高度な機能を集積させた防災公園は市役所新庁舎に隣接して整備を。大規模災害に備えるということについて、質問しました。6月定例月議会、一般質問の報告①です。

2024/06/24

枚方市議会議員の奥野みかです。

私は、自治体行政が果たすべき役割は、地域住民が安全安心に暮らせるようにすることだと考えています。

そこで、今回の一般質問においては、これから増えそうで心配な困りごと、すぐ先の未来に市民が直面するであろう課題を取り上げ、それぞれの課題について、いま、市はどのように想定し(未来予測をして)、どのように備えているのか(具体的な取り組み等)を質していきました。

質問項目は以下の4項目です。

1.大規模災害に備えるということについて
2.頼れる身寄りがない方の死後事務支援について
3.困難な状況にある妊産婦の支援について
4.外国ルーツの子どもに対する就学保障、学習保障について

 


 

最初に、「1.大規模災害に備えるということについて」の報告です。

2018年6月18日に発生した大阪北部地震から6年になります。被災自治体として災害対応にあたってきた中での課題認識や教訓、また、今年1月1日の能登半島地震では、被災地に職員を派遣されて得た経験や知見の蓄積など、いま、それらの経験や知見を集め、可能な限りの想定を行い、市民の命を守るために最善を尽くすのが自治体の最大の使命ではないかと思っています。

近い将来、確実にやってくると予測されている南海・東南海トラフ地震や、近年頻発するゲリラ豪雨等の大規模災害に備えることは、本市の最優先課題であり、中心市街地にいまなお残されている旧枚方市市民会館大ホール棟などの老朽化公共建築物の解体・撤去は一刻を争いますが、現在、枚方市駅周辺再整備において拡張を検討されている公園・広場には、大規模災害の発生時に、帰宅困難者や広域からの一時避難者にも対応できる、高度な機能を集積させた「防災公園」としての役割が求められるのではないかと質問しました。

市は、「地震や大規模な火災等の災害が起こった際に、来街者や近隣の居住者の一時避難場所などの役割も担えるよう、今後、防災・減災機能の確保を検討していく」とのお答えでしたが、整備が必要な機能についての想定はまだまだ不十分であると考えます。

枚方市駅周辺再整備において拡張を検討されている公園・広場には、高度な機能を集積させた「防災公園」を確保し、その公園と連携する災害対策の拠点となる市役所新庁舎、防災関連の諸機能をバックアップできる複合施設を、「防災公園」に隣接させて整備することが、市にとっても、市民にとっても有効であると考えます。貴重な市の財産を売却して民間に開発を委ね、タワーマンションや商業施設などの複合施設を建てさせている場合ではありません。いまこそ、防災公園街区整備事業を活用して実施した中部拠点整備事業の経験を生かし、枚方市駅周辺再整備基本計画を適切に見直すべきであると強く求めました。

 


 

以下、6月24日の一般質問でのやりとりを掲載します。

1.大規模災害に備えるということについて

Q.私の質問

近い将来、確実にやってくると予測されている南海・東南海トラフ地震や、近年頻発するゲリラ豪雨等の大規模災害に備えることが、本市の最優先課題であることは言うまでもない。
そこで、枚方市駅周辺再整備事業によって拡大整備しようとしている枚方市駅に近接する公園・広場には、大規模災害発生時にどのような対応が求められ、どのような課題があると市は想定しているのか、伺う。
また、そのために、どのような機能を整備しなければならないと考えているかについても伺う。

A.新内危機管理部長の答弁

枚方市駅周辺などの都市部で地震などの大規模災害が発生した場合、公園・広場は、来街者や近隣の居住者の一時的な避難場所になると考えており、建物の倒壊や大きな火災から避難できるスペースの確保が必要になってくると考えている。

O.私の意見・要望

地震などの大規模災害が発生した場合、枚方市駅周辺などの都市部の公園・広場に求められる対応や課題は、来街者や近隣の居住者の一時的な避難場所になることで、必要な機能は、建物の倒壊や大きな火災から避難できるスペースの確保、というご答弁であった。
想定にあたっての視野が狭いのではないか。すなわち、大規模災害によって対応を迫られる事態は、広域的に発生するのではないかということである。
具体的には、1つは電車が止まった時に発生する多数の「帰宅困難者」への対応である。次に、広域的な避難、例えば、南海・東南海トラフ地震であれば、津波被害が発生する湾岸や淀川下流地域から避難してくる多数の広域避難者への対応を想定しなければならないのではないか。

