2月17日、総務委員協議会が開催されました。案件は「長期財政の見通しについて」等、10件の協議が行われました。
2月17日は総務委員協議会が開催され、10件の案件の審議が行われました。総務は私の所属する常任委員会です。
提出された案件は以下のとおり。
【案件名】
(1)第2期枚方市まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定について
令和2年度~令和5年度を計画期間とする本市第2期のまち・ひと・しごと創生総合戦略(案)の報告です。3回の意見聴取会も踏まえ作成された案について、総務委員協議会での報告の後、2月20日~3月10日までパブリックコメントを実施し、3月の策定をめざすとのことです。令和元年12月20日に閣議決定された国の「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」や第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」も勘案して策定とのことですが、国においてこの戦略は、「人口減少に歯止めをかける」から「人口減少に適応した地域をつくる」という形に一定シフトして継続となっているようです。
基本目標は、
「1.安心して子どもを産み育てることができ、子どもの健やかな成長と学びを支える」
「2.市民の健康増進や地域医療の充実を図る」
「3.産業の活性化と人々の交流・賑わいの創出によりまちの魅力を高める」の3つで、
政策目標は、
「1.本市への定住志向を示す市民の割合を、現状89.2%(R1)から92.2%(R5)とする」
「2.本市を住みよいと感じる市民の割合を、現状80.1%(R1)から83.1%(R5)とする」の2つ。
さらに「若年世帯・単身世帯で枚方市から転出した人々の回帰を含めた子育て世帯の転入超過を累計1,500世帯とする(20~44歳の夫婦世帯、夫婦子あり世帯のR2~R5の累計)」を取り組み目標として設定し、合計特殊出生率の向上に寄与するとともに、長期的に社会増減をプラスに転換することをめざすとのことです。
私は、この戦略は、市の政策を確立するにあたっての基本的な状況の捉え方やめざす方向性の根拠となるものであるという観点から、地域別人口の推移の現状をどのように分析・考察し、地域課題の解決に向けた戦略をどのように取り組んでいこうと考えているのかについて質問をし、いま住んでいる地域にこれからも住み続けたいと思えるような持続可能なまちづくりのために、総合戦略を効果的に推進していただけることを要望しました。
(※質問の詳細は、ここクリックしてください。)
枚方市まち・ひと・しごと創生総合戦略に関する聴取会の意見聴取会(第1回:2019年10月30日)、意見聴取会(第2回:2019年12月20日)の内容はこちら。意見聴取会(第3回:2020年1月24日)は掲載された後、リンクを示します。
(2)長期財政の見通しについて
令和元年度の決算見込みと令和2年度の当初予算をもとに、令和元年度~令和13年度の収支見通し(普通会計)を算定したもので、総合文化芸術センター整備事業、市駅周辺地区市街地再開発事業(③街区)、学校園施設改善事業といった投資的経費が集中するものの、実質収支については10億円台の黒字を維持できる見込みで、市債残高についても、令和7年度までは増加するものの、その後は減少する見込みとの見通しが示されています。
市駅周辺再整備について、特にすでに着手されている③街区に加えて、②、④、⑤街区にまたがる再整備に莫大な市費を投入することが計画案として出されていて、その財源を確保するために、人件費の削減や市民負担の増につながる行財政改革を進めるというプランが示されているため、行財政改革プラン2020(最終案)の関係について、私の方からはいくつか確認の質問をしました。
格差の拡大や度重なる自然災害の脅威から、安心して暮らしていくことができるまちをつくるために、必要な施策のための財政出動は必須です。明確な方針が決まっていないから今回の収支見通しに算入されていない施設更新コストもあります。先送りをしているのではないか、いま取り組んでおかなければいけないのではないかという懸念もあります。そのような状況のもとで、現状の収支見通しを確認すると、市駅周辺再整備については、③街区の整備だけでも財政的には限界ではないかと意見をしました。
