3月23日、予算特別委員会4日目(総論及び市民福祉・建設環境部門)は、市税収入や学校給食牛乳パックリサイクル事業等について質問しました。
枚方市議会議員の奥野みかです。
3月23日、B日程(総論及び市民福祉・建設環境部門)で行った質問の報告です。
「賑わい」創出という魔法の言葉で惑わすことなく、まちを豊かにしていくためには、市民生活を支える社会基盤の整備の取り組みを着実に行っていただきたいとA日程では意見をさせていただいていますが、今回、B日程では、地方消費税交付金について、また、固定資産税の今後の推移を考察しながら、「賑わい」とは何か、「まちが豊かになる」とは具体的にどういう取り組みの結果であるのかを考えることができればと思い、質問しました。
学校給食牛乳パックリサイクル事業の取り組みについては、A日程では、子どもたちが、牛乳紙パックの再利用に、具体的な関わりをもたない仕組みを作ってしまうという「児童・生徒に対する環境教育のあり方」への懸念から、「できるところから、すこしずつ」主体的に行動できる児童・生徒を育てる環境教育をめざすべきではないかという思いで教育委員会に対して確認しました。今回、B日程では、ポイ捨てリサイクルを行政が進めると、自律的な紙パックリサイクル活動を壊し、結果的に全国的な行政コストの増大をもたらす危険性があるという「リサイクルへの公費負担の増大」との懸念から、環境部に対して事業内容の確認をしました。
くすの木園民営化事業経費については、A日程では、公立保育所民営化事業や幼児療育園跡地活用について質問しましたが、いずれも公共施設の廃止は、跡地活用の明確化、もしくは解体まで実施して事業の完了とするべきであるということ、さらに、そもそも解体工事は、騒音・振動・ほこり等 、周辺地域・住民に及ぼす問題も大きいことから、公的機関が適切な管理のもとで責任をもって 実施するべきであると意見しました。今回、B日程では、くすの木園民営化事業経費について確認しました。すぎの木園は市の責任による園舎の解体工事でしたが、飛散性アスベストが建築資材として使用されていたことから、解体・撤去費用の負担が大きかったようですが、アスベスト含有が想定される公共施設の解体は市が責任をもって行うべきであると意見しました。
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【3月23日の質問項目】
(1) 地方消費税交付金について
(2) 自主財源の根幹である市税収入の見通しについて
(3) 学校給食牛乳パックリサイクル事業について
(4) くすの木園民営化事業経費について
なお、持ち時間の制約もあり、当初予定していた質問をする時間を確保できなくなってしまいました。
A日程では、「学校・家庭・地域連携協力推進事業費補助金」から、子どもたちの豊かな放課後をつくるために取り組む各種施策に関する質問を、また、B日程では、「マンション管理適正化・再生推進事業」、「土砂災害特別警戒区域内既存家屋移転・補強事業」や「重層的支援体制整備事業(CSW配置事業費)」の質問を取り下げました。それぞれ、別の機会で確認していきたいと考えています。
※以下、質問のやりとりを掲載します。
(1)地方消費税交付金について
Q.私の質問
まず、最初に、予算説明書23ページにある地方消費税交付金、81億6,588万1千円の算定方法と推移について伺う。
A.市民税課長の答弁
地方消費税は、国税である消費税と併せて課税される都道府県税で、消費税標準税率10%の場合、地方消費税は2.2%となる。地方消費税は、国から都道府県に払い込まれた地方消費税額を最終消費地に帰属させるため、人口や消費に関連した基準等によって都道府県間で清算が行われる。
地方消費税交付金は、都道府県間での清算後の額の2分の1を市町村に、国勢調査による人口と経済センサス基礎調査による従業者数を1対1で按分し、交付されるものである。なお、2014(平成26)年4月1日以降の税率引き上げ分については社会保障費財源分とされ使途が限られており、この分については人口のみで按分されている。
