無償配布も実施する「プレミアム付き商品券事業」について、個人情報の保護の観点から議案質疑を行いましたので、情報公開・個人情報保護審議会を追いかけています。

2021/07/13

枚方市議会議員の奥野みかです。

6月定例月議会の最終日(6月25日)、追加議案として提出された一般会計補正予算の案件の中で、私は「プレミアム付き商品券事業」について質問しました。

「プレミアム付き商品券事業」は、補正予算額 7億 4,250万円を計上し、新型コロナウイルス感染症により影響等を受けている市内店舗への支援、地域の消費喚起としてプレミアム付商品券を発行し、また、生活困窮者への支援として、非課税世帯等に対しては、同商品券を無償配布すると説明されていますが、私の方からは、無償配布の対象者の基準や把握方法、その対象者に対するアプローチの方法等について確認し、個人情報の保護の観点から当該事業に含まれるリスクについて指摘しました。

市は、「前回のクーポン券事業と同様、実行委員会事務局は、本市の商工振興課内に設置することなど、コンプライアンスの観点から問題はないと判断している。事業実施にあたっては、市と同等のセキュリティポリシー等を適用していくこととしており、適切に執行していく。」と答弁され、特に事業スキームの見直しには言及されていませんでしたが、
私としては、「実行委員会が担うことができるのは、商品券の発行と運用である、そして枚方市が担うべきが、無償配布の対象となる対象者の選定と引換券の発行及び送付である。このような役割分担を、まずは明確にしておかなければならないのではないかと考える。」と指摘し、
さらに、「この後、枚方市情報公開・個人情報保護審議会への諮問も行われるとのことであるが、送付対象者を抽出した名簿は市でなければ把握できない、非常にセンシティブな情報である。なぜ、そのようなセンシティブな情報を外部に提供してまで実行委員会から引換券を送付しなければならないのか、私には理解することができない。」と意見をしました。

この事業スキームの中で、外部提供が想定されるセンシティブな情報というのは、「住民税非課税世帯」及び「コロナ禍を受けた生活困窮世帯」の情報(対象者名簿)です。すなわち、世帯の住民税非課税情報であったり、児童扶養手当の受給やひとり親家庭医療費の助成の世帯情報であったり、住居確保給付金の受給情報であったり、就学援助の受給情報であったり、現在、社会福祉協議会で対応いただいている緊急小口資金等の貸付に関する情報であったりするわけです。そんな、市役所だからこそ把握することができる個人に関する情報を外部(実行委員会)に提供することのリスクをキチンと評価しなければならないと思います。

そこで、私は、「対象者を抽出した名簿という非常にセンシティブな情報が外部に提供されることで、個人情報の流出の危険性が拡大するリスクも避けられないと思う。せめて、宛名ラベルの作成までは市が責任をもって行い、封入封緘・発送業務を実行委員会が委ねるという業務の切り分けが必要ではないか。」と具体的な問題点についての指摘も行いました。それゆえ、市が情報公開・個人情報保護審議会にどのように諮問し、審議会はどのように審議されるのかについても、とても気になっているところです。

枚方市情報公開・個人情報保護審議会
(※クリックすると、市のホームページにリンクします。)

枚方市情報公開・個人情報保護審議会は、現在、13人の市民および学識経験者の委員で構成され、枚方市附属機関条例の規定により、「枚方市個人情報保護条例の規定によりその権限に属させられた事項」、「情報公開制度および個人情報保護制度の運営に関する重要事項」について調査審議し、実施機関に意見を述べることができます。
定例として、1年度に4回(5月、8月、11月、2月)開催しています。

 

2021年7月9日、「令和3(2021)年度 第1回 枚方市情報公開・個人情報保護審議会」が開催されました。同じ時刻、市議会の全員協議会が開催されていましたので、傍聴には行けませんでしたが、資料を確認させていただいたところ、「プレミアム付き商品券事業」については、以下の2件の諮問が行われていました。

◆ 諮問第634号「ひらかたコロナウイルス感染症対策店応援プレミアム付商品券事業に係る保有個人情報の外部提供について」
◆ 諮問第635号「ひらかたコロナウイルス感染症対策店応援プレミアム付商品券事業に係る個人情報の本人又はその法定代理人以外のものからの収集について」

