廃止され老朽化した公共施設をすみやかに解体・撤去するとともに、市民の暮らしと活動を支え、災害時には様々な対応活動の拠点となる市庁舎を、広大な市有地に早急に建設するという選択が最も現実的で迅速な進め方ではないか。新庁舎整備についての質問です。12月定例月議会、一般質問の報告②です。

2023/12/18

枚方市議会議員の奥野みかです。

ここでは、「2.新庁舎整備について」の報告です。

今年4月のコンクリート片落下事故を受け、ようやく市庁舎本館の外壁の劣化補修が行われています。しかしながら、躯体の健全性や、外壁以外の屋根・屋上、各種設備等の劣化状況が適切に把握されているのかどうか、非常に不安な状況です。

私は、これまで何度も議会で意見を述べてきましたたが、今、何よりも優先しなければならないのは、東南海・南海トラフ巨大地震等の大規模災害に備えることです。そのためには、まず、廃止され老朽化した公共施設をすみやかに解体・撤去するとともに、新庁舎を建設することが必要であると考えます。そしてその新庁舎は、まさに市民の暮らしと様々な活動を支える拠点、そして、災害時には様々な対応活動の拠点とならなくてはならないわけです。そのためには、駅前に広がる④街区の広大な市有地の中に、様々な工夫をしながら、真に必要とされる新庁舎と付加的な機能を整備するという選択が、最も現実的で、かつ迅速な進め方ではないかと意見しました。

そもそも新庁舎の整備は、単なる事務所ビルの建設ではなく、まちづくりや自治のあり方に関わる歴史的な建築物を想定したものでなければならないと考えます。市役所こそ、市民が平時でも災害時でも立ち寄り、集まり、活動する拠点となることが求められているのです。そのためには、駅前に広がる大きな公園・広場に隣接して設置されているという、他のまちには滅多にみられない魅力的な条件を大切に引き継いで、新庁舎を建設すべきではないでしょうか。そして、新庁舎の整備計画の検討にあたっては、本来検討すべき内容をしっかりと検討した上で、早期に新庁舎整備基本計画(案)を策定し、主権者であり利用者でもある市民や、議会の意見もしっかりと聴取するよう、強く求めました。

 

 


 

以下、12月18日の一般質問でのやりとりを掲載します。

2.新庁舎整備について

Q.私の質問

新庁舎の整備が課題になって随分と時間が経過し、現庁舎等の劣化状況は極めて危険な状況になっている。先の市長の所信表明に対する代表質問でも伺ったが、改めて、新庁舎基本計画策定に向けた取り組み状況について、伺う。

A.山中市駅周辺まち活性化部長の答弁

新庁舎の整備に向けては、現在、2021(令和3)年3月に策定した「枚方市新庁舎整備基本構想」を踏まえた基本計画の策定に向けて、市民窓口や執務スペース、公共施設の整備等に係る複数部署で構成するワーキングチームを設置するなど、現庁舎の課題や必要な機能等について検討を行っているところである。

Q.私の質問

ご答弁によれば、新庁舎整備については、市民窓口や執務スペース、公共施設の整備等に関する複数の部署で構成・設置された庁内ワーキングチームにおいて、現庁舎の課題や必要な機能等について検討を行っているとのことである。
この間、庁舎の位置条例の改正、つまり、庁舎を移転させることには熱心であったが、肝心の新庁舎の中身を決める整備計画の策定については、遅々として進んでいない印象である。
その原因は、基本構想があまりにも「おざなり」だったからではないか。新庁舎建設のためには、新庁舎の位置に関わらず、計画の前提として、分館の集約を想定するのかしないのか、各支所や新たに検討されている地域拠点といった行政機能を市内全域にどのように配置するのか、まずこれらのことを整理しなければならない。その上で、市の現状と将来を見すえて、市役所庁舎にどのような役割や新たな機能を持たせるのか、そしてどのような機能を有した建築物とすべきなのかに関する基本となるコンセプトに基づいて、各種スペックを具体化していくことが必要だと考える。
そうしたものがないまま、窓口や執務スペースといった細かな検討に入ってしまっては、新庁舎の規模や役割分担・業務連携に必要な機能をどのようにして確保するのかということが不明瞭なままとなる。
また、自治体クラウド・DX推進を踏まえた情報システムのあり方、庁舎間情報ネットワークのあり方など、新しい状況を踏まえて、前提として整理すべき課題は他にも山積しているのではないか。これでは、まともな計画は策定できないと思う。
そこで、新庁舎整備に向けて、基本構想策定後、この間の「詳細検討」の内容がどういったものであるのかについて、伺う。

