子どもの放課後を豊かに。児童が豊かな放課後を自ら創造できる環境を整備するための取り組み。「(仮称)枚方市児童の放課後を豊かにする行動計画(素案)」等についての報告です。(教育子育て委員協議会報告⑦)
9枚方市議会議員の奥野みかです。
11月25日に開催された教育子育て委員協議会の報告⑦です。
(7)(仮称)枚方市児童の放課後を豊かにする行動計画(素案)等について[放課後子ども課]
◇「(仮称)枚方市児童の放課後を豊かにする行動計画」について
すべての児童を対象とした放課後の安全な居場所づくりと小学校入学以降も子育てしやすい環境の整備のさらなる充実に取り組むとともに、こども基本法やこども大綱などに掲げるこども施策の基本理念や基本的な方針のもと、放課後児童対策パッケージ、こどもの居場所づくりに関する指針など国の放課後児童対策の考え方を踏まえ、「(仮称)枚方市こども計画」に掲げる放課後児童対策の行動計画として策定するもの。枚方市総合計画や枚方市教育大綱など他の本市計画等とも整合を図りながら、放課後児童対策の具体的方策や目標を定める。
◇(仮称)枚方市児童の放課後を豊かにする行動計画(素案)<概要版>
児童や保護者等へアンケート調査を行い、ニーズの把握を行うとともに、事業の取り組み状況や課題等を検証し検討を進め、素案をまとめたもの。計画期間は、こども計画の期間に合わせ、2025年度から2029年度の5年間の取り組み内容について定める。計画策定後は「児童の放課後対策審議会」で進捗管理するとともに、必要に応じ見直しを行う。
◇(仮称)枚方市児童の放課後を豊かにする行動計画(素案)
[「(仮称)枚方市児童の放課後を豊かにする行動計画(素案)」より抜粋(P)]
◇夏季休業期の昼食サービス試行実施について
また、児童や保護者に寄り添った施策として、夏季休業期に試行実施した昼食サービスの結果についてもあわせて報告するものです。
これまでから、三季休業期の昼食サービスについては、留守家庭児童会室等で提供して欲しいという要望を保護者から受けていました。しかしながら、三季休業期の昼食サービスを導入するにあたっては、お弁当提供事業者の選定や注文の集約、集金方法など様々な課題を有していたことから、これらの課題を解決するため、公民連携プラットフォームの仕組みを利用して、事業の実施手法や継続可能性を検証するため、夏季休業期に昼食サービスを試行実施しました。詳細は「資料3 留守家庭児童会室等での三季休業期昼食サービス試行実施結果報告」のとおり。
奥野の意見
「(仮称)児童の放課後を豊かにする行動計画」を策定するにあたっては、「何が豊かになるの」「どこが豊かになるの」など、求める「豊かさ」についての記載(コンセンサス)が必要ではないかと思っています。
施設面について、留守家庭児童会室においても、施設の老朽化対策やトイレの環境改善、また、空調設備の整備など、学校施設同様に早急に進めていく必要があると考えます。留守家庭児童会室の子どもたちにとっては、そこは家庭と同じ生活の場となるわけですから、校舎内の学校教室のタイムシェアなどの一時的な利用は、あくまでも定員超過への一時的な対応策であって、「専用施設」での受け止めを基本とすべきです。「放課後等の子どもが安心して過ごせる場としてふさわしい環境整備」という観点から、校舎外専用棟についても、校舎内の一時利用の専用室についても、留守家庭児童会室の子どもたちが過ごす専用室の整備をしっかりと検討していただくよう求めてきているところです。
留守家庭児童会室の施設整備については、2014年12月に2015年度から5か年の「留守家庭児童会室施設整備計画」が策定され、増築や老朽化により建替えが必要な施設の整備が行われていましたが、その後、後継の計画はありません。今年度、「(仮称)児童の放課後を豊かにする行動計画」を策定する中で、留守家庭児童会室の施設整備に係る考え方について示していくとのことでしたが、現時点で、明確な記載が見られないので、策定までに確認が必要であると考えています。
他の委員の質問
・総合型放課後事業の質の向上は重要である。児童の意見反映、アドボカシーの仕組みづくりについて。
→児童の自主性を尊重した居場所となるよう研修をはじめ職員の意識改革を図る。児童が行事の取り組みを考えたりする等、好事例を参考に取り入れていきたい。意見箱の設置なども検討する。
・大人の都合に合わせたルールになっていないか。子どもの思い尊重してほしい。例えば、3季休業中の昼食について、子どもたちは家で作った弁当を希望している等、保護者の意見と子どもの意見のバランスをとることが重要。