(※質問の詳細は、ここクリックしてください。)
➣「長期財政の見通し 令和2年2月作成版(概要版)」はこちら。枚方市のホームページにリンクします。
(3)令和2年度機構改革の実施について
市民サービスの向上や行政課題への対応強化を図るため、より効率的で効果的な業務体制の確立をめざした機構改革案とのこと。
内容は、
(1)災害等への対応強化を図るための体制整備、
(2)子どもをめぐる問題を一元的に把握し、組織横断的な支援につなげる体制整備、
(3)ワンストップ化を含むさらなる市民サービス向上を図るための体制整備、
(4)市のさらなる魅力向上や活性化を推進するための体制整備、
(5)地域共生社会の実現に向けた健康(保健)・福祉・高齢者施策を組織横断的に推進する体制、
(6)就学前の子どもに関する業務を一元的に実施する体制整備、
(7)行政課題の対応を強化する、より効果的で機能的な事務執行体制の整備等、以上7つのポイントを示されています。
市民サービスの向上等、機構改革によってめざそうとする内容が実現されればよいことだと思いますが、組織のガバナンスやマネジメント等の内向きのエネルギーに職員の力が割かれてしまっては本末転倒です。そのような観点から、極端にフラットな組織にした地域健康福祉室の役割についての確認と、今回新たに職として設置を検討されている「監」(危機管理監、子育ち支援監)の意味や役割について質問しました。
(※質問の詳細は、ここクリックしてください。)
(4)(仮称)行財政改革プラン2020(最終案)について
枚方市新行政改革大綱及び枚方市新行政改革実施プランが令和元年度をもって計画期間満了となることから、令和2年度を始期とする行財政改革プラン2020として、昨年12月に実施したパブリックコメントや議会の意見を経て「(仮称)行財政改革プラン2020(最終案)」をとりまとめ、3月に策定しようとするものです。
行財政改革については、12月の一般質問でも取り上げました。
限られた財源、厳しい財政状況の中でも、市民福祉の増進という大切な行政の役割を維持するために進めるのが行財政改革であり、行財政改革を単なる経費の削減、「効果額」の積み上げのための取り組みとするべきではない。(仮称)行財政改革プラン2020(案)は抜本的に再検討し、特に、水道料金・下水道使用料の福祉減免の見直しはすべきでないと、強く意見しました。
水道料金・下水道使用料の福祉減免制度の見直しについては、昨年12月に実施されたパブリックコメントにおいて、70件を超える意見が提出されているなど、市民の関心も高いものとなっています。抜本的に検討したとは言えないと思いますが、パブリックコメントや議会の意見を受け、水道料金・下水道使用料の福祉減免制度の見直しは「継続して検討」に変更、目標効果額は削除されています。ただし、見直しの中止にはなっていませんので、引き続きの確認が必要です。
なお、来庁者・利用者用駐車場の有料化に向けた検討も、さらなる検討を行う必要があるとのことで目標効果額の記載を削除、反対に、税外債権に係る未収金対策等の取り組みは目標効果額(累計619,000千円)が設定されたり、枚方市文化観光協会への支援のあり方の見直しや図書館施設の効率的・効果的な運営が新たに設定されるなどの説明がありました。
また、「(仮称)このまちに積みたい基金」の概要についての説明もありました。行財政改革の見える化は必要なことではあると思いますが、決して「効果額」の積み上げのための取り組みに終始しないことを願ってやみません。
(5)枚方市国土強靱化地域計画の策定について
東日本大震災を教訓に「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靭化基本法(平成25年12月)」、「国土強靭化基本計画(平成26年6月)」を踏まえ、枚方市としても「国土強靭化地域計画」の策定に向けた取り組みを行うもので、令和3年3月の策定をめざすというもの。本市の地域特性から、対象とする大規模自然災害を地震、風水害と想定し、本市で起こりうる「起きてはならない最悪の事態」を設定するとともに、本市の現状の脆弱性を評価し、「起きてはならない最悪の事態」を回避するための課題を抽出することから始めるようです。
(6)公共施設マネジメントに係る個別施設計画(総合編)素案について