しかし、7月9日は、生活困窮世帯等の抽出についての諮問はありませんでした。「引換券については、実行委員会から郵送で各世帯にお届けする予定である。生活困窮世帯等の抽出については、枚方市情報公開・個人情報保護審議会に諮ったうえで、枚方市において対象者を抽出する。」と市は答弁されていますので、担当部署に確認しましたが、理解できる説明はいただけませんでした。引き続き、確認して、報告させていただきます。

※第1回 枚方市情報公開・個人情報保護審議会 諮問書(資料)はこちらから。

 


 

6月25日の質疑のやりとりを以下に記しています。
↓↓
一般会計補正予算(第4号)「プレミアム商品券事業について」(議案質疑)
(※クリックすると質疑のやりとりにリンクします。)

6月定例月議会の最終日の報告です。補正予算案件等の中で、プレミアム付き商品券事業について質問しています。

 


 

◇プレミアム付き商品券事業費

【内容】新型コロナウイルス感染症により影響等を受けている市内店舗への支援、地域の消費喚起としてプレミアム付商品券を発行するための経費。生活困窮者への支援として、非課税世帯等に対しては、同商品券を無償配布する。[予算額:742,500千円市)

【他の議員からの質問】は次のとおり。
・プレミアム商品券事業の今後のスケジュールについて。
・昨年度のクーポン券事業の課題をどのように反映させているのか。
・商品券の引換場所が市内6か所では少ないのではないか。増設についての考え方。
・無償配布の対象者について。
・無償配布の住民税非課税世帯等、世帯単位で実施することの課題認識について。これまでの特例給付金などでもDV相談者への個別対応があった。

【市の答弁】としては次のとおり。
・ 8月末に市内在住者全員に抽選応募用のIDナンバーを郵送。住民税非課税世帯等には引換券を送付。 9月~抽選申込を受け付け、 10月~当選通知、販売および引換え開始。 10月9日~1月10日(約3か月間)を使用期間とする予定。
・商品券の発行は40万冊(3,000円×400,000冊=12億円)で、住民税非課税世帯等には143,000冊、一般販売(抽選)は257,000冊(128,500セット)。
・小規模店舗での使用が約16%と少なかったことから、今回は1冊3,000円分(500円×6枚)の商品券の1,000円分は小規模店のみで使えるように限定する予定。
・取扱店舗は、府の「感染防止宣言ステッカー」、またはひらしんの「新型コロナ対策安心宣言ステッカー」を導入している2,000店舗を予定。
・販売か所数(6か所予定)の増設については、実行委員会でも検討する。
・実行委員会は、北大阪商工会議所、枚方信用金庫、枚方市商業連盟、そして枚方市の4者を予定し、事務局は商工振興課内とする。
・無償配布は、住民税非課税世帯、緊急小口資金の対象者、就学援助世帯における特別事情世帯、住居確保給付金、ひとり親家庭医療費助成世帯及びその他の家計急変世帯とする。その他の家計急変世帯は、2022年度の住民税非課税相当の世帯とする。(福祉事務所で受付を行う)
・DV相談者への対応等、情報公開・個人情報保護審議会への諮問も踏まえ、個別対応も含め、検討する。


(※補正予算案件の説明資料として市が示した資料)

※議案第23号に対する私の質疑のやりとりは次のとおりです。

Q.私の質問
一般会計補正予算(第4号)のうち、「負担金」7億4,250万円を計上されている「プレミアム付商品券事業費」について、私の方からも伺う。
「プレミアム付き商品券」の無償配布の対象となる「住民税非課税世帯」及び「コロナ禍を受けた生活困窮世帯」について、もう少し詳しく教えていただきたい。
まず、支給対象となる「住民税非課税世帯」は約131,000人(約54,000世帯)、そして、「コロナ禍を受けた生活困窮世帯」、すなわち「家計急変者等」は約12,000人で、対象者は合計で約143,000人、市全体の約3分の1強の市民が無償配布の対象となる見込みのようである。
支給対象となる条件は、「住民税非課税世帯」に属する者の他、「緊急小口資金」「就学援助世帯における特別事情世帯」「住居確保給付金」「ひとり親家庭医療費助成世帯」「その他の家計急変世帯」に属する者であるとのご答弁もあったが、それぞれ、支給対象者の基準その具体的な把握方法について、伺う。