・性暴力・性犯罪対策の推進とあるが、対象の事業者に対し、子どもに接する職業に就く者には性犯罪歴の確認を義務付ける制度(日本版DBS「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律(こども性暴力防止法)」)の導入が予定されているが実際の状況について。何よりも子どもの命・安全が第一義。
→2024(令和6)年6月19日成立、26日公布、2026年度中の施行が予定されている日本版DBS(こども性暴力防止法)の取組が進められている。子どもたちが安全に過ごせる環境づくりを進めることを目的としている。国の動向を注視していく。
・放課後オープンスクエアの使用料の算定根拠の見える化について。放課後オープンスクエア。誰でも無料で遊べる場として周知されてきた。費用に見合った保育料・使用料を検討すると、事業の趣旨から外れることにならないか。
→登録時、傷害保険料・郵送料として、1,000円(使用料)の負担が必要。その他にも必要経費があるため、見える化を図る。
・三季休業中の昼食について、今後の検討課題の中に福祉的観点からの検討と記載されている。冬休みも試行実施とのことであるが、何を検討するのか、聞く。
→3季休業期、家庭で十分な食事を摂れていない児童への支援になる。
・3季休業期に過程で十分な食事ができていない児童にどう対応していくのかは大きな課題である。アンケートも取られているので、慎重に対応いただきたい。お弁当の調達事業について、見切り発車的に、できるところからやる、できないところは全然できないとならないよう、しっかりと検討・検証していただきたい。
・3季休業中の昼食確保の福祉的観点から、学校に来ていない子はどうするのかということもある。行政が本来すべきは、弁当を渡すと終わりではない。その場限りの支援ではなく、寄り添って、結果、行政が提供するというのであれば理解できる。子どもの居場所としてここが大事というのであれば、保護者の声をしっかりと聞きながら、しっかりと見ていっていただきたい。
・保護者ニーズに合った事業の実施ということで、昼食サービスの実施、土曜日の開室等も計画に反映されていると思うが、子どもが真に過ごしやすい環境を整えていただきたい。小1の壁、就学後の親御さんの懸念。朝の居場所を確保したいという要望も多い。
→朝の時間の送迎場所が課題となっている家庭もある。放課後児童のアンケート調査でもニーズを確認している。
・保護者の意見のみならず、子どもの意見を反映していただきたい。トイレの洋式化、男女別トイレの設置、汚い、薄暗いトイレの改善。雨の中傘をさしていかないといけない。遊び道具が少ない等々、今後、どのように改善されるのか聞く。
→実情に応じて行動計画に策定していく。35人学級・支援学級の増加等で教室の確保は難しく、また、建て替えが必要な専用室も少なくない。放課後オープンスクエア等の学校施設の有効活用等、施設の管理運営に係る内容もしっかりと検討いただきたい。
・居場所づくりの中、3季休業中の昼食のみならず、朝のおにぎり・みそ汁の提供があればと願う。朝の預かり(豊中市の例)もある。まずはモデル事業。実績のある民間との連携が現実的。丁寧な説明と理由付けが必要。
【参考】
▶ 同じ学校施設内であるのに、留守家庭児童会室の校舎外専用棟そのものも、空調設備やトイレ設備の更新についても、取り扱いは別基準であるのか。放課後の子どもたちが被っている大変な不便、不利益を早急に解消するための取り組みを。児童の豊かな放課後対策における環境整備について、質問しました。9月定例月議会、一般質問の報告②です。(2024年9月17日)
▶ 学校を開放して勝手に遊ばせておけばいいというような取り組みは、子どものための「放課後事業」などと言えるものでは決してない。総合型放課後事業実施プランについて質問しました。6月定例月議会、一般質問の報告②です。(2022年6月17日)
▶ 児童の放課後を豊かにするための取り組みについて~総合型放課後事業の目指すもの~について質問しました。12月定例月議会、一般質問の報告①です。(2021年12月16日)
▶ 子どもたちの最善の利益を確保するためにも、子どもたちにとって安全で豊かな放課後環境の整備のためにも、職員とのコミュニケーションを図り、課題解決のために必要な取り組みを誠実に行っていただきたい。放課後児童健全育成事業の適正運営について質問しました。12月定例月議会、一般質問の報告②です。(2020年12月15日)