医療崩壊を防ぐため、最も重要なことは医療・介護施設でのクラスターの発生を防止すること。重症化リスクの高い感染拡大を確実に押さえ、最前線の医療現場で働く職員を支えるための具体的な取り組みを。新型コロナウイルス感染症対策について質問しました。12月定例月議会、一般質問の報告①です。

2020/12/15

枚方市議会議員の奥野みかです。

ここでは、「1.新型コロナウイルス感染症対策について」の報告です。

新型コロナウイルス感染症の感染者が急増する中、市は公共施設等の使用制限等を発動していますが、開始の基準も解除の基準も、残念ながら、明確なものはありません。感染拡大を防止するために、国や府の政策基調と異なる公共施設の貸出停止やイベント等の中止をしてもそれほど効果は期待できず(実際、他市の施設を使ったりされています)、例えば、③街区の地元説明会が会場を使えず中止となったように、社会への影響の方が大きいわけです。
新型コロナウイルスの感染拡大による医療・介護崩壊を招かないためには、基準のあいまいな公共施設の使用制限等の発動ではなく、重症化リスクが著しく高いことが明らかになっている高齢者が集団生活を行っている介護施設等における感染拡大を確実に押さえること、そして、最前線の医療現場で働く職員を支えるための具体的な取り組みを行うことが重要であると考えます。
高齢者介護施設に一人でも問題のある職員・入所者がいたら、早期に感染症対策の専門チームを派遣・介入して、適切な感染防御対策の指導や広範なPCR検査の実施等により、さらなる感染拡大の防止と全体像の把握に努めておられる地域があります。新型コロナウイルスに感染した高齢者患者の受け入れ増加は、医療機関への負荷を著しく高めることにもなります。
そこで、高齢者介護施設の感染症防御の仕組みや経験が医療機関に比べると弱いことから、クラスター発生防止のための感染症防御チームの派遣体制を市内医療機関と連携して構築するなど、感染症防御の仕組みを強化することが有効ではないかと考え、意見をしました。そして、医療現場で働く職員への支援は、市長の政治的な判断も必要ではないかと考え、要望を行いました。

 

 


以下、12月15日の一般質問のやりとりを掲載します。

1.新型コロナウイルス感染症対策について

(1)公共施設の使用制限等の発動基準について
(2)クラスターを発生させないための取組について
(3)市立ひらかた病院における医療職の確保について

Q.私の質問

新型コロナウイルス感染症対策について、(1)公共施設の使用制限等の発動基準について、聞く。
大阪府が「医療非常事態宣言」を発し、大阪モデルの「レッドステージ」に移行したとして、市は、12月7日から15日までの間、市所管施設の利用を中止、市主催・共催のイベントの中止または延期を決め、さらに、12月11日には、その対応期間を12月末日まで延長することを、他市に先んじて決めている。大阪府の対応とは異なる制限にまで踏み込んだ今回の市の判断は、どのような基準に基づいて行われたのか、伺う。

次に、(2)クラスターを発生させないための取組について、聞く。
「医療の非常事態」、つまり医療崩壊を招く最大のリスクは、地域の中核的な医療機関におけるクラスターの発生である。そこで、第二種感染症指定医療機関である市立ひらかた病院の感染防止対策の体制と内容について、伺う。

次に、(3)市立ひらかた病院における医療職の確保について、聞く。
11月中旬、大阪府の病床確保計画は最高レベルのフェーズ4までに引き上げられた。市立ひらかた病院においても対応が求められていると思うが、フェーズ4での受入れ体制となった市立ひらかた病院の医療職の現状について、伺う。

A.危機管理監の答弁
(1)公共施設の使用制限等の発動基準について、市所管施設の利用中止等の措置については、レッドステージへの移行に伴い、大阪府全域で「できる限り、不要不急の外出自粛」が要請されたことを受け、新型コロナウイルス対策本部で協議の上、決定したものである。
府内で新型コロナウイルスの感染者、特に重症患者が増加し、医療体制がひっ迫する中、市内でも感染者が増加し、一部でクラスターも発生している。こうした状況を重く受けとめ、市民の皆さんの行動変容をうながして外出自粛の要請を実効的なものとし、ひいては市民の皆さんの命を守るためには、より積極的な対応が必要であると判断したところである。

A.ひらかた病院事務局長の答弁
(2)クラスターを発生させないための取組について、本院では、今般の新型コロナウイルス感染症の発生前から、感染症指定医療機関として、院内には、感染症患者さんとそれ以外の患者がいらっしゃることを前提に感染防止対策を院内職員全員の共通の問題として取り組んできたところである。
体制としては、医師、感染管理認定看護師等で構成される感染チームが問題点を把握し、改善策を講じるなど、感染防止対策の中心的な役割を担っており、毎月開催する感染防止対策委員会を通じて、感染情報の共有化を図るとともに、定期的に巡回・指導を行うなどの対策を行っている。
新型コロナウイルス感染症の発生後は、これに加え、新たに病院長を中心とした新型コロナウイルス感染症対策委員会を立ち上げ、日本環境感染学会が提唱しているガイドラインを参考にし、感染防止対策やコロナに対する診療体制の整備などについて、議論を重ねてきた。