Q.私の質問

そこで、枚方市駅に近接する公園・広場について、大規模災害発生時において、多数の避難者を受け入れる避難場所とするために、どのような機能整備が必要であると考えるかについて、伺う。

A.新内危機管理部長の答弁

公園・広場で多数の避難者を受け入れるにあたっては、一定規模の面積に加え、トイレや給水設備等の確保が望ましいと考えているところである。
例えば、本市では火災から、一時的に避難するための場所として、指定している車塚公園に、マンホールトイレや耐震性貯水槽などを備えているところである。

O.私の意見・要望

公園には、災害時の広域的な避難場所や一時的な避難場所としての役割がある。公園・広場に多数の避難者を受け入れるためには、多数のトイレ、給水設備はもちろん、雨をしのげる大屋根、停電時にも対応できる発電機能、多数の人への情報提供機能、そして、飲食の提供機能も必要となる。
車塚の防災公園に整備されている高度な機能については、先の一原議員へのご答弁にもあった。


Q.私の質問

枚方市駅周辺再整備において拡張を考えている公園・広場には、大規模災害の発生時にも対応できる、さらに高度な機能を集積させた「防災公園」としての役割が求められるのではないかと考えるが、市はこの公園を「防災公園」として活用する考えはないのか、伺う。
また、枚方市においては、新火葬場整備等を進めた中部拠点整備事業において「防災公園街区整備事業」を活用した事例がある。その事業手法概要についても伺う。

A.山中市駅周辺まち活性化部長の答弁

枚方市駅周辺再整備においては、ニッペパーク岡東中央を拡大し、『ウォーカブル機能の中心』となるみどりの大空間を創出していく考えである。
この大空間においては、地震や大規模な火災等の災害が起こった際に、来街者や近隣の居住者の一時避難場所などの役割も担えるよう、今後、防災・減災機能の確保を検討していく考えである。
次に、「防災公園街区整備事業」については、災害において脆弱な既成市街地において、地方公共団体からの要請に基づき、UR都市機構において、費用の建替えにより、事業用地を機動的に取得するとともに、防災公園の整備と市街地の整備改善を図るものとなっている。
過去、本市の北片鉾地区でおこなった中部拠点整備事業では、UR都市機構の前身組織である都市整備公団において、大学などの用地を取得し、車塚公園の防災公園としての整備とあわせて、土地区画整理事業及び都市計画道路楠葉中宮線の整備などを実施してきた事例がある。

O.私の意見・要望

市としても、今後、拡大するニッペパーク岡東中央について、防災・減災機能の確保を検討していく考えとのことである。しかし、答弁を聞く限り、整備が必要な機能についての想定がまだまだ不十分ではないかと感じられる。
ご答弁にあったように、本市では、北片鉾地区で行った中部拠点整備事業において、UR都市機構の前身組織である都市整備公団を事業主体とする「防災公園街区整備事業」を活用して、車塚公園の「防災公園」としての整備とあわせ、土地区画整理事業及び都市計画道路の整備などを実施してきている。「安心と輝きの杜」整備事業である。

その際、市は「新火葬場」を建設するとともに、関西外国語大学の建物を改修して、学校と社会における「教育」を支援する「教育委員会事務局」が入る庁舎と、市民の「仕事」「交流」を応援する「地域活性化支援センター」、市民の生涯にわたる「まなび」を支える「生涯学習情報プラザ」、そして、災害に備え、市民の「安心」を守る「防災倉庫・地域防災センター」という複数の機能の複合施設となる「輝きプラザきらら」の整備も行ってきた。そして、関西外国語大学の図書館棟を改修して中央図書館の整備もしてきた。

昨年7月21日開催の枚方市駅周辺再整備に関する市民説明会で、市は「一時避難地の指定は1万㎡を超える公園や広場などを指定するもので、今回、整備するみどりの大空間についても、その指定も視野に入れて考えていく。」と回答されている。是非、是非とも、大規模災害時の緊急避難場所となる「一時避難地」の指定を進めていただきたいと考える。

大規模災害に備えるため、枚方市の中心市街地である④街区において、老朽化した公共建築物の解体・撤去は一刻を争うが、一時的な避難場所のみならず、広域的な避難場所としても対応できる防災拠点となる高度な機能を持つ「防災公園」を確保する必要があり、さらに、その公園と連携する災害対策の拠点となる新庁舎、そして、防災関連の諸機能をバックアップできる複合施設を、「防災公園」に隣接させて整備する必要があると考える。
災害対策基本法に定める指定緊急避難場所である「一時避難地」の指定も検討されている④街区のみどりの大空間に隣接する④街区の市有地、貴重な市の財産を売却して民間に開発を委ね、タワーマンションや商業施設などの複合施設を建てさせている場合ではない。いまこそ、市が、防災公園街区整備事業を活用して実施した中部拠点整備事業の経験を生かし、枚方市駅周辺再整備基本計画を適切に見直すよう強く求めておく。

