誰一人取り残さない。外国につながる子どもたちの就学の機会を確保するためにも、就学案内等を徹底し、就学状況を把握すべき。外国につながる子どもたちの教育の保障について質問しました。12月定例月議会、一般質問の報告③です。

2020/12/15

枚方市議会議員の奥野みかです。

ここでは、「3.外国につながる子どもたちの教育の保障について」の報告です。

子どもの最善の利益の観点からも、SDGsの「誰一人取り残さない」多文化共生の観点からも、このまちに住む外国につながる子どもたちの教育の保障や学力の保障に取り組むことが大切で、まずは、就学機会を確保するため、就学案内等を徹底し、就学状況を把握することが必要です。
昨年12月、教育長から「国籍に関係なく、すべての子どもたちが生き生きと学ぶことができる学校園づくりに努める」との答弁はいただきましたが、「外国籍の方に就学案内を行ったのち、就学手続きを行わず、就学状況が確認できていない方が、毎年一定数あるが、不就学かどうかについては、把握していないのが実情」という昨年の状況からの進展は確認できす、中学校入学時に就学案内は行われていないことも明らかになりました。
続いて、市立学校に通う外国につながる子どもの現状、教育の保障・学力の保障のために実施されている具体的な取り組み、さらに高等学校等への進学など、日本語指導が必要な生徒の進路選択への支援の現状、日本語の理解が難しい保護者に対する支援について、順に質問を行い、最後に、市に対しては、国際化施策の推進体制を早急に明確化すること、そして教育委員会に対しては、学校現場の努力に頼るだけではなく、地域や各種民間団体とも連携しながら、外国につながる子どもたちの教育の保障・学力の保障を行うことを要望しました。

2019年に成立した日本語教育推進法を受け、今年6月に策定された「日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」に基づき、文部科学省は、今年7月に「外国人の子供の就学促進及び就学状況の把握等に関する指針」を定め、地方公共団体が行うべき事項を示しています。その中では、外国人の子どもが就学の機会を逸することのないよう、就学の案内を徹底する具体的な取り組みとして、「就学案内に対して回答が得られない外国人の子供については、個別に保護者に連絡を取って就学を勧めること」「学齢期に近い外国人幼児のためのプレスクールや来日直後の外国人の子供を対象とした初期集中指導・支援を実施するなど、円滑な就学に向けた取組を進めること」といった内容も記されています。

 

 


 

以下、12月15日の一般質問のやりとりを掲載します。

3.外国につながる子どもたちの教育の保障について

Q.私の質問
昨年12月の定例月議会において、「外国籍の方に就学案内を行ったのち、就学手続きを行わず、就学状況が確認できていない方が、毎年一定数あるが、不就学かどうかについては、把握していないのが実情」との答弁があった。
外国籍の子どもの不就学の問題は、全国でクローズアップされている。令和2年度において、市立小・中学校において、「就学通知」を送付した数と実際に入学した児童・生徒の数、「就学案内」を送付した数と実際に入学した児童・生徒の数、そして、結果的に市立小・中学校に入学していない児童・生徒の状況を把握しているのか、伺う。
また、市の就学手続きにおいて、取り組みの変更や就学前の関わりの拡充などを行われたのかについても、伺う。

A.学校教育部長の答弁
今年度におきましても、これまでと同様に来年4月に小学校へ入学する外国籍の子どもの保護者に対して、多言語に対応した就学案内をすでに送付しているが、入学を希望される場合については就学手続きをおこなっていただくよう周知を図っているところである。
令和2年度基準で、市立小学校の就学通知を送付した人数は、3,216人、実際に入学した児童の人数は、5月1日時点で3,207人、就学案内を送付した外国籍の方の人数は、32人、市立小学校に入学した外国人の方は23人となっている。市立中学校の就学通知を送付した人数は、3,748人、うち、外国籍の方の人数は、24人である。実際に入学した生徒の人数は、5月1日時点で3,387人、うち、外国籍の方の人数は、転入された方も含めて25人である。中学校に入学される外国籍の方に就学案内は送付していない。また、就学通知書を送付した児童生徒について、学校に就学届を提出されていない方には、学校から訪問するなど、対応をおこなっている。
なお、外国籍で就学手続きをされていない方が、不就学か、否かについての把握はできていない。

