃止の決定を決定する場合は、跡地活用の明確化、もしくは解体まで実施して、当該事業の完了とする仕組みを導入するよう、昨年の予算特別委員会でも意見しているが、いずれの施設についても次の方策が検討され、その点については、安心をしている。ただ、渚西保育所の後に整備される臨時保育室は、あくまでもピーク時までの暫定的なものであるとのご説明である。跡地利用問題は先送りされただけとも言えるのであるから、今から、跡地処理に関する方針を検討し、明確化すべきである。
建物を建設したら、その時から減価償却を行い、次の更新費用に備えるということは社会一般に行われていることである。現金会計であっても、修繕積立や解体積立が行われている例もある。公共施設においても、最後のしまい方となる解体財源の計画的な確保を必須とすることが必要ではないかと考えている。
繰り返しになるが、これらの事例のように、公共施設の廃止は、跡地活用の明確化、もしくは解体まで実施して事業の完了とする仕組みを導入するよう、意見しておく。
(6)幼児療育園の跡地活用について
Q.私の質問
次に、幼児療育園の跡地活用について、伺う。
2019(平成31)年3月にその役割を終えた枚方市立幼児療育園跡地であるが、その後、建物はそのままの状態で残っている。2022(令和4)年度当初予算において、この建物の維持管理費用として、どのような予算が計上されているのか、伺う。
A.観光交流課長の答弁
幼児療育園跡地の維持管理費については、予算説明書227ページ、児童福祉総務費、事務経費として 機械警備委託料 209,000円、また、機械警備に係る電気代としては、予算説明書143ページの事務経費、光熱費として 180,000円を計上している。
Q.私の質問
建物の維持管理に係る経費として、機械警備委託料が20万9千円、光熱費が18万円とのことである。2021(令和3)年度は、観光交流課に移管され、伐採・伐根の経費も計上され、実施されたとのことである。廃止施設となった後、使用実態がなくても維持管理費用は発生し、安全管理上のリスクもあることから、老朽化した建物がそのまま放置されている状態は防犯上も不適切であるとして、繰り返し、問題提起をしてきている。その上に、当該物件は、1970(昭和45)年に建てられたものであるが、当時、使用されていた建築資材には飛散性アスベストの含有が認められ、解体に係る工期や費用が当初の想定より多くかかってしまう事例も多いと聞いている。
当該物件については、周囲に住宅も多い地域であり、アスベストなどのリスクについては、どのように考えておられるのか、伺う。
A.観光交流課長の答弁
幼児療育園跡地については、さまざまなリスクも想定し確実に実施できるよう、引き続き取り組みを進めていく。
O.私の意見・指摘
幼児療育園の跡地活用については、今回の市政運営方針で、民設民営での活用方法の検討が提案されている。この後、地域の意見もしっかりと聞くということであるが、老朽化した施設の更新や解体にあたっても、地元への丁寧な説明が必要になると考える。
B日程で確認するが、ともに「ひらかた子ども発達支援センター」に機能を移行した「すぎの木園」について、施設の解体は市が行い、更地にして、次の活用に備えている。「すぎの木園」は市の責任による園舎の解体工事であったが、飛散性アスベストが建築資材として使用されていたことから特別管理産業廃棄物処理も必要となる等、解体・撤去に係る費用がかなりの増額となったと聞いている。
飛散性・非飛散性で廃棄物処理に違いはあるが、アスベストの含有が想定される公共施設の解体について、公的機関が責任をもって実施するというのは当然のことかと思うが、そもそも解体工事というのは、騒音・振動・ほこりといった、周辺地域に及ぼす問題も大きいことから、公的機関が適切な管理のもとで責任をもって実施するべきであると意見しておく。
▶ 2020(令和2)年予算特別委員会「未利用施設(元幼児療育園)の維持管理について」の質問
用途廃止となった資産について、市として大きな機会損失とならないよう、例えば、建物の解体費用を基金から繰り出すシステムを構築されている他市事例も参考に、地元からの要望も踏まえた資産活用方策を早急に確立することを要望。
