8月27日、総務委員協議会が開催され、「枚方消防署の建替候補地の検討について」等、6案件の協議が行われました。

2024/08/27

枚方市議会議員の奥野みかです。

8月27日は総務委員協議会が開催され、6件の案件の審議が行われました。私は控室で傍聴していました。
今回、提出された案件は次のとおり。

(1)枚方消防署の建替候補地の検討について
(2)第4次枚方市男女共同参画計画の策定について
(3)大阪・関西万博に向けた取り組み等について
(4)サンプラザ3号館の行政スペースについて
(5)枚方市総合文化芸術センターの指定候補者の選定について
(6)くらわんかツーリズムの展開について

それぞれの案件のタイトル部分をクリックすると、枚方市HP「枚方市議会/議会資料室」にアップされた資料にリンクします。

【案件名】

(1)枚方消防署の建替候補地の検討について [危機管理対策推進課、行革推進課]

枚方消防署は1971年1月建設。建築から50年以上が経過する中で庁舎の老朽化が顕著となっており、加えて、外壁の一部が損傷するなど様々な経年劣化等の不具合も発生。また、狭隘な敷地面積であるため、はしご車や化学車等の消防車両が配置できない。消防防災活動能力の維持向上を図るための十分な訓練スペースの確保、訓練施設の設置ができない 。前面道路との高低差・前面道路との高低差により迅速な出動に支障をきたすなど、現況や立地についても課題。

枚方消防署新庁舎の整備に向けては、新庁舎に必要な機能・設備の精査、建替候補地に求める条件や候補地案の調査、研究など様々な取り組みを進めてきている。枚方寝屋川消防組合では、現枚方消防署が抱える課題を踏まえた「枚方消防署新庁舎整備基本構想」を作成に着手する(2024年3月策定)とともに、2024年1月には、本市に対して、建替に係る候補地選定の依頼が行われたところ。今回、検討状況の報告を行うもの。

◇候補地選定のプロセス

①一定規模の敷地面積を有する市有地について、枚方消防署新庁舎整備基本構想等に基づき設定した候補地選定の評価基準(下記参照)により 、比較検討を実施。
②比較検討結果をもとに、枚方寝屋川消防組合等と協議 のうえ、候補地案を選定。
③候補地案の近隣住民のご意見や他用途での活用可能性、関係法令等による建設への影響等も踏まえて、総合的に候補地を選定。

《 候補地選定の評価基準 》
・庁舎や車庫、訓練塔、訓練スペースなど新庁舎に必要な機能・設備を実現するための敷地面積(3,500㎡程度)の確保が可能であること。
・「5分救急」「5分消防」体制を引き続き維持できる立地であること。
・大規模災害時に際しても適切な消防救急活動が持続できる立地であること。(緊急交通路へのアクセスが容易、洪水浸水想定区域外など災害リスクが低い)

◇今後の進め方等

候補地案として選定した旧中宮北小学校跡地について、今後、近隣住民のご意見をお伺いしながら更なる検討を進める。(9月~)
なお、当該跡地については、新庁舎に必要な敷地面積に相当する部分のみの活用を想定している。その他部分の今後の活用については、公共施設マネジメント推進計画による施設総量の最適化等の観点を踏まえ、引き続き検討していく。

 

奥野の意見

市駅周辺再整備の最も重要な目的は、老朽化して危険な公共施設の更新です。公共施設としての役割を終えた市民会館の解体・撤去は速やかに、そして、市役所庁舎はもちろん、枚方消防署や枚方警察署の更新も待ったなし。であるのにもかかわらず、枚方消防署の更新の検討を「置き去り」にして、市役所新庁舎の⑤街区移転計画を進めようとしたことがそもそも不適切であったのではないか。
2021年3月に策定された「枚方市駅周辺等再整備基本計画」に基づき、市民理解を得られるよう、丁寧に新庁舎整備に向けての取り組みを進めていくこともできたかと思うが、結論を急ぐあまり、2022年9月に拙速に市が提案した市役所の移転条例(市役所の位置に関する条例の一部を改正する条例)は、結果として「否決」されている。この度、ようやく枚方消防署の建替え計画の検討を進めるというのであれば、新庁舎の構想・計画の「見直し」もあわせて行うべきではないか。
私は、災害時に行政機能を最大限に発揮することのできる新庁舎は、④街区の防災拠点機能を持った広大な公園・広場と隣接して一体的に整備されることが最も合理的であると考えている。そして、⑤街区については、訓練施設や高度化された消防・救急機能などを備えた枚方消防署と、優れた機能を有した新しい枚方警察署が集積する地域づくりを連鎖的に進めるべきであると考えている。