A.観光にぎわい部長の答弁
はじめに、対象者の基準について、2021年住民税非課税世帯及び、住民税非課税世帯には該当しないものの、新型コロナウイルス感染症の影響により、収入が著しく減収した市民を対象とする。
具体には、緊急小口資金を受給されている方、収入が著しく減収したことにより特別な事情として就学援助の対象となっている方、離職等により経済的に困窮し「住居確保給付金」の対象となっている方、また、家計が急変し、収入が児童扶養手当またはひとり親家庭医療費を受給している方と同じ水準になっている方を対象とする予定である。

次に、把握方法については、それぞれの給付金事業等を担当している部署と連携して対応することを予定している。

Q.私の質問
それぞれ、支給対象者の基準と把握方法については、「それぞれの事業等を担当している部署と連携して対応される予定」とのご答弁であるが、対象者を抽出して、対象者の名簿を作成していくことが本事業の最も鍵となる部分ある。
ただいまのご答弁の中では説明がなかったが、「その他の家計急変世帯」の基準が最もわかりにくく、これまでの答弁では、2022年度住民税非課税該当の世帯を想定というご説明もあった。他の制度では、簡易申告を受けて家計の急変を判断するケースもあるようだが、どのような申請を受け、誰が判断していくのか、税負担の妥当性や公正性の観点からの意見に対しても説明できるのか等、税担当部署と事前の協議はできているのか。
本事業については、より迅速で効果的な事業を実現できるとの考えから、実行委員会による事業実施を行うとのご答弁もあった。ヒアリングの際にも、未決定部分は実行委員会で審議していくとのご説明もあったが、実行委員会で審議する前に、まずは、しっかりと庁内協議を行うことが必要ではないか。
税の担当部署をはじめ、福祉事務所等、それぞれの担当部署としっかり協議いただくことをお願いしておく。

次に、引換券の発行主体について、伺う。
また、 無償配布のそれぞれの対象者に対して、どのように引換券をお渡しすることになるのか、 郵送するのか、直接配布となるのか、もし、郵送するであれば、対象者の抽出方法と宛名ラベルの作成、封筒の差出人は誰になるのか、伺う。
さらに、販売場所は6か所程度を予定されているとのことであるが、引換券を交換する際の手続きについて、伺う

A.観光にぎわい部長の答弁
まず、一点目の引換券の発行主体について、発行主体は、北大阪商工会議所、枚方信用金庫、枚方市商業連盟と本市の4者で構成する実行委員会である。
次に、引換券については、実行委員会から郵送で各世帯にお届けする予定である。生活困窮世帯等の抽出については、枚方市情報公開・個人情報保護審議会に諮ったうえで、枚方市において対象者を抽出する。
なお、緊急小口資金の受給者、収入が著しく減収したことにより特別な事情として就学援助の対象となっている方、離職等により経済的に困窮し「住居確保給付金」の対象となっている方、また、家計が急変し、収入が児童扶養手当またはひとり親家庭医療費を受給している方と同じ水準になっている方については、基準日を設けたうえで、該当する全世帯に、商品券の引換券を送付することとしている。また、対象者以外の方で、現在の収入状況が続けば、2022年に住民税非課税に該当する見込みの方については、申請をいただいたら、内容審査後、引換券を交付することとしている。
次に、郵送時に使用する宛名ラベルの作成等の事務作業は、昨年度のクーポン券事業と同様に実行委員会が委託する事業者が行い、封筒やはがきなどの差出人についても実行委員会名を予定している。
最後に、引換券を交換する際の手続きについては、実行委員会が指定した販売場所に引換券をご持参いただき、商品券をお渡しする予定である。