(7)学校給食牛乳パックリサイクル事業について
Q.私の質問
次に、学校給食牛乳パックリサイクル事業について、伺う。
予算説明書301ページ、資源物リサイクル事業経費に含まれる1,000万円を超える牛乳パック自動洗浄機や、運搬に係る費用やコストの予算化は環境部であるが、この「学校給食牛乳パックリサイクル事業」は、牛乳パック排出者である教育委員会と一体的に実施されるものであり、学校給食、学校教育の課題については、予算特別委員会で教育委員会に確認をさせていただく必要があると考え、伺う。
まず、新規の予算措置が必要となった背景状況について、伺う。
令和3年度までの学校給食牛乳パックの回収方法と、牛乳納入事業者が持ち帰っていた飲み終えた牛乳パックを、令和4年4月以降、持ち帰らないことになった理由について、伺う。
また、それは、大阪府内自治体すべての変更ということか。東京都では、2020(令和2)年4月以降、牛乳納入事業者が持ち帰っていた飲み終えた牛乳パックを持ち帰らなくなったと聞いているが、これは全国的な流れなのか、伺う。
A.おいしい給食課長の答弁
2021(令和3)年度までは牛乳納入業者が、翌日分納品時に回収する。
学校給食の牛乳納入業者は大阪府を通じて契約しているが、2017(平成29)年以降、ビンから紙パックに移行する依頼が業者側からあり、その移行期間である2021(令和3)年度末までは納入業者が飲用後の紙パックを回収することとなっている。廃棄物の処理及び清掃に関する法律により「事業活動を行っている者は生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない」などといった理由から、納入業者による回収はできなくなった。また、食品衛生法上、事業者の衛生管理手法に関する基準の遵守が義務付けられており、「新しい牛乳パックと飲用後の牛乳パックを同時に取り扱うことに衛生上の問題がある」ということもあり、2022(令和4)年度以降、大阪府内ではそれぞれの自治体が処理することとなったが、これは、全国的な流れと理解している。
O.私の意見・指摘
大阪府内自治体すべてにおいて、2022(令和4)年4月以降、学校給食の牛乳は紙パックに完全移行し、納入業者による回収はなくなるとのことである。豊中市では、今年度までビンによる提供であったことは驚きであったが、枚方市では、2016(平成28)年度より中学校分、2019(平成31)年度より小学校分の牛乳が紙パックに移行しているが、ポイっと捨てた紙パックを牛乳納入業者が毎日持ち帰ってくれていたとのことである。
2022(令和4)年度の新規方式では、各学校からの回収頻度は、週に2回を予定しているとのことで、その間の保管方法は、飲み残しを全て廃棄したうえで、空のパックをポリ袋に入れて口を閉じ、シートで散乱防止して保管する予定であると伺った。現在、各学校のヒアリングを行っておられるとのことであるが、飲み残しの牛乳が付着した牛乳紙パックを2~3日も保管しておくとなると夏場などは腐敗が進み、衛生上も問題であり、保管場所も確保できないというのが、学校関係者の率直な声ではないか。
Q.私の質問
さて、牛乳パックの再利用運動においては、基本理念として、「牛乳パックの再利用を通して、子どもたちにものを大切にする心を伝える」というものが掲げられている。市が行おうとする新たな牛乳紙パックリサイクルでは、「開いて、洗って、乾かす」という、これまで確立されてきた回収上のマナーのどの部分にも、子どもたちや学校給食関係者が関わることなく、これまでと全く同様の「飲みっぱなし状態」でのリサイクルとなる。
その理由として、「生命に関わる状況が考えられる」と牛乳アレルギーの厳しさも発言されていた。
そこで、非常に強い牛乳アレルギーを持つ児童・生徒はどれくらいいるのか、伺う。
A.おいしい給食課長の答弁
市立小学校において、乳成分が触れても症状がでる、微量の混入でも症状がでるため給食を喫食していない、給食当番の配慮が必要など、特別な配慮を要する児童は現在45人である。(コンタミネーション?)