(3)市立ひらかた病院における医療職の確保について、本院については、新型コロナウウイルス感染症患者の急増に対応するため、大阪府からの要請を受け、12月2日からコロナ患者の受入病床を最大42床に拡大した。病床の拡大に伴う、感染病床の看護体制の強化のため、看護師等を増員する必要が生じたことから、一般病床を一病棟閉鎖し、対応している。また、医師についても、新型コロナウウイルス感染症チームをそれまでの4人から6人に増員し、通常診療と並行して対応している。さらに、検査科など院内各部署においてもこれまでの体制を変更するなど、限られた人員の中で工夫しながら日々対応してしているところである。

Q.私の質問
まず、「(1)公共施設の使用制限等の発動基準について」、公共施設の使用制限等の措置は、枚方市の独自判断であるにもかかわらず、「大阪府においてレッドステージへの移行が決定されたから」との説明のみで、明確な判断基準が示されているとは思えない。市長の11月27日付けのメッセージでは、感染リスクが高くなる飲食や、マスクなしでの会話など5つの場面を紹介し、感染防止のための注意を呼びかけている。しかし、12月4日には、公共施設の使用制限等を伴う全般的な行動規制にまで踏み込む方針に転換されたわけである。
では、今後、このようにして開始した措置を解除する基準については、どう考えておられるのか、伺う。

A.危機管理監の答弁
大阪府の外出自粛要請が解除されれば、市所管施設の利用中止等の措置についても、原則として解除することができると考えているが、外出自粛要請が継続された場合を含めて、今後の市所管施設の運営については、府内や市内の感染状況等を踏まえ、改めて新型コロナウイルス対策本部で協議の上、適時適切な判断を行う必要があると考えている。その際には、市民の皆さんに混乱を生じさせないよう、できる限り明確な説明に努める。

O.私の意見
開始があいまいなら、終了もあいまいで、いつまで公共施設が使えないのか、全くわからない。大阪府の決定は、「感染拡大防止と社会経済活動の両立のため、府民に対して、外出やイベントの開催について、できる限り、不要不急の外出自粛とともに、感染拡大防止に向けた取組みへの協力をお願いする。」というもので、リスクを踏まえ、メリハリをつけた要請に努められている。本市のような公共施設全般にわたる使用制限は、例えば、予定されていた③街区の工事説明会が中止となったように、社会的な影響も非常に大きいわけである。
枚方市として国・府の政策基調と異なる独自判断で公共施設の使用制限等に踏み込むのであるならば、明確な判断の根拠や、制限の開始・終了の基準を示すといった「説明責任」を充分に果たすことが必要である。単なる「思いつき」による措置にしか思えないこの間の経過には問題があると指摘する。

Q.私の質問
「(2)クラスターを発生させないための取組について」、市立ひらかた病院の感染防止対策についてご答弁いただいた。感染症対策の医療機関だけあって、感染防止のための体制も人材も、そしてノウハウも、しっかりと備えておられると思う。一方、介護施設などの高齢者施設の感染症防御の仕組みや経験は、医療機関に比べて脆弱ではないかとの危惧がある。新型コロナウイルス感染症の特徴は、高齢者における重症化率や死亡率が、他の年代に比べて著しく高くなることであると言われている。
そこで、重症化のリスクの高い高齢者が集団生活をしている高齢者施設等に必要な取り組みについて、市の考え方を伺う。また、高齢者施設等での具体的な取り組みの現状と課題、市の支援の状況について、伺う。

A.保健所長の答弁
高齢者施設等での集団発生を予防するためには、職員や利用者の健康管理をはじめ、各施設における日常からの感染対策の徹底が最も重要と考えている。このため、枚方市として、国や府から提供されたマニュアルや動画の提供等、必要な感染対策について情報提供を行うほか、施設関係者が参加する研修会に職員を派遣し、感染予防知識の普及に努めている。
また、感染者が発生した施設には、更なる感染拡大を防止するため、従事者や利用者へのPCR検査の実施を始め、必要な技術面の指導・助言、さらに感染対策を実施する従事者が使用するマスク、ガウンなどの個人保護具の提供等、必要な支援を行っている。

A.健康福祉部長の答弁
高齢者施設等では、先ほどあったように、マニュアル等に沿って感染防止対策に努めていただいており、その際に必要な衛生用品の購入費等のかかり増し経費については、補助の対象となる。さらに、感染者が発生した施設では、事業継続のために必要なかかり増し経費についても別途補助の対象となるため、各施設への情報提供をはじめ、丁寧な対応に努めている。また、こうした補助制度はあるものの、衛生用品の備蓄が十分でない施設もあるため、感染者が発生した施設の要請に応じ、当面必要となる衛生用品を直ちに提供するなどの支援を行っている。