O.私の意見
ご答弁によると、就学手続きをされていない外国籍の方が、不就学か、否かについての把握ができていないということである。また、中学校に入学される外国籍の方には「就学案内」を送付していないということである。
国籍を理由に子どもが教育を受ける権利が侵害されることは決して許されるものではないし、昨年12月の定例月議会では、教育長から、「国籍に関係なく、すべての子どもたちが生き生きと学ぶことができる学校園づくりに努める。」とのご答弁もあった。
府内の他の自治体においては、就学前のプレスクール、また就学に関わるガイドブックの作成・配布などの動きも進んでいると聞くので、就学時の支援についても検討いただくよう、お願いをしておく。

Q.私の質問
次に、市立小・中学校における外国につながる子どもの現状と、教育の保障、及び学力の保障のために実施されている取り組みの具体的な内容について、伺う。

A.学校教育部長の答弁
今年度、5月1日時点で日本語指導が必要な児童・生徒は、小学校18校62人、中学校6校14人在籍している。
教育委員会では、帰国及び来日児童・生徒の編入日から1年間は週2回、派遣2年目には週1回、母語が話せる教育指導員を学校に派遣し、当該児童・生徒の孤立感の解消や学校生活への適応の促進に努めている。
また、府の加配教員として、日本語指導が必要な児童・生徒18人を基礎定数とした日本語指導教員を今年度より3名に増員し、日本語の習熟が不十分な児童・生徒に別室指導等にて、「特別の教育課程」による日本語指導を実施している。さらに日本語指導が必要な児童・生徒が在籍する他の学校にも月に1回程度巡回し、当該児童・生徒への支援をしている。

Q.私の質問
日本語の理解が不十分な児童・生徒にとって、母語が話せる教育指導員の派遣は必要な支援であると考える。現在、教育指導員は何か国語に対応されていて、何人確保されているのか、また、希少な言語の教育指導員が必要になった場合など、どのような工夫をされているのか、伺う。

A.学校教育部長の答弁
現在、14か国語に対応し、母語が話せる教育指導員として52人が登録していただいている。希少な言語については教育指導員を探すことに時間を要することもあるが、確保の方法については、広報ひらかたでの募集や、関係機関へ相談し、確保に努めている。

O.私の意見
母語が話せる教育指導員は貴重な存在であるが、現場ではその方に任せてしまっている部分があるのではないかと懸念される。
日本語教育については、昨年6月には「日本語教育推進法」が制定され、外国籍の皆さんの希望、置かれている状況及び能力に応じた日本語教育を受ける機会が最大限に確保されるように行われなければならないことが「基本理念」として定められ、今年6月には、国において、「日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」が策定されている。
本市では、日本語指導が必要な児童・生徒が小学校18校に62人、中学校6校に14人在籍しているとのことであるが、日本語指導は、児童・生徒18人を基礎定数として、わずか3名の日本語指導教員とのことで、人数の少ない他の学校には月に1回程度の巡回ということである。
外国につながる児童・生徒が、単に学校生活に適応するだけではなく、学年相当の学習言語としての日本語能力を獲得するためには、母語が話せる教育指導員だけでなく、日本語指導のための専門的人材の確保が必要だと意見しておく。

Q.私の質問
次に、高校への進学について、大阪府では「日本語指導が必要な帰国生徒・外国人生徒入学者選抜」を行っており、府下7校に特別枠があり、数学・国語の学力検査と、外国語による記入も可とする作文で選抜が行われている。
一般の学校でも、条件のある生徒については辞書の持ち込み、時間延長などの配慮事項等が設けられているとのことである。この「特別枠入試」は全国的に見ても進んだ制度である。日本語がそんなにできなくても高校に入れる道があるということに光を感じる生徒が多くいると思う。
しかしながら、該当する生徒及び保護者にこれらの制度が伝わっているか、進学説明会に参加してもどれだけ理解できるのか、非常に懸念するところである。例えば、90年代以降、中国からは多くの方が来られているので、同じ国のコミュニティの中で、一定の情報共有もあるようであるが、近年、枚方に多く来られているベトナム等からのニューカマーの生徒・保護者にとって、日本の学校の情報を得る機会は非常に少ないのではないか。
そこで、高等学校等への進学を実現するためにはさまざまな課題があると思うが、日本語指導が必要な生徒が進路選択するにあたって、どのような支援を行っているのか、現在の取り組み状況について、伺う。また、日本語指導が必要な生徒の高校への進学状況についても伺う。