また、食物アレルギーが原因で、小学校で飲用牛乳を欠食している児童は309人である。
市立中学校では、飲用牛乳を欠食している生徒は23人であるが、中学校給食が選択制であることから、食物アレルギーのある(症状の重い生徒含む)生徒は給食を申し込んでいない可能性が高いと考えられる。
O.私の意見・指摘
学校給食の牛乳紙パックは、児童・生徒にはとても開くことのできないものだと説明されていたが、ストローレスパックになれば、小学1年生でも手開きは容易になると思う、とのことである。プラスチックごみを減らすために、議会からストローレスパックの導入を求める意見も上がっているが、学校給食の牛乳納入業者は大阪府を通じて契約しているため、ストローレスパックへの移行を本市が決定することはできない、と伺った。現在、本市に納入されている「毎日牛乳」の製造元でも日本製紙のストローレスパックに移行した工場があると聞くし、江崎グリコも、というニュースもあった。ストローレスパックに移行すれば、「開いて」の部分も容易になるので、是非、働きかけるべきだと考える。
Q.私の質問
環境教育というのは、地球環境を考え、一人ひとりが自らの行動を見直すことにつなげることが大切である。紙パックリサイクルへの真の理解をさせるためには、児童・生徒に、日々「牛乳パックリサイクル」に必要な「開いて、洗って、乾かす」取り組みの一翼に具体的に参加させることが必要で、「ポイ捨てリサイクル」では全く身につかないのではないと考える。
効率的で児童にもあまり負担感のないようなリサイクルの方法を試行錯誤の中で編み出され、給食を終えたら牛乳パックを「開いて、洗って、乾かす」ことが、子どもたちにとって日常当たり前に行う作業となっていることが報告されている西東京市や練馬区の学乳パックリサイクルの例もある。子どもたちが、自分たちの主体的な行動を通して、環境問題への理解も深めていくという大切な環境教育の機会になっているようである。練馬区の小学校では、牛乳アレルギーの児童に配慮しながらリサイクルを実施されている。
そもそも、本市教育委員会において、児童・生徒が主体的に「牛乳パックリサイクル」に参加することを具体的に検討されたのか、伺う。
A.学校教育部長の答弁
児童・生徒が牛乳パックリサイクルの行程をデジタル副読本で学ぶことにより、環境問題について考えるきっかけの一つとしたいと考えている。子どもたち自身が、パックを開いて洗って乾かすことについては、水道の数や時間的な問題等から、教育委員会として全体に指示することは考えていない。
Q.私の質問
日本にはこれまで培われてきた独自の牛乳パックリサイクルのシステムがある。児童・生徒への環境教育という観点から、牛乳パックリサイクルへの児童・生徒の参加を具体化し、低年齢であることや、牛乳アレルギーがあることなどの理由により、子どもたちが「開いて、洗う」作業ができない場合は、学校給食調理業務でカバーするという、学校全体で牛乳紙パックリサイクルに責任をもって取り組むということも必要ではないか。これは教育長に伺う。
A.教育長の答弁
学校における環境教育については、より広い視野をもって、児童・生徒が日常生活の中で課題に気づき、考え、周囲の人と協働しながら、解決に向け行動していく力を育成するものである。
牛乳パックのリサイクルに限定することなく、児童・生徒が主体的に様々な課題について取り組めるような環境教育をめざすよう、各学校には指示していく。
O.私の意見・指摘
学校給食牛乳パックは、環境学習を実践できる生きた教材である、として、リサイクルを実践している学校の例もある。「できるところから、すこしずつ」、牛乳パックのリサイクルについても、主体的に行動できる児童・生徒を育てる環境教育をめざす学校が一校でも多く出てくることを期待しておく。
▶ 学乳パック(学校給食向け牛乳パック)のリサイクルはとても難しいこと?「できるところから、すこしずつ」の取り組みの検討を。
(8)学校水泳授業民間活用事業について
Q.私の質問
予算説明書397ページの「10.学校水泳授業民間活用事業経費」について、伺う。