※以下は、2021年3月に策定の「枚方市新庁舎整備基本構想」より引用

A.山中市駅周辺まち活性化部長の答弁

新庁舎整備に向けては、庁舎の位置に関わらず検討すべき内容があることは認識している。
現在、「市民が利用しやすい窓口」や「防災拠点としての機能」、「デジタル技術の導入」、「環境への配慮」、「職員が働きやすい執務空間」などの分野ごとに、現庁舎における課題の抽出作業を進めるとともに、その課題への対応策について、先行事例の調査なども行いながら検討を行っているところである。

Q.私の質問

私が質問において指摘させていただいた検討課題の例は、巨額の費用を投じて新庁舎建設を行うに際して、そして、その時に行う説明において、必ず押さえなければならない事項だと思う。「丁寧な説明」とは、説明を求められることに対して的確な説明を行うことであり、説明になっていないことを何度も繰り返すことではない。
そもそも新庁舎の整備は、単なる事務所ビルの建設ではない。まちづくりや自治のあり方に関わる歴史的な建築物を想定したものでなければならないと、私は考える。
市役所こそ、市民が平時でも災害時でも立ち寄り、集まり、活動する拠点となることが求められているのではないか。そのためには、駅前に広がる大きな公園・広場に隣接して設置されているという、他のまちには滅多にみられない魅力的な条件を大切に引き継いで、新庁舎を建設すべきだと考える。
そういったコンセプトを新庁舎整備の考え方に取り入れていくべきではないかと考えるが、見解を伺う。

A.山中市駅周辺まち活性化部長の答弁

新庁舎の整備は、単なる庁舎の建て替えではなく、市駅周辺のまちづくりと一体的に取り組むことにより、賑わいの創出や防災機能の強化など、将来に渡って枚方市駅周辺地区全体の魅力をさらに高めるための事業であると考えている。
このような考えの下、新庁舎については、災害時においても行政機能を最大限に発揮する防災拠点施設とするとともに、対面とオンライン両方の窓口により、多様化する市民ニーズへ個別丁寧に対応することや、市民の交流や活動を支えるためのスペースを設置することに加え、庁舎前広場を活かすことで、枚方市駅からみどりの大空間と連続したシンボリックな景観軸の形成を行うなど、安全・安心と利便性を実感でき、誰にでも親しまれる市役所をめざしていく。

Q.私の質問

「新庁舎の整備は、単なる庁舎の建て替えではない」という答弁であったが、結局、⑤街区への移転を前提にしていることが、市民にとって、また本市にとって真に有益で、必要な新庁舎の整備計画の検討を妨げているのではないか。
答弁で述べられた「安全・安心と利便性を実感でき、誰にでも親しまれる市役所」の具体化を真剣に追求すれば、どういった結論になるのか。
例えば、災害時において、「行政機能を最大限に発揮する防災拠点施設」とするためには、広い公園や庁舎前広場が連続した空間の中に庁舎を配置し、連携のための機能を整備する計画とすることが最も優れているのではないか。④街区の広い公園から離れた⑤街区に整備しようとしている狭い庁舎前広場とは比較にならない。
また、「市民の交流や活動を支えるためのスペースの設置」についても同様である。どういった施設や機能を新庁舎整備と連携させて整備すれば、市民の子育てや暮らしを支える拠点とすることができるのか。そういった観点で新庁舎の整備計画を「豊富化」していくことが必要なわけである。
「はじめに⑤街区移転ありき」で新庁舎のあり方を検討すると、そうした課題に応える計画の具体化ができない。
そのことをごまかすために使われるのが、「みどりの大空間と連続したシンボリックな景観軸の形成」という言葉である。枚方市駅から果たして景観軸が連続するのかという懸念もあるが、みどりの大空間と景観が連続していても、新庁舎の機能とは全く無関係なのである。

