9月23日、9月定例月議会の第6日目が終わりました。新型コロナウイルス感染症対策(第8弾)を含む一般会計補正予算等の追加議案の審議が行われました。

2020/09/23

9月定例月議会第6日目は、9月23日(水曜日)10時から始まり、報告案件1件、議案2件(補正予算案件1件、その他案件1件)の審議が行われ、すべて原案可決となりました。

さて、新型コロナウイルス感染症対策(第8弾)を含む「令和2年度大阪府枚方市一般会計補正予算(第10号)」が可決され、史上最大であった令和2年度一般会計当初予算 1,508億円に対するこれまでの補正増額の合計は 497.7億円となり、今回補正後の一般会計の額は 2,005.7億円となっています。

なお、決算特別委員会は、9月30日、10月1日、5日、6日、8日の5日間、10月12日が9月定例月議会の最終日の予定です。

9月23日の付議事件議決の結果一覧は次のとおりです。
「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う地方財政の急激な変化に対し地方税財源の確保を求める意見書」、「防災・減災・国土強靱化対策の継続、拡充を求める意見書」、「ドクターヘリの安定的かつ持続的な運用への支援強化を求める意見書」、「コンビニ交付サービスを活用した罹災証明書の交付等を求める意見書」、「新しい生活様式を踏まえた少人数学級編制の実現を求める意見書」、「地方自治体のデジタル化の着実な推進を求める意見書」の6件の意見書も採択されました。なお、連合市民の会として、「医療機関に対する財政支援の強化を求める意見書」にも賛成しましたが、結果は否決となりました。

付議事件議決結果一覧
(※クリックするとPDFファイルが開きます。)

 

 


◇付議事件(9月23日)の概要について

報告1件

報告第22号 専決事項の報告について(損害賠償の額を定めることについて、専決第6~8号:物損事故)

議案(補正予算)1件

▪議案第77号 令和2年度大阪府枚方市一般会計補正予算(第10号)
→補正額 73,134千円(新型コロナウイルス感染症対策第8弾 63,242千円含む。)

議案(その他)1件

▪議案第78号 財産(サーマルカメラ)の取得について
→[取得物件]サーマルカメラ95台、[契約先]㈱レッツ・コーポレーション、[取得金額]3,728,340円、[用途]避難所等における感染防止対策用

 


 

報告案件での議案質疑

【内容】本市が管理する藤阪天神町宮前緑地内の松の木が立枯れにより倒木した際、隣地に設置されていた法人所有のネットフェンス、駐車していた車両(2台)が損傷した事故。

【議員からの質問】は次のとおり。
・倒木には人命に対するリスクもある。同じことが起こらないようチェックの徹底を。そのための専門人材の育成を。

【市の答弁】としては次のとおり。
・緑地管理は公園管理の一環として行い、目視で確認していた、松枯れについては一定把握していたが、さらなる把握と、伐採などの対応を行っていく。

 


その他案件での議案質疑

◇財産(サーマルカメラ)の取得について

【議員からの質問】は次のとおり。
・約2,700万円の予算であったが、約370万円で入札。市立ひらかた病院では、1台71万円台で随意契約で購入している。納品の詳細について。

【市の答弁】としては次のとおり。
・ハンディ型92台×@33,572円、タレット型3台一式639,716円の合計で3,728,340円。代理店なので低価格での入札可。予算編成時よりも参入事業者も増えている。
・避難所の災害防止用の機器なので、平時からの動作確認を行う。点検を兼ねて小・中学校での日常使用を行う等、有効利用する。

 


補正予算案件での議案質疑

全国的に新型コロナウイルス感染症の感染が広がるなか、市民や事業者に新しい生活様式の定着に向けた取り組みをお願いするとともに、外出自粛が行われても、子どもたちの学習が継続できる環境づくりや感染拡大防止を図るための備品や消耗品の備蓄、市庁舎のオンライン環境の整備などに取り組んできていますが、この間、大阪府において新規陽性者数が減少傾向にあるものの、市内では集団感染発生の報告もありました。引き続き、社会機能の維持や経済的課題の克服、生活支援が維持できるための環境づくりに向け、スピード感を持って進め、新型コロナウイルスに負けないまちづくりに全力で取り組む必要があります。