O.私の意見
沖縄県の公立病院の感染症内科医であり、厚生労働省新型コロナ対策推進本部の参与も務める高山医師によれば、高齢者施設等で1人でも問題のある職員・入所者がいたら、早期に、沖縄県の経験によれば24時間以内であるが、医師が施設に行き、感染防御対策の指導や広範なPCR検査を実施等し、全体像の把握とさらなる感染拡大の防止に努めることが重要である、とのことである。
本来、施設運営や従事職員の行動変容に対する専門的な指導・助言や、陽性者判明の際の早期・継続したPCR検査によるモニタリングの徹底等の取り組み、クラスター発生の未然防止の取り組みなどは保健所のイニシアティブで行われるべきものかと思うが、保健所も人材不足で厳しい状況である。感染症指定医療機関である市立ひらかた病院も厳しい状況である。

枚方公済病院では、退院支援室専従看護師が、病院近くの高齢者施設や訪問看護ステーションに実際に出向いて、感染防護具の使い方などが記載された枚方公済病院作成の「院内感染対策マニュアル」に沿った情報提供を行うとともに、職員や家族が体調不良を訴えた場合の対応方法等についても指導されていると聞いている。
このような市内の公的病院の一歩進んだ取り組みをさらに推進するため、医療コンソーシアムを通じて市内医療機関との連携を強化し、「感染制御チーム」を派遣する仕組みを独自に構築して、高齢者施設等におけるクラスターの発生を防止することができれば、最も懸念される医療・介護崩壊を防止するために有効な取り組みになるのではないかと意見しておく。

Q.私の質問
「(3)市立ひらかた病院における医療職の確保について」、医療崩壊は、クラスター発生だけで生じるものではない。新型コロナウイルス感染症との、出口の見えない長期の闘いに、医療従事者が疲れ果てて職場を去ったり、避けられたりして、必要な人員体制が確保できなくなっても医療は崩壊する。
そこで、市立ひらかた病院における医療職の現状と離職防止に向けた取り組みについて、伺う。

A.健康福祉部長の答弁回答
医療職においては、現状の人員で工夫しながら体制を整えているところであるが、欠員に対する新たな採用や派遣による補充は応募者が集まりにくくなっている。また、今回の事態も長期にわたり、職員全体に大きな負担がかかってきていることから、アンケートによるストレスチェックの結果に応じ精神科医による面談や相談など健康管理のサポートに取り組んでいる。

Q.私の質問
新型コロナウイルス感染症の感染拡大が止まらず、出口の見えない緊張の中で働いている医療従事者が疲れ果て、離職を決意せざるを得ないような状況は、すぐそこにやってくるかもしれない。
市立ひらかた病院とそこで働く職員を支えるために、市として、どのような対応が必要であると考えているのか、これは、市長にお尋ねする。

A.市長の答弁
医師や看護師をはじめとする市立ひらかた病院の職員については、北河内医療圏で唯一の感染症指定医療機関として地域住民の命を守るため、新型コロナウイルス感染症に対し強いストレスを受けながら、現場の最前線で日々闘っていただいていることに感謝しているとともに、非常に頼もしく感じている。私としては、今後も誇りをもって働き続けることができるよう、病院職員の声にしっかりと耳を傾けつつ、市立ひらかた病院が、枚方市民だけでなく北河内医療圏のコロナ患者を受け入れている状況を踏まえ、ひらかた病院に過度な負担が集中しないよう支援するなど、必要な対応をとっていく。

O.私の意見
医療崩壊を防ぐために市長が決断しなければならない課題は、感染拡大を押さえることと、医療現場を支えることである。
14日に開かれた、国の新型コロナウイルス感染症対策本部において菅首相は、「医療従事者の方々への支援策をさらに拡大する。コロナに対応する医療機関や派遣される医師、看護師への支援額を倍増する」と発言されている。
市長に今、求められているのは、抽象的な言葉ではなく、最前線で日夜奮闘する職員を支えるための具体的な対応を市立ひらかた病院と協議され、速やかに実現されることだと指摘しておく。

 

※以下の資料は、「第31回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議(12月3日)」資料(現在の感染状況・療養状況について重症患者数の推移)より抜粋したもの。

 

 


 

今年6月の定例月議会での一般質問で、私は、いわれのない差別や攻撃を受けることなく、重症にならないうちに的確に治療を受け、新型コロナ肺炎で命を奪われる者が出ないようにするためには、まだまだ未知の部分は多いとはいえ、症例に応じた素早い検査・診断・治療がうけられる適切な検査・治療体制を確立することが重要で、人権侵害を誘発しない感染症対策としては、「普通」の医療を「粛々と」迅速かつ的確に提供する地域における診療体制の確立に力を注いでいただくことが重要である、いま、次の対策を検討できるこの時間を使って、市民の命を守るための良質かつ適切な検査・治療体制を整備することに努めていただきたい、と意見しました。

地域における診療体制の確立に向け、市としてもさまざまな取り組みは行ってきていただいたとは思いますが、さらなる感染拡大の前に、通常医療への影響も含め、医療提供体制は厳しい状況となっています。医療現場を支えるための具体的取り組みを実現していただくことを強く願っています。

新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、感染者に対する人権侵害を誘発しない感染症対策の推進について、そして、秋冬に向けて、インフルエンザ等との複合的流行を見据えた地域における診療体制の確立に向けた取組についての質問しました。6月定例月議会、一般質問の報告①です。

 

 

 

 

 

 

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