地方消費税交付金の推移であるが、2020(令和2)年度決算額は 78億8,252万8千円。2021(令和3)年当初予算額は新型コロナウイルス感染症の拡大を考慮し、72億6,207万5千円としていたが、交付済額の状況から消費動向の落ち込みがないことが見込まれるため、3月補正により 81億6,588万1千円と見込み、その額を令和4年度予算額としている。
O.私の意見・指摘
2021(令和3)年度当初予算に比べ、9億円も増額となっているのはなぜかと思い、質問したが、消費動向の落ち込みがないことが見込まれるため、実際の交付見込額で3月補正を行った額を2022(令和4)年度当初予算額としたとのご答弁である。
消費税率引上げによる増収分は全額を社会保障に充当し、「全世代型」の社会保障制度に転換すると説明されている消費税であるが、大阪府から交付される地方消費税交付金は、ほぼ「人口」により決まっているというご答弁かと思う。
まちが「賑わい」、交流人口が増加し、消費が活性化することによって売上げが伸び、消費税収入額が増えたとしても、「依存財源」である地方消費税交付金の交付額算定において重要な要件は「人口」、ということのようである。
(2)自主財源の根幹である市税収入の見通しについて
Q.私の質問
「自主財源」は「人口」とは切っても切れないものであるが、次に、自主財源の根幹である市税収入の見通しについて、伺う。
基本的な収入となる「個人市民税」と「固定資産税」の過去20年間の推移の評価と今後の見通しについてA日程で質問させていただいたが、B日程では、2022(令和4)年度予算に 219億9,975万8千円を計上されている「固定資産税」について、伺う。
2022(令和4)年度当初予算は、前年度当初予算比 14.4億円の増額となっているが、これは、売上の減少した中小事業者等に対する固定資産税等の軽減措置が2021(令和3)年度で終了するため、との説明であった。「長期財政の見通し」で示された2033(令和15)年度の「固定資産税」は 211億円と、9億円程度の減収を見込まれているが、ここには、③街区での市街地再開発事業の効果は反映されていないということである。
枚方市駅周辺再整備事業の③街区の市街地再開発は、これまで低利用地であった③街区の土地利用の転換である。固定資産税のうち「土地」分については、市駅北側の駅前広場等の公共用地が増えるため税額は減少するけれども、道路整備等により路線価が上昇するため、③街区全体ではほぼ横ばいとのことであったが、「家屋」分の固定資産税の増加は見込めるようである。
現時点では、住宅・商業・ホテル・行政機能等の床面積もほぼ確定し、設計も進んでいると思うが、③街区の市街地再開発で、「家屋」分の固定資産税の増加はどの程度になると見込まれているのか、伺う。
A.資産税課長の答弁
固定資産税は毎年1月1日現在の所有者に対し課税するので、③街区に建築される家屋が2024(令和6)年中に完成した場合、2025(令和7)年度から新たに課税することになる。
税額については、使用される資材、設備等の違いにより評価額は異なってくるので、家屋の詳細が分からない現時点において税額を見込むことは困難であるが、③街区 市街地再開発事業 事業計画書の「施設建築物の設計の概要」に記載されている家屋が建築されると仮定し、その家屋と用途、構造が同一で床面積が同規模の現存する家屋を参考に算出すると、新たに建築される家屋の固定資産税と都市計画税については、2億円から3億円になると見込まれる。
O.私の意見・指摘
③街区に新たに建築される「家屋」分の固定資産税等は、2~3億円とのご答弁であるが、税額が減少する要因はないのかを伺ったところ、住宅部分には新築住宅の減額措置があること、また、枚方市所有予定の公共施設など課税対象とならない箇所があるとの説明であった。また、3年毎の評価替えの際、家屋の構造や用途別に定められた「築年数による減価率」で評価され、一般的には減収となっていくようである。例えば、非木造と、同じ構造では、住宅系より、商業系の減価の方が少ないようである。
枚方市駅周辺再整備事業によって③街区に整備される行政機能の床部分、つまり、枚方市が所有する分についても、また、大阪府が所有する分についても、公共用地にかかる面積分は固定資産税の課税対象ではない。バンケット型ホテルの出店に対して、一定期間、ホテルの床部分に対する固定資産税の税額と同等の助成を行うという話もあったので、今回、お示しいただいた固定資産税の増収見込み額から、その分も差し引いて効果を検証していかないといけないとは思うが、③街区の再開発により、安定した財源として、「固定資産税」の増収は期待できそうである。