このような考えのもと、新型コロナウイルス感染者等の在宅療養の支援策としての配食サービス等の実施など、新型コロナウイルス感染症対策(第8弾)として9月定例月議会に追加で計上された補正予算額は 63,242千円、市負担額は 59,164千円となります。そして、新型コロナウイルス感染症対策(第1弾から第8弾まで)の市負担額の合計は52億1千万円となります。この市負担総額に対しては、国からの新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金(第1次交付額 10億1千万円)が充当される予定です。

新型コロナウイルス感染症対策(第8弾)も含む、議案第77号「令和2年度大阪府枚方市一般会計補正予算(第10号)」(補正予算額 73,134千円)については、多くの議員から質問がありました。

以下に議案第77号の主な事業の内容(新型コロナウイルス感染症対策の第8弾は【☆】印)と質疑内容の一部を掲載します。

◇在宅高齢者等緊急対応事業費【☆】

【内容】在宅高齢者・在宅障害者が、新型コロナウイルス感染症にかかった家族の生活支援に代わり、訪問介護・ショートステイのサービスを利用する際に、通常の報酬とは別に市独自の上乗せ分を事業者に補助する。[予算額:2,184千円(市)

◇在宅療養者緊急対応事業費【☆】

【内容】新型コロナウイルス感染症による在宅療養者や保健所が特定した濃厚接触者に対し、配色サービスや衛生用品等の支援を行う。陽性者については、府10/10。[予算額:51,918千円(府 3,578千円・)]

◇販路拡大支援事業費【☆】

【内容】本市において個店をとりまとめた地域密着型活動の実績を有する団体が行う、デリバリー事業及び加盟店を増加させる取り組みに対し補助する[予算額:8,640 640千円(市)

【議員からの質問】は次のとおり。
・5から7月にかけて取り組んだデリバリー支援事業は1,750万円の減額補正(手数料等が負担となり、約40%の執行率)を行っているが、事業の検証について。
・今回のデリバリー事業(販路拡大支援事業)の目的と事業の概要、補助対象経費について。
・市民の税を投入してデリバリーサービス業者を育成する必要があるのか。誰のために必要なのか。
・大手デリバリー事業者に比べ、手数料が低いとのことであるが、雇用は守られるのか。支援事業のあとも事業が継続できるのか。市の都合のいいデリバリー事業者を立ち上げることになるが、その後、持続可能なのか。

【市の答弁】としては次のとおり。
・5から7月にかけて取り組んだデリバリー支援事業においては個店の負担が大きく、結果として個店の参加が少ないという状況であった。前回の取り組みを検証し、地域経済団体からの要望等も踏まえ、デリバリーサービスを展開する団体の育成支援事業として実施。
・市が負担する店舗向けサービス利用支援は約151万円、本事業期間中に、新たにデリバリーに参加した市内事業者は35店舗。市⺠向けポイント付与支援は約1,040万円。参加店舗の多くはフランチャイズやチェーン店で、個店では手数料等の負担が大きいなどの意見。
・補助期間中は店舗が負担するサービス利用料(手数料)の全額を市が負担。PR活動費等も補助対象経費。SNSなど、さまざまなチャンネルを活用してPRに取り組む。
・地域で既に立ち上げている団体のみならず、デリバリー事業者は広く募集する。
・コロナ対策実施店舗応援事業で発行する「枚方市コロナ対策応援クーポン券」の利用促進にもつなげたい。