そして私は、新庁舎の役割や機能は、市の職員だけで検討するものではなく、主権者であり利用者でもある市民とともに検討すべきものである、と考える。
例えば長崎市では、市として、新庁舎の整備方針を策定された後、市民懇話会の開催、市議会特別委員会での審議、基本計画検討市民会議での議論等を経て、3年後に基本計画を策定されている。さらに、改定された後に、ワークショップの開催、議会機能整備検討会での審議を経て、基本設計、実施設計を行われており、基本計画の策定まで、また策定以降も、設計が固まるまでの間、多くの議論・審議の機会が設けられていたようである。

※以下は、「長崎市資料「新しい市役所の建設事業がいよいよスタート!」(2017年4月)」より抜粋

そこで、本市において、基本計画策定に向け、また策定後、建設を具体化する段階において、市民の意見、議会の意見はどのように反映する考えか、伺う。

A.山中市駅周辺まち活性化部長の答弁

新庁舎整備に向けた検討においては、基本構想の段階から、有識者で構成する意見聴取会のほか、市民アンケートなど(ワークショップ)を実施するとともに、議会のご意見を伺いながら策定作業に取り組んできたところである。
今後、策定する基本計画や基本設計においても、市民や議会のご意見を伺いながら、検討を進めていく。

O.私の意見・要望

先に開催された大阪府議会において府の財務部長は、次のように答弁されていた。
「本府では、北河内府民センター跡地の活用計画を含む枚方市のまちづくりへの協力を基本として、府民センターの移転を進めてきたところ。2024(令和6)年秋の北河内府民センター移転完了後の跡地の取り扱いについては、現時点の市の計画を踏まえ、枚方市庁舎の位置条例案が可決すれば、早急に同市と協議を行い、できる限り速やかに売却したいと考えている。枚方市における条例案の再提出の動向を十分に注視していきたい。」
新庁舎整備の構想や計画策定については、市役所周辺再整備の最大の課題であったにも関わらず、この間、大阪府からのプレッシャーもあったかと思われるが、③街区に移転する大阪府北河内府民センター用地を本市が取得し、移転することばかりに注力してきた結果、本来、しっかりと積み重ねなければならなかった検討ができないまま、時間が経過したというのが現状ではないか。現在と未来の枚方市のために早急に為すべきことが「おざなり」になってしまっていると思う。

Q.私の質問

そこで次に、この間に、劣化の状況が極めて危険であることが明らかとなり、建て替えの必要性が一層高まった現庁舎の現状について、改めて確認させていただく。
まず、現庁舎(本館・別館・分館)の現状をどう評価されているのかについて、伺う。
次に、維持管理に係るランニングコストについて、さらに、今年4月の市庁舎本館のコンクリート片落下事故以降、8か月後となる現在、ようやく工事も進行しているが、対応の状況について、伺う。

A.藤原総務部長の答弁

現庁舎については、市有建築物保全計画に基づく更新工事等を計画的に実施するともに、各種法定及び保守点検や、必要な修繕を行うなど、適正な維持管理に努めているところであるが、建築から60年以上が経過している施設もあり、維持管理に関する負担も多くなっている状況である。また、維持管理経費としては、各種法定等点検業務、清掃、警備業務に係る委託料のほか光熱水費及び修繕費にかかる令和4年度決算額は約2億1,700万円である。
次に、本年4月に発生した本館上部からのコンクリート片落下事象への対応としては、実施した打診調査の結果等を踏まえ、今月より外壁補修工事を実施しているところであり、亀裂などをすべて補修し、外壁の全面塗装を行うことで、一般的には10年以上の耐用年数になるものと考えられている。