A.学校教育部長の答弁
毎年、大阪府が主催する多言語進路ガイダンスにおいて、日本語指導が必要な生徒及び保護者を対象に、入学者選抜の配慮事項等の説明や高等学校在籍生徒による学校生活の紹介をしている。また、各中学校では進路指導主事が中心となり、生徒が自らの希望する進路選択ができるよう、入学者選抜等に係る資料・情報等を提供するなど、生徒の状況に応じた指導を行っている。本市においても、該当する生徒が、配慮事項等にて入学者選抜を経て、高等学校へ進学している。

O.私の意見
日本で暮らす子どもたちの人生にとって、高校進学ができるかどうかは極めて重要である。そのために必要な学力の習得と情報提供が極めて重要であることを指摘するとともに、生徒を高校に送り出した後も、中退を防ぐために、継続して学べているのか追跡調査を行い、必要な学びの支援につなげていただくようお願いしておく。

Q.私の質問
次に、学校において、日本語の理解が難しい保護者に対する支援はどのように行っておられるのか、伺う。

A.学校教育部長の答弁
児童・生徒がスムーズな学校生活が送れるよう、日本語の理解が難しい保護者に対しては、例えば懇談等における通訳者の派遣や、配付プリントの翻訳など、支援している。

O.私の意見
外国人市民等に対する支援について、現在の枚方市の機構・組織においては、どこが窓口となって各種の支援やソーシャルワークを担うのか不透明である。「国際」という言葉を頼りに相談窓口を探すという外国の方の話を聞くが、市役所には「国際」という名の付く組織がない。ご答弁にあった通訳者の派遣や翻訳などは、現在、文化国際財団に依頼して行っておられるようであるが、今年度末で財団が解散となった後、どこが財団の担ってきたこのような役割を引き継ぐのか、支援の現場におられる皆さんは、大変、不安に思っておられる。
市においては、「観光」などとは異なる在住外国人に対する権利保障といった観点での、国際化施策の推進体制を早急に明確化すること、そして教育委員会には、学校現場の努力に頼るだけではなく、地域や各種民間団体とも連携しながら、外国につながる子どもたちの教育の保障、学力の保障を行うことを強く要望する。

 

 


 

私は、今年9月の定例月議会、昨年12月の定例月議会、昨年6月の定例月議会で、多文化共生、国際化施策の推進などについて質問を行ってきました。

枚方市文化国際財団の解散まで半年。財団が担ってきた役割をどのように引継ぐのか、新たな国際化施策推進体制などを確認するため、国際化施策の推進について質問しました。9月定例月議会、一般質問の報告⑤です。

 

12月定例月議会 外国人市民に対する支援について(一般質問②)

 

6月定例月議会 多文化共生施策の推進について(一般質問③)

 


 

▶ 令和3年度 予算(案)のポイント(文部科学省)

以下は、文部科学省の予算(案)のポイントからの抜粋です。

 

▶ 日本語能力が十分でない子どもたちへの日本語教育(文部科学省)

 


▶ 日本語教育の推進に関する法律(日本語教育推進法)(2019(令和元)年6月28日)