奥野の意見

大手デリバリー事業者に比べて安い手数料でデリバリーサービスを展開する団体の育成支援が目的の補助金約 860万円で、補助対象経費は、デリバリーサービスを利用する市内店舗の手数料やPR活動費等とのことです。質疑を行った議員の意見にもありましたが、誰のために必要な事業なのか、わかりにくい事業です。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で厳しい経営を余儀なくされている個店の販路拡大などの支援につながったのかについては、デリバリー事業者の手数料支援の実績で検証していくのかと思われますが、そもそも手数料が低価格であれば、個店にとっては負担軽減の効果が少ないのかなと思われます。
また、コロナ対策実施店舗に対する市民のクーポン券利用促進にもつなげたいとのことですが、デリバリー事業者がコロナ対策実施店舗になれるのかなと思われますので、市民から預かったクーポン券を改めて店舗に届けるのだろうかと運用にも疑問が残ります。クーポン券が「有価証券」のように運用されないかとヒヤヒヤします。
行財政改革で補助金の見直しを行っている流れの中では、期間限定の補助事業になると思われますが、費用対効果をどのように検証できるか、しっかりと確認していきたいと思っています。

◇コロナ対策実施店舗応援事業【☆】

【内容】本市内の個店に対しガイドラインに沿った感染症対策の実施、販路拡大に向けた取り組みや国等の補助制度の決用への支援を強化するため、既実施事業の枠を拡大し新たに訪問によるコンサルティングなどを行う。[現計予算で対応(市)

奥野の意見

「現計予算で対応」として示された事業なので、補正予算案件の議案審議を行うことはできませんでしたが、実行委員会に負担金として支出する15.6億円の範囲内で実行委員会に実施してもらう事業の提案となっています。「実行委員会の予算執行の中で委託費用が予算を大幅に下回ったので、負担金の範囲内で実行委員会が新たな事業を行うような話も出ている。」と危惧した事業です。主体が市なのか、実行委員会なのか、よくわからない部分もありますが、市が実行委員会に実施してもらう事業をどのように取り決め、今回の変更をどのように反映させているのか、内部統制の観点から、確認が必要ではないかと思っています。

9月15日の一般質問について「15.6億円のコロナ対策実施店舗応援事業の業務執行体制を問う。枚方市新型コロナウイルス感染症対策事業者支援実行委員会について質問しました。」(※クリックするとリンクします。)

感染症対策にお困りの事業者へ市がアドバイスを行います!(市長メッセージ)【9月23日】

◇子どもの見守り家庭訪問事業経費【☆】

【内容】子どもの見守りや支援が必要な家庭を訪問し、衛生状態・健康状態を確認するとともに、必要に応じた物品(除菌シート、米、ミルク等)を支給する。[予算額:500千円(指定寄附金)]

 


 

議案第77号 令和2年度大阪府枚方市一般会計補正予算(第10号)
(歳入歳出補正額 73,134千円、補正後の額 200,574,589千円
 ↓
※令和2年度当初予算は150,800,000千円なので、ここまでで49,774,589千円の補正増額になります。

新型コロナウイルス感染症に係る追加対策や指定寄附に係る経費の補正を行うもの。

【歳入】(※主なもの)
新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金 3,578千円(←新型コロナウイルス感染症患者のうち、在宅療養者ヘの支援に対する府補助金)
指定寄附金(障害者福祉、ひとり暮らし高齢者、子どもの貧困のための寄附金) 27,892千円、
財政調整基金繰入金 41,664千円(財源調整分)

【歳出】(※主なもの) アンダーラインは新型コロナウイルス感染症対策(第7弾)関連】
▪在宅高齢者緊急対応事業費 1,092千円【補】
▪在宅障害者緊急対応事業費 1,092千円【補】
▪在宅療養者緊急対応事業費 51,918千円【消・委】(←府財源 3,578千円)
▪デリバリー支援事業費 ▲17,500千円【委】(4月補正で可決したデリバリー事業終了に伴う予算減額)、

▪販路拡大支援事業費 8,640千円【補】、

▪子どもの見守り家庭訪問事業経費 500千円(←指定寄附金財源 500千円)【消】
▪福祉基金積立金 1,980千円)【積】、地域福祉推進基金積立金 25,412千円)【積】(←指定寄附金 27,392千円を今後の事業の財源として基金に積み立てる。)

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