「公共施設マネジメント推進計画(平成29年3月)」に基づき、公共施設の「長寿命化の推進」や「施設総量の最適化」についての考え方を示す「個別計画(総合編)」の素案が示されました。公共施設の管理について最も上位の計画の具体的な考え方を示す大切な計画になります。
「長寿命化の推進」については、「予防保全型管理の推進」「施設更新サイクルの長周期化」が方針で、市有建築物(市有建築物・小中学校・プラント系施設)は施設評価を踏まえて、インフラ系施設(道路・橋梁・公園・上水道施設)は各分野の計画を踏まえて取り組みを進めることとし、費用については、平準化を考慮して、市有建築物については概ね年間32.2億円、インフラ系施設については年間約57.3億円が見込まれています。
「施設総量の最適化」については、将来的な人口規模・構造に応じた施設総量の最適化をめざし、新規施設整備の抑制、複合化や既存施設の有効活用等に取り組む方針で、現計画期間における市民一人当たりの延べ床面積は現状の1.9㎡を維持するとのことです。その値がどの程度のものか、今の私には理解できていませんので、また確認していきたいと思っています。
(7)工事請負契約締結状況報告(令和元年10月~12月)について
枚方横断歩道橋エスカレーター設置工事(新町) 契約金額:133,838,100円
(8)令和2年度の入札・契約制度について
これは全国的な流れで国からの要請を受けてとの説明でしたが、これまで前払金で2億円、中間前払金で1億円の設定のあった支払限度額を撤廃するという見直し内容が提案されました。また、入札不正行為排除・防止検討委員会の中間答申を踏まえ、入札監視員の職務及び位置づけの見直しとして、地方自治法に基づく専門委員に改め、新たに専門委員協議会を設置することにより、独任制による機動性を確保する体制とすることが提案されました。
(9)「国際化施策に関する考え方」の策定について
「違いを認めあい、みんなで創る、多文化共生のまちへ向けて」とのサブタイトルが付され、基本方針は、「多文化共生の推進」「国際化基盤の整備」「国際交流の推進」で、取り組みの方向性として、「外国人市民に対する支援の充実」「多文化を包摂する地域社会づくり」「産業振興における国際化への対応」「国際化に対応できる都市基盤の整備や魅力の創出」「海外友好都市等との交流の促進」「国際化社会に対応できる人材の育成」が掲げられ、個別の施策が掲載されています。
多文化共生をはじめ、国際化施策に関する理念や基本目標、取り組むべき課題などを体系的にまとめられたのは本当に大きな前進で、これからの市全体としての取り組み姿勢に期待をするところですが、課題は、これが枚方市の市政運営の中にしっかりと位置付けられるのか、積極的に具体化されていくのかということであると考え、位置づけや進行管理の方法、他の行政計画との整合性について確認の質問をしました。
今回策定される「子ども・子育て支援事業計画(案)」「地域福祉計画(案)」には、外国人市民等に対する取り組みの方向が記載されており、嬉しく思っています。しかし、「すべての子どもの教育の保障を」と12月の議会での質問させていただいた際、教育長は「国籍に関係なく、すべての子どもたちが生き生きと学ぶことができる学校園づくりに努めていく。」と言っていただいているにも関わらず、「枚方市教育大綱(案)」には「基本的な考え方」で記載されているようなことは一言も触れられていませんので、教育に関する計画とも整合性を図っていただき、さまざまな取り組みを具体化していただきたいと、これは強く要望しました。
(※質問の詳細は、ここクリックしてください。)
(10)森林環境保全事業について
令和6年1月1日施行の森林環境税(年1,000円)について、森林現場の課題に早期に対応する観点から、今年度より前倒しで国から譲与される森林環境譲与税について、国の示す使途は、間伐等の森林整備、人材育成・担い手確保及び推進体制の構築、木材利用・普及啓発等となっているが、本市において、まずは基金「(仮称)枚方市森林環境基金」を創設して積み立て、その後、「東部地区活性化推進プロジェクトチーム」において、本市における森林環境保全事業の検討及び実施を行っていくというもの。なお、令和元年度の枚方市への譲与額(試算)は、約15,360,000円とのことです。