Q.私の質問及び意見
郵送時に使用する宛名ラベルの作成等の事務作業は、昨年度のクーポン券事業と同様に実行委員会が委託する事業者が行い、封筒やはがきなどの差出人についても実行委員会名を予定しているとのご答弁である。
私は、昨年度、実施された「コロナ対策実施店舗応援事業」について、実行委員会方式の採用等について、内部統制やコンプライアンスの観点から質問を行った。この事業の検証については別の機会に行いたいと考えているが、昨年度にはなかった問題が、いま浮上していると感じている。昨年度も実行委員会が差出人の封筒で送付されているが、送付対象は全世帯であった。
しかしながら、本事業の現在の予定では、市が抽出した特定の対象者の名簿に基づき、実行委員会が宛名ラベルの作成等の事務作業を行い、実行委員会が差出人の封筒で、特定の対象者に引換券を郵送するということである。
行政にしか取り扱えない情報の管理について配慮いただきたいことは、これまでの議員からの指摘もあったが、生活状況等に関わる非常にセンシティブな情報を実行委員会に提供されることを予定されておられるわけである。
「プレミアム付き商品券」の無償配布の対象となるのは、「住民税非課税世帯」及び「コロナ禍を受けた生活困窮世帯」であるという事業の説明も広報されていくと思うが、引換券を受け取った市民は、住民税非課税であるとか、緊急小口資金の受給者であるとか、就学援助や児童扶養手当等の対象者であるとか、住居確保給付金の対象者であるとか等、なぜ、自分にかかわる個人情報を、北大阪商工会議所、枚方信用金庫、枚方市商業連盟、そして枚方市の4者からなる実行委員会が把握しているのだろうかと心配になられるのではないか。

実行委員会が担うことができるのは、商品券の発行と運用、そして枚方市が担うべきが、無償配布の対象となる対象者の選定と引換券の発行及び送付である。このような役割分担を、まずは明確にしておかなければならないのではないかと考える。

この後、枚方市情報公開・個人情報保護審議会への諮問も行われるとのことであるが、送付対象者を抽出した名簿は市でなければ把握できない、非常にセンシティブな情報である。なぜ、そのようなセンシティブな情報を外部に提供してまで実行委員会から引換券を送付しなければならないのか、私には理解することができない。対象者を抽出した名簿という非常にセンシティブな情報が外部に提供されることで、個人情報の流出の危険性が拡大するリスクも避けられないと思う。せめて、宛名ラベルの作成までは市が責任をもって行い、封入封緘・発送業務を実行委員会が委ねるという業務の切り分けが必要ではないか。
その場合、封入封緘業務を実行委員会に委ねても、引換券の発行主体、発送者(封筒の差出人)は「枚方市」となる。なぜ、そうした事業スキームとしないのか、その理由を伺う。
そうした業務分担とすることを強く求めるが、その場合、全額負担金で計上されている予算は組み替えていただく必要があると思う。適切な予算執行を行っていただくことをあわせて指摘しておく。
また、ヒアリングの際には、無償配布の対象者が引換券を交換する際に身分証明証の提示を求めていくというご説明もあったが、この点についても、個人情報の流出のリスクを踏まえた再考をお願いしておく。

A.観光にぎわい部長の答弁
前回のクーポン券事業と同様、実行委員会事務局は、本市の商工振興課内に設置することなど、コンプライアンスの観点から問題はないと判断している。
事業実施にあたっては、市と同等のセキュリティポリシー等を適用していくこととしており、適切に執行していく。

【奥野の意見】

令和元年度に実施された「プレミアム付商品券事業」について、昨年10月の決算特別委員会で質問し、昨年度実施のクーポン券事業(コロナ対策実施店舗応援事業)との比較を行っています。

昨年9月の定例月議会では、市内事業者の感染症対策の促進を目的とする総事業費15.6億円の「コロナ対策実施店舗応援事業」を実施するために設置した実行委員会の内容について、内部統制、コンプライアンスの観点から質問を行っています。

昨年8月の緊急議会の後、「コロナ対策」と銘打てば何でもありのような事業の進め方ではなく、今後はしっかりとした事業設計をして議会に提案し、丁寧な審議を行っていただくよう求めたものです。

 

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