なお、9月以降、「近隣住民のご意見をお伺いしながら更なる検討を進める」とのことであるが、「当該跡地については、新庁舎に必要な敷地面積に相当する部分のみの活用を想定し、その他部分の今後の活用については、公共施設マネジメント推進計画による施設総量の最適化等の観点を踏まえ、引き続き検討していく」という説明で地域の理解が得られるのか、懸念される。

 

委員の質問

・渚出張所と圏域が重複する。消防力の低下にならないのか。→ 旧中宮北小学校跡地案は渚出張所と圏域が重なるので統合する。その結果、渚出張所の人員を他所で活用することになるが、市全域での消防力の低下にはつながらない。
・騒音、訓練時のサイレン等、地域への配慮が必要。住宅に囲まれた場所である。反対意見が多かった場合、どう対応するのか。近隣住民の気持ちに寄り添って進めていただきたい。
→救助工作車、指揮車等が増える。出動時のサイレン等については、渚出張所時と大きな環境変化はないと考えるが、訓練については、近隣住民の理解を得られるように努める。土日、早朝の訓練、大きな声を出さない等、対応を協議する。
・緊急車両が住宅密集地を通過する頻度が増えるのではないか。緊急車両による事故事例は?
→殿一小~御殿山駅、杉田口禁野線はこれまでも通過している。交通事故事例はこれまで1件。
・人や学生の通行が多いので、意識醸成を図ってほしい。
・現禁野小学校(旧中宮北小学校)の跡地活用について、消防敷地以外、その他部分の今後の活用に関する検討について。住民に跡地活用の全体像を示すべき。医療資材の備蓄(ひらかた病院に近い)も有効ではないか。
→ 2026年秋に引越。2027年度以降のできるだけ早い時期に検討に入れるよう取り組む。
・1971年築の枚方消防署庁舎の更新について、⑤街区に設置する案は検討しなかったのか。
→枚方消防署新庁舎に必要な敷地面積3,500㎡の確保が難しいことから適当ではないと考えている。
・消防署新庁舎を浸水想定区域外に持っていきたいのはわかるが、現消防本部も現枚方市役所も府土木事務所も、④⑤街区も浸水想定区域になっている。
→災害時、緊急車両の出動が想定される枚方消防署は浸水対象区域外を検討するもの。
今回の案件は、消防署新庁舎の位置の課題で、他の施設は今回考慮していない
・議会の中でも消防庁舎の⑤街区設置の意見が複数あったが、⑤街区での検討は行ったのか。また、大規模災害への備えとして、岡東中央公園を市の屋外防災拠点として検討すべきではないのか。枚方消防署は市のセンター的な役割を担うべしと考えるが、現在の渚出張所の圏域だけになってしまうのか。移転条例は否決されている。府は市のまちづくりに協力すると言っているのだから、④街区に庁舎を建てると決めれば、協力してくれるのではないか。


(2)第4次枚方市男女共同参画計画の策定について [人権政策課]

枚方市男女共同参画計画は、枚方市男女共同参画推進条例に基づき、すべての市民が性別にかかわりなく人権が尊重され、個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の実現に向けた本市の基本的な考え方や方向性を定めている。第3次枚方市男女共同参画計画が2025年度で終期を迎えるため、2026年度を始期とする第4次計画について、2024年4月に施行された困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の内容も踏まえ、策定するもの。また