2022(令和4)年度を実証期間として進められるとのことであるが、予算の執行方法についてはすでに説明があり、実施手法として、民間の屋内型温水プール施設を利用する場合と、民間スタッフの派遣を受けて引き続き学校のプール施設を利用する場合があると聞いており、学校間で、不公平が生じるとの印象を受けた。
【参考:学校水泳授業民間活用事業】
・2022(令和4)年度は「実証期間」との位置付け。全部で6つの小学校において実施。
・事業の実施手法は次の3つ⇒①徒歩で民間のプール施設に移動して授業を行う、②バスで民間のプール施設に移動して授業を行う、③民間事業者からインストラクターの派遣を受けて学校プールで授業を行う
基本的にはすべての小学校において、公設民営のプールも含め、民間の専門事業者が運営する屋内型温水プール施設で安定的に水泳授業を受けられるよう検討すべきだと考える。
そこで、前提となる事項の確認であるが、先の委員協議会においては、民間の屋内型温水プール施設が急に利用できなくなった際のバックアップとして、学校の屋外プールを使用すると説明されていた。では、民間の室内型温水プール施設で行う水泳授業は、年間を通じて行うものなのか、これまでどおり夏期に限定して行うものなのか、見解を伺う。
A.教育政策課長の答弁
民間の室内型温水プール施設で行う水泳授業については、夏期だけでなく、年間を通じて行うことも想定しており、2022(令和4)年度において、夏期以外に水泳授業を行った場合についても、効果検証を進めていく。
Q.私の質問
屋内型温水プール施設を利用したプール授業の利点は、授業の時期が夏期に限定されないことである。従って、バス等の移動面で手段を確保すれば、1つのプール施設において、年間を割り振って複数の学校のプール授業を受け入れることができる。そうすれば、プールが急遽使用できなくなった時もスケジュール変更や、他のプール施設での受け入れで対応が可能となる。間違っても、夏にしか使用できない学校プールがバックアップ施設になることはない。
そこで、学校間の不公平感を小さくし、授業実施の安定性も確保するという観点から、市において、例えば、新たに比較的規模の大きい屋内型温水プールを整備し、そこを拠点として、複数の小学校の水泳授業を受けてもらうという手法も検討の1つかと思うが、見解を伺う。
A.教育政策課長の答弁
屋内型温水プールについては、その整備費用として、建設費等のイニシャルコストが12億円程度、維持管理費等のランニングコストが年額1億5千万程度と見込んでおり、受け入れが可能な学校数なども含めて、十分な費用対効果の検証が必要と考えている。
まずは、2022(令和4)年度において、民間プール施設の活用と、民間スタッフ派遣のケースに分けて実施し、事業効果の検証を行うなど、今後の実施手法について検討していく。
O.私の意見・要望
屋内型温水プールの設置については、多額の費用がかかるとのことであるが、公設ではなく、民設民営というケースも考えられるし、受け入れる学校数を十分に確保し、学校の授業で使わない時間帯には、地域で利用してもらえれば、十分に採算がとれる可能性もあるかと考える。
実際に取り組まれた例がある。千葉県佐倉市は、2019(平成31)年に、小中あわせて32ある学校プールの再編手法として、拠点校1校の屋内型プールと、2か所の市民プールの合計3か所に集約するモデルプランを作成し、公表している(「佐倉市学校プール・市民プール再編に向けた調査業務委託報告書」)。このような先進市の取組みを参考にしながら、効率的、効果的な事業の実施手法について検討を進めていただくよう要望しておく。
少なくとも、禁野小学校はプールを整備しないことを決められているわけである。1校2億円の更新費用と言われているが、順次、到来する各学校プールの更新時期への対応は待ったなしとなるし、学校プールの屋内温水プール拠点整備課題とあわせて検討できる案件としては、王仁公園プールの今後の方向性の検討や、中宮北小学校の跡地活用の問題があろうかと思う。プール一つでも、さまざまな課題がある。是非、丁寧な検討を行っていただきたいと要望し、A日程の私の質問を終わらせていただく。