 

 

 


車塚公園

 

防災公園街区整備事業

【一時避難場所(一時避難地)】

「一時避難場所(いっときひなんばしょ)」は、災害対策基本法に定める指定緊急避難場所で、本市の「一時避難場所(公園)」下記の17か所(「地域防災計画」より抜粋)となります。「防災公園」は、このリストから百済寺跡公園を除いた16か所となっています。

枚方市駅周辺は赤で囲んだ部分になります。「一時避難場所(公園)」は近くにありません。

下表は、「都市公園情報(オープンデータ_20240624ダウンロード分)」からの抜粋です。指定された16か所の「防災公園」の設備等を確認できます。なお、「百済寺跡公園」は、一時避難場所(一時緊急避難地)であるけれども「防災公園」でないのは、史跡公園であるためとの説明がありました。
(※なお、「桑ヶ谷公園」と「香里ケ丘南公園」の不一致の理由、つまり、「香里ケ丘南公園」は「防災公園」であるけれども一時避難場所でないこと、「桑ヶ谷公園」は「防災公園」ではないけれども一時避難場所である不一致の理由については確認中です。)

また、一時避難場所については、収容可能人数の想定は行っておられないようです。(「指定広域避難場所」には収容可能人数が記載されています。)

防災公園整備事業(国土交通省/公園とみどり)

都市の防災機能の向上により安全で安心できる都市づくりを図るため、地震災害時に復旧・復興拠点や復旧のための生活物資等の中継基地等となる防災拠点、周辺地区からの避難者を収容し、市街地火災等から避難者の生命を保護する避難地等として機能する地域防災計画等に位置づけられる都市公園等について緊急的に整備を推進する。
※防災公園の補助対象要件 (地域防災計画等に位置付けられるもの)等が示されています。

防災公園の活用(一般社団法人全日本防災計画協会)

 

防災公園の計画・設計・管理運営ガイドライン(改訂第2版)(2019年8月)

第Ⅳ章 防災公園等の管理運営

(参考1) 防災公園の整備・活用に関する事例集 
(参考2) 防災公園等の整備に関する支援措置
(参考3) 身近な公園 防災使いこなしブック(2017年2月)

 

 


 

▶ 大規模災害に備えることが最優先課題。まずは暮らしの安全・安心。これまでの議会での主張等をコンパクトにまとめた「私の対案」を掲載しています。

 

▶ 枚方市駅周辺再整備における取り組み状況について、2月21日、全員協議会が開催されました。老朽公共施設の更新は待ったなし。大規模災害に備えるということが本市の最優先課題であり、その対応拠点となる新庁舎は、防災拠点機能を持つ④街区の広大な公園・広場と隣接して整備されることが、最も合理的ではないかと訴えました。

 

▶ 3月14日、予算特別委員会2日目(総論及び総務・教育子育て部門)では、①状況変化に応じた対応~能登半島地震を踏まえての対応(大規模災害への備え)~や、②財政規律の回復~緊急時の財政運営からの脱却について~等を踏まえた予算編成についての考え方を質し、万博入場料負担等の個別課題について順次質問しました。

市長から「我々、基礎自治体にとっての使命は様々あるが、最大の使命を1つだけ挙げるのであれば、それは、市民の生命と財産をしっかり守り抜くことであると考えている。これまで、東日本大震災や熊本地震、そして大阪北部地震などの教訓や経験を元に、防災体制の強化に努めてきたが、今回の能登半島地震での課題等を踏まえながら、引き続き防災・減災対策に万全を期していく。」と答弁があり、副市長からは「予算案の最終決定までの間に、本市市域における、大規模災害対策の検証・検討を行う庁内会議については開催していないが、この間、能登半島地震に伴う被災地へ、職員を派遣していることから、これにより現地で得られた知見を検証し、本市の災害対策・防災体制に必要となる対応をしていく。」と答弁がありましたが、使命はご認識いただいていても、優先順位が低く、具体化の動きが遅いわけです。市長のリーダーシップの危機感をもって防災力のさらなる向上に向けた取り組みを具体化し、必要な予算については、国の財源も活用しながら、後送りすることなく速やかに行うことを求めたのですが…。

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