9月定例月議会も、10月13日の最終日を残すだけになりました。しかし、提案が予定されている補正予算案について、いろいろと問題が明らかになってきています。
枚方市議会議員の奥野みかです。
枚方市の補正予算案は、
「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援経費_子育て世帯へのデジタルギフトカード配付事業費_委託料 7億円」(「枚方市議会定例会議案書(令和4年9月定例月議会)(追加③)」より以下を抜粋)ですが、大阪府事業での問題提起もあり、「デジタル」を外した「子育て世帯へのギフトカード配付事業費」に変更しようか検討中のようです。(※現時点では、議案書は変更されていません。)
しかし、全額委託料で執行するのは適切なのか??という質問を行いたいと考えています。
さて、10月に入り、枚方市役所別館北側通用口の花壇はハローウィン仕様になっています。いつも素敵な花壇をつくっていただき、ありがとうございます。
▶ 18歳以下へ1万円のギフト券、利用率わからず 理由は「企業秘密」 (2022年10月5日、朝日新聞)
「大阪府が18歳以下の子ども約130万人を対象に、1人1万円のデジタルギフト券を配る事業について、府側が実際の利用率を把握できないことがわかった。ギフト券の調達と発送を担う事業者の「企業秘密」であるため」 という衝撃的なニュースがありました。
この記事の前日の10月4日に、枚方市は大阪府と同じスキームで「子育て世帯へのデジタルギフトカード配付事業費/物価高騰による影響を受けている子育て世帯に対する支援として、18歳以下の子ども1人当たり1万円のデジタルギフトカードを支給するための経費」として、委託料7億円を補正予算として13日に提案することを考えている、との議案説明を受けていました。財源は、大阪府の時とは少し名称が変わって、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金における「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金」を予定。少なくとも、大阪府等の後追いで事業構築する枚方市は、すでに明らかになっている課題への対策を準備した上で、どのように実施するのか(しないのか)を検討することが求められると思います。大阪府等で問題になったことは、契約締結の際にクリアできるようにしないといけないであろうと、問題提起をしていました。
大阪府のQUOカードPayのスキームでは、QRコードが届いてダウンロードしてもらうけれども、ダウンロードされなかった分は事業者に収入されるようです。ダウンロードされた上で使いきれなかった残額が事業者に収入される(利益となる)のはまだ理解できるかなと思うのですが、QRコード紙を紛失してしまった方とか、期限が切れてしまった方などダウンロードされずに使われなかった金額、つまり、未ダウンロード分は返還されるべきではないか、税の使途として不適切ではないか、との指摘もあるようです。
▶ 子ども支援で府が配布、電子マネー1万円に「使い勝手悪い」苦情80件超 (2022年10月6日、読売新聞)
契約では、3年の期限内に使われなかった電子マネーは発行元の利益になるようですが、5日に開かれた大阪府議会本会議でこれまでの利用実績についての質問に対して、「(発行元から)企業秘密にあたるので提供できないと回答された」と大阪府は答弁されたようです。これでは、事業の評価もできないとの指摘を受けています。
それにしても、この決算特別委員会で、A日程では、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」の公表漏れ(内閣府地方創生推進室からの通知ですが、これも市民への説明責任の問題です )、また、B日程では寄附金を財源とする「新型コロナウイルス感染症対策応援基金」の使途(不適切な執行)や、寄附者の思いなどを踏まえた説明責任の問題を続けて指摘してきたので…、何だか因果⁉を感じているところです。
▶ 大阪府子ども教育・生活支援事業(子どもギフトカード事業)
対象者は「基準日(2022(令和4)年6月30日)時点で、大阪府内市町村に住民登録している2023(令和5)年4月1日時点で18歳以下の子 」と規定されていますが、市の答弁では、特に基準日は示されず、また、「2023(令和5)年3月31日時点で18歳以下の子 」となっていたので、微妙に大阪府とは異なるようです。また、大阪府は「基準日(6月30日時点)時点にお住まいの住民基本台帳に登録の住所に、対象者あて簡易書留にて郵送」とされています。
「配付させていただいたQRコードの読み取りがされなかった場合であるとか、郵送戻りになった場合に、そのまま事業者の利益になってしまうこと、どのくらいの方が、読み取りをされたのかについて確認ができないといったことなど、そういった課題が議案提出後に把握できた」ため、枚方市の実施手法は「デジタルではなくギフトカードによる現物給付に見直しをした」ということについて、市は大阪府に伝えているのか、また、確認しておきたいと思っています。