しかし、市が固定資産税の収入を得ることができるということは、民間事業者にとってみれば、重い固定資産税負担が生じるということである。現在、どんな業態においても、家賃や人件費負担が重い「実店舗」の出店は非常に困難であるのが現状ではないか、と懸念する。
「民間活力」は「打ち出の小槌」ではない。③街区の土地利用の高度化・集約化により可能になったことが、④街区で可能になるとは限らない。固定資産税負担を含めてコスト負担が重くなる民間事業者による経営は極めて厳しい環境であることからも、魅力のあるコンテンツの実現可能性や持続可能性がどのように検証されるのか、今回のサウンディング型市場調査の結果には注目したいと考えている。
④街区のコンテンツが、最初の時期に得た民間アドバイザー提案のタワマン等に舞い戻るというのであれば、根本的な見直しが必要である。そんなことになるのであれば、貴重な公共用地について、民間活用という名の「民間売却」を考えるのではなく、50年、100年にわたって、市民の資産として活用できる土地利用とすべきであると意見しておく。
(3)学校給食牛乳パックリサイクル事業について
Q.私の質問
次に、学校給食牛乳パックリサイクル事業について、伺う。
予算説明書301ページ、「資源物リサイクル事業経費」備品購入費 1,079万1千円は、「牛乳パックの破砕・洗浄処理機」等の購入経費で、購入予定の処理機の処理能力は、1時間当たり 14,000個、学校給食から排出される1日分の牛乳パック約 26,000個は概ね約2時間で処理でき、設備の耐用年数は法定7年であるが、15年以上は使用できるものと見込んでいるとの説明を受けた。
学校給食において牛乳は、小学校では全校で毎日出されている。給食を食べた後、下膳されて戻る牛乳紙パックの処理は本来、学校給食調理業務の中で行う作業であり、それが最も衛生的で速やかな処理だと思う。飲みっぱなしの状態の学校給食牛乳紙パックをわざわざ市内1か所の穂谷川清掃工場に職員の手で集め、破砕・洗浄・乾燥処理するのはなぜなのか、伺う。
A.環境政策室課長の答弁
春日井市では4か所の共同調理場に設備計4台を設置し対応されているが、本市の共同調理場では設備を設置し作業するスペースの確保が難しく、また、衛生面の確保のため、新たに建屋が必要になるなど処理経費がふくらむものと見込まれる。
穂谷川清掃工場に集積させることで既存の給排水設備や工場で発電している電気設備などが利用できることから、新たな設備投資の必要がない上に、1台の機器で運営が可能となり、環境負荷も少なく効率的かつ効果的であるためと判断したものである。
O.私の意見・指摘
効率的・効果的であると判断され、穂谷川清掃工場に集積させるとのご答弁である。当初の計画より2年遅れとなるが、2026(令和8)年3月、枚方・京田辺の可燃ごみ広域処理施設の運用開始をもって、穂谷川清掃工場の第3プラントは役割を終えると思っているが、その穂谷川清掃工場の敷地内に、15年以上は使用できる「牛乳パックの破砕・洗浄処理機」を設置する、とのことである。
ご答弁では、本市の共同調理場では、設備を設置し作業するスペースの確保が難しいとのことであるが、春日井市は、本市が購入予定のものより小さいタイプの処理機を、学校給食共同調理場4か所に設置されているようである。単独調理場では、多くの児童が開いて、洗えば、そもそも処理機がなくても対応が可能なのではないか。
Q.私の質問
次に、お示しいただいた公民連携での製紙リサイクル工場の設備稼働、つまり、受け入れ可能になる時期については8月以降になるようで、学校給食牛乳パックリサイクル事業を2022(令和4)年4月からスタートするのは難しいようである。
お示しの仕組みでリサイクル事業がスタートするまでの間、学校給食牛乳パックの処理はどうなるのか、伺う。
A.環境政策室課長の答弁
1学期中に自動洗浄処理機の設置及び運転テストを行うとともに、回収ルートや回収状況の確認などの準備を行い、2学期から本格実施する予定である。それまでの間は、本市において焼却処理する予定である。
Q.私の質問
1学期は焼却処理の予定とのことである。
委員協議会では、学校給食牛乳紙パック古紙が極めて再生困難なものであるとの説明があった。確認のために伺うが、店頭回収などが相当定着している1リットルや 500mlの牛乳紙パックと、本市の学校給食で採用している 200mlの学校給食牛乳紙パック古紙については、同じ紙パックリサイクル古紙であっても、再生紙工場での作業工程上、取り扱いが異なる性状のものなのか、伺う。
また、「開いて、洗って、乾かされた」200mlの学校給食牛乳紙パック古紙は、紙パックリサイクル古紙を扱う古紙問屋や再生紙工場の買取対象とならないのか、伺う。
A.環境政策室課長の答弁
牛乳パックのリサイクルを推進する全国牛乳容器環境協議会によると、スーパーなどで行われている牛乳パックのリサイクルは開いて・洗って・乾燥できていることと、回収業者が回収・運搬して利益が確保できるなど採算が合うこととが前提になる。
そうした中で、牛乳パックは学校給食牛乳パックも含めリサイクルできる大規模な再生工場は全国で10か所程度しかなく、回収・運搬にコストがかかることが課題としてあげられる。さらに、学校給食牛乳パックに限りますと、1リットルや500mlの牛乳パックに比べて、紙が薄くパルプの量が少ないことなどから、採算が合わず回収・運搬業者が少ないという課題もある。
大阪府牛乳協会が行った調査では、開いて・洗って・乾燥したものを直接持ち込めば無償で引き取る再生工場はありますが、作業と回収・運搬費用は自治体の負担となる。
このような状況もあり、現状、採算面で厳しい状況であることから、近隣市においては、開いて・洗って・乾燥する作業の軽減と回収・運搬のコストの観点で一般廃棄物として焼却を選択されている。
O.私の意見・指摘
開いて、洗い、乾かされた紙パックリサイクル古紙をリサイクル工程に乗せるルートは、今回、お示しされた公民連携事業者である特定の回収事業者や再生工場以外にもあるとのことである。
Q.私の質問
次に、市内全域の学校から牛乳紙パックを職員が穂谷川清掃工場1か所に集め、市が整備する機械を使って職員が破砕・洗浄・乾燥し、製紙工場までの運搬費用を市が公費で負担して運び込むというシステムにどのようなメリットがあるのか、伺う。
なお、製紙工場に搬入する紙パック古紙は製紙会社の再生製品の原料になるわけであるが、市として古紙の買取費用は求めないとのことである。搬送会社には買取費用が支払われるので、市が支払う搬送委託料が軽減されているということがないのか、伺う。
A.環境政策室課長の答弁
昨年3月に策定した第3次の環境基本計画においても環境負荷の少ないまちの実現は基本目標の1つとしており、持続可能な循環型社会の実現に向けては、リサイクルの推進や焼却ごみの削減が最優先されるものであることから、リサイクル事業として実施することとしたものである。さらに、公民連携の枠組みの中で行うことにより、リサイクルで最も重要な課題の一つである継続的なリサイクルルートの確保ができることも選択する要因の1つとなった。
また、先ほども述べた通り、学校牛乳パックリサイクルは現状においては採算面で厳しい状況である。
枚方市においては行政回収した古紙を積み合わせることで、搬送委託料の軽減に一定の寄与を見込みリサイクルを進めることとしている。
O.私の意見・指摘
すでに行っている古紙の行政回収分の処理と合わせることで、搬送委託料の軽減効果がある、学校牛乳パックリサイクルは現状においては採算面で厳しい状況、とのご答弁であるが、直接的な調査とコストの具体的な比較はされていないようである。また、搬送業者に学校牛乳パック分の買取費用が支払われるのかどうかについては、お答えがなかった。
Q.私の質問
「洗って、開いて、乾かして」、最寄りの回収拠点や自治会等の集団回収に持って行くというルールが定着している牛乳紙パックリサイクル活動は、市民が主体となって始まった1984年の取り組みから始まり、回収ルールやルートづくり、再生品の利用拡大まで関わるという世界でも例のないリサイクルのシンボル的な運動だと理解している。
今回の公民連携による紙パックリサイクルのシステムは、排出段階から、最終の再生紙生産に至るまで、牛乳紙パックリサイクルの独自性を全く否定するものにならないかと懸念するが、どのような見解をお持ちなのか、伺う。
A.環境政策室課長の答弁
本市の学校給食牛乳パックについては、これまでにない新たな取り組みとして実施するもので、既存のリサイクルルートとは異なる仕組みのものであり、これまで実施されてきた牛乳紙パックリサイクルの独自性を否定するものではないと考えている。実施にあたっては、スーパーなどで既に行われている紙パックのリサイクルとの違いを明確に示すなど、影響を及ぼさないよう、検討していく。
O.私の意見・指摘
スマートライフ基金を活用するということもあり、委員協議会では、牛乳紙パックリサイクルシステムを店頭回収でも試みるとの説明もあった。「開いて、洗って、乾かした」牛乳パックをボックスに入れるのではなく、学校給食と同じく、飲みっぱなしの状態の容器をポイっと入れるシステムを考えているのだろうか、と疑問に思ったが、学校給食以外の展開については、設置方法等も含め、検討中のようである。くれぐれも、飲みっぱなしの状態の紙パックリサイクル容器を行政が回収してリサイクルする「ポイ捨てリサイクル」システムを行政が作ることがないよう求めておく。
今回の学校給食の牛乳パックリサイクル事業の取り組みは、牛乳紙パックの再利用に、子どもたちが具体的な関与をしない仕組みを作ってしまうのではないかという「児童・生徒に対する環境教育のあり方」としての問題と、ポイ捨てリサイクルを行政が進めると、自律的な牛乳紙パックリサイクル活動を終止に追い込み、結果的に全国的な行政コストの増大をもたらす危険性があるのではないかという「リサイクルへの公費負担の増大」という懸念から、A日程では教育委員会に、そして、このB日程では環境部に、今回の予算編成につながる事業の仕組みについて、確認をさせていただいた。
市のめざされる目標同様、私も、学校給食牛乳パックの「自己処理」への転換に伴って焼却処理とするのは避けるということに全く異論はないし、是非、お願いしたいと考えている。
その上で、最後に、大きく2点について、意見を述べさせていただく。
1つは、「開いて、洗って、乾かす」ことを誰が担うのかという問題で、もう1つは、牛乳パックリサイクルシステムへの排出者負担、すなわち、労力やコストの負担を誰が担う仕組み・システムとするのか、ということである。
1点目について、市の案は、環境部職員が学校から回収し、穂谷川清掃工場に設置した処理機を用いて洗浄するというものである。しかし、対案としては、学齢やアレルギー等の点で困難が生じる部分については、下膳する食器の流れに合わせ学校給食調理業務でカバーするといった対応も模索しながら、それぞれの学校で児童・生徒が主体となって「開いて、洗って、乾かす」というものがある。
2点目について、市の案では、牛乳パックリサイクルシステムへの排出者負担は、「(1)学校設置者で、環境事業実施者でもある市行政が担う」という案になっている。その他には、「(2)リサイクル可能だったビンから紙パックに切り替えた学校給食牛乳納入事業者が担う」場合と、「(3)児童・生徒を含む学校が担う」場合が想定される。
「(2)学校給食牛乳納入事業者が担う」場合、原則、学校給食費を負担する者、つまり、保護者がコストを負担することにつながるため、実際には難しいと思われる。「(3)児童・生徒を含む学校が担う」案は、参画型の牛乳紙パックリサイクルシステムの現状に児童・生徒の参加を拡大することになるので、もし、実施することができれば、コスト負担は最も少ないのではないかと思う。
「(1)市行政が担う」案は、回収・破砕して開く・洗浄・搬送のすべての労力とコストを行政が担う牛乳紙パックリサイクル事業となることから、人件費コストを含め、公費負担が最も高くなるし、参画型の牛乳紙パックリサイクルシステムを壊して、行政依存に移行させる引き金を引くリスクすらあるのではないかと懸念する。そうなると、現在、店頭回収等で行われている全ての牛乳紙パックのリサイクルコストの公費負担化をもたらす危険性さえあるのではないか。
昨日の質問で提案されたように、学校給食牛乳パック問題は、大阪府全体の課題となっているわけであるから、牛乳製造・販売事業者において、製品価格への上乗せを押さえつつ紙パックリサイクルを実施させるのであれば、大阪府と市が連携し、補助金でコストの一部を支えるという選択肢もあったのだと、昨日の提案を聞かせていただき、考えた。しかし、市では、そのような検討は行われたのだろうか。
先ほど、スマートライフ推進事業では、「一人ひとりの行動をあと押しすることにつながる」と、食品ロスの問題を、ジブンゴトとして行動すること、市民の意識を高めることの大切さをご答弁されていたが、参画型の牛乳パックリサイクルシステムへの影響等、環境部の説明を伺うと、こうした選択肢となるプランのそれぞれについて、実現可能性の調査や、比較検討をしっかりと行った上で、丁寧な説明をしていただいたようには思えない。丁寧な検討をしないで、丁寧な説明をすることはできないと思う。今後、実施までに、こうしたことをしっかりと丁寧に検討し、議会、市民、牛乳パックの再利用を進める関連団体に丁寧に説明いただくとともに、修正すべきところは修正もした上で、事業を開始いただくよう、お願いをしておく。
▶ 学校給食牛乳パックリサイクル事業について、今回の予算特別委員会で教育委員会に行った質問の内容はこちらから。
▶ 学乳パック(学校給食向け牛乳パック)のリサイクルはとても難しいこと?「できるところから、すこしずつ」の取り組みの検討を。
(4)くすの木園民営化事業経費について
Q.私の質問
次に、くすの木園民営化事業経費について、伺う。
一般会計予算説明書207ページに、くすの木園民営化事業経費 497万5千円が計上されている。
くすの木園の民営化においては、2017(平成29)年度当初から、旧すぎの木園の跡地にくすの木の新園舎を建設する方向で考えておられ、土地については10年間の無償貸付、くすの木新園舎の建設については受託法人が負担、旧すぎの木園舎については市の責任において解体工事を実施し更地の状態で受託法人に引き渡すこととし、今年度までに取り壊し工事も完了されているが、飛散性アスベストの撤去にかかる対応も要することとなり、解体・撤去費用の負担は大きかったようである。
また、2017(平成29)年度当初の募集要項においては、くすの木新園舎の建設に加え、くすの木の現行園舎の解体も受託法人が行うこととしていたところ、法人側の負担が大きく、応募がなかったことから、市の負担でくすの木現行園舎の解体・撤去を実施する旨、募集要項を変更した結果、引継ぎ法人が決定し、現在、運営いただいているとのことであった。
そのくすの木現行園舎の取り壊しに係る予算として、冒頭で申し上げた予算と同じ内容が2021(令和3)年度にも計上されていたが、2022(令和4)年度にも改めて計上されているのはなぜか、伺う。
A.障害福祉担当課長の答弁
旧市立くすの木園については、2020(令和2)年4月に民営化を実施、ひらかたくすの木として現行園舎で活動しながら、現運営法人が旧すぎの木園跡地に新園舎を建設し、新園舎への移転後にくすの木現行園舎を取り壊す予定で、今年度に旧園舎解体撤去等建設委託料を計上していた。しかしながら、新園舎建設に向けての手続きについて、新型コロナウイルス感染症の影響などにより、2022(令和4)年3月末までの竣工が難しく、建設が2022(令和4)年度になることから、取り壊しについても先送りとなり、当該委託料については、2021(令和3)年度分については減額補正の上、2022(令和4)年度に改めて計上したものである。
O.私の意見・指摘
新型コロナウイルス感染症の影響等により、新園舎建設が延期となったため、旧園舎解体撤去等設計委託料が改めて計上されたということである。ひらかたくすの木の新園舎の建設は、2022(令和4)年度中の竣工に向けて、現運営法人において進めておられるとのことであるが、早期に皆さんが新しい園舎に移ることができるよう、そして、A日程でも、公共施設の廃止は、跡地利用の明確化、もしくは解体まで実施して事業の完了とすべき、と申し上げているが、市の責任において、適切な管理のもとで、くすの木現行園舎の解体・撤去を実施されるよう要望しておく。
▶ 2021(令和3)年度予算 予算特別委員会における「公立保育所民営化事業経費について」の質問
公共施設の廃止の決定を決定する場合は、跡地活用の明確化し、使用予定がない施設については解体まで実施して事業の完了とする。つまり、解体財源の確保を必須とし、解体資金の計画的確保を行っていくべきではないかと意見。