日本語教育を推進することを目的とし、国は、法の基本理念にのっとり日本語教育の推進に関する施策を総合的に策定し、実施する責務を有すること等が定められている。

【政策の背景】
近年、日本における在留外国人数は増加している。「出入国管理及び難民認定法」(昭和26 年政令第319 号。以下「入管法」という。)が改正された平成2年末の約108 万人(総人口の約0.87%)と比べて,令和元年末現在で約293 万人(総人口の約2.33%)に増加し,日本で就労する外国人は,令和元年10 月末現在で166 万人となり,それぞれ過去最多を記録している。政府としては、関係閣僚会議において「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」(2018(平成30)年12月25日決定、2019(令和元)年12 月20 日改訂)、「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策の充実について」(2019(令和元)年6月18 日)を取りまとめ、在留資格を有する全ての外国人を社会の一員として受け入れ、外国人との共生社会を実現するために必要な施策を着実に進めている。
2019(平成31)年4月から、新たな外国人材の受入れ制度(在留資格「特定技能1号」及び「特定技能2号」)が開始され、今後も在留外国人の増加が見込まれる中で、外国人を日本社会の一員として受け入れ、外国人が社会から孤立しないようにするためには、日本語を習得できるようにすることが極めて重要である。我が国に在留する全ての外国人が日本社会で生活していく上で必要となる日本語能力を身に付け、教育・就労・生活の場でより円滑に意思疎通できる環境を整備するため、学習目標を明確化するとともに,日本語教育の更なる充実が求められている。

▶ 日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針(2020(令和)2年6月23日閣議決定)

日本語教育推進法第10 条の規定に基づき,日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針として定められている。(全文はこちらから。概要は以下のとおり。)

 


 

▶ 外国人の子供の就学状況等調査結果(確定値)について

2020(令和2)年3月27日(文部科学省)
【調査項目】
1.就学状況の把握状況(学齢相当の外国人の子供の住民基本台帳上の人数、学齢相当の外国人の子供の就学状況の把握状況)
2.就学状況の把握・就学促進の取組(外国人の子供に関する転入等の情報の取得方法、住民登録手続きの際の就学案内の実施状況、就学ガイドブック等の備付け・配布の状況、学齢簿に準じるものの作成状況、就学案内の送付状況、就学促進に係る支援の実施状況、就学状況が不明又は不就学の外国人の子供に対する就学状況把握及び就学促進のための取組状況)
3.各種規定の整備状況(教育委員会の規則における「外国人の子供の教育」に関する規定の状況、地方公共団体の規則等における外国人の子供に係る就学案内や就学に関する手続き等に関する規定の状況)
4.指導体制の整備状況
5.支援員等の配置状況
6.教育委員会における研修の実施状況

◆外国人の子供の就学状況等調査結果(確定値)(概要)
◆外国人の子供の就学状況等調査結果(確定値)
◆外国人の子供の就学状況の把握・就学促進に関する取組事例1
◆外国人の子供の就学状況の把握・就学促進に関する取組事例2

以下は、「外国人の子供の就学状況の把握・就学促進に関する取組事例」からの抜粋です。

 

外国人の子供の就学促進及び就学状況の把握等に関する指針

2020(令和2)年7月1日(文部科学省)
【趣旨】
我が国における外国人の子供の受入れ体制の整備及び就学後の教育の充実については、国際人権規約及び児童の権利に関する条約を踏まえ、各地方公共団体において取組が進められてきたところであるが、平成30年12月に出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)が改正され、今後、更なる在留外国人の増加が予想される。また、令和元年度に文部科学省が実施した「外国人の子供の就学状況等調査」により約2万人の外国人の子供たちが就学していない可能性がある、又は就学状況が確認できていない状況にあるという結果が明らかとなった。こうした状況に対しては、外国人の子供たちが将来にわたって我が国に居住し、共生社会の一員として今後の日本を形成する存在であることを前提に、日本における生活の基礎を身に付け、その能力を伸ばし未来を切り拓くことができるよう、外国人の子供に対する就学機会の提供を全国的に推進することが必要である。ついては、日本語教育の推進に関する法律(令和元年法律第48号)により策定された「日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」(令和2年6月23日閣議決定)に基づき、外国人の子供の就学促進及び就学状況の把握等のために地方公共団体が講ずべき事項について示すもの。

▶ 都道府県立高校(市立高校の一部を含む)の外国人生徒及び中国帰国生徒等への高校入試特別措置等の調査まとめ

愛知淑徳大学交流文化学部 小島祥美
外国人生徒・中国帰国生徒等の高校入試を応援する有志の会 世話人

「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(平成30年度)」の結果について

2019(令和元)年9月27日(文部科学省)

外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメントDLA(文部科学省)

 

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