O.私の意見・要望

今年4月のコンクリート片落下事故を受け、数千万円(約3,000万円)をかけて外壁補修、事後保全になるが、補修を行い、10年は持つとのご答弁であるが、外壁以外の劣化対応が実施されたわけではない。現在、第3分館に位置付けられている旧市民会館大ホール棟は、約2,000万円をかけて、大きな壁面3面に落下物防護ネットが張りめぐらされた(予防保全)が、こちらも、外壁以外の劣化対応が実施されたわけではない。
躯体の健全性や、外壁以外の屋根・屋上、各種設備等の劣化状況が適切に把握されているのかどうか、非常に不安である。

私は、これまで何度も議会で意見を述べてきたが、今、何よりも優先しなければならないのは、東南海・南海トラフ巨大地震等の大規模災害に備えることだと思う。そのためには、まず、廃止され老朽化した公共施設をすみやかに解体・撤去するとともに、新庁舎を建設することが必要である。
そしてその新庁舎は、まさに市民の暮らしと様々な活動を支える拠点、そして、災害時には様々な対応活動の拠点とならなくてはならない。そのためには、駅前に広がる広大な市有地の中に、様々な工夫をしながら、真に必要とされる新庁舎と付加的な機能を整備する。~これが最も現実的で、かつ迅速な進め方である。

老朽公共施設の即時廃止によって建て替え用地の確保がすぐに可能な現在位置での新庁舎建設を否定し、わざわざ公費を投じてタワマン用の都市インフラを整備した上で民間開発事業者に売却し、その売却資金などを充当して、枚方市駅から遠くなる大阪府の用地を取得する。そして、そこに庁舎を移転して建設する。~こんな不合理な方針を前提にしていては、新庁舎整備は今後もズルズルと遅れるばかりだと思う。
新庁舎の整備計画の検討にあたっては、そうしたことを見直し、本来検討すべき内容をしっかりと検討した上で、早期に新庁舎整備基本計画(案)を策定し、市民や議会の意見を聞かれるよう、強く求めておく。

 

※市HP(枚方市議会)に録画映像がアップされれば差替えます。


【市庁舎本館_コンクリート片落下事故関連】

2023年4月14日_枚方市役所本庁舎の外壁落下について

↓↓↓

2023年6月5日_枚方市役所本庁舎本館の外壁落下に伴う調査の実施について

↓↓↓

2023年11月14日_枚方市役所本庁舎本館-の外壁落下に伴う工事-の実施について

 

 


【これまでの議会の報告】

▶ 「はじめに結論ありき」の不合理な検討プロセスで策定された「枚方市駅周辺再整備基本計画」の問題点について、私なりに整理してみました。(2023/05/15)

▶ 3月31日、年度末の市民説明会の開催。枚方市駅周辺再整備基本計画の改訂素案に対するパブリックコメントも実施されています。市民の皆さんに本当のことを伝えようとしているのでしょうか。(2023/03/31)

▶ 市民の利益にならない市庁舎移転。9月26日、特別多数議決を要する市役所の位置を定める条例の「否決」が意味することについて、説明を書いてみました。(2022/10/01)

▶ 9月26日、特別多数議決を要する市役所の位置に関する条例の否決を受け、今後の枚方市としての対応、さらに、今後、枚方市が進める枚方市駅周辺再整備事業の進め方について、留意していただくべきことについて。(2022/09/28)

▶ 市民の利益にならない市庁舎移転。9月26日、18対12で特別多数議決である市役所の位置を定める条例の改正は否決されました。(2022/09/26)

▶ さらに老朽化し、どんどん危険になっていく市民会館大ホール棟が駅前に放置される? 基金を活用した解体撤去の先行実施を。新庁舎及び総合文化施設整備事業基金について質問しました。12月定例月議会、一般質問の報告⑤です。(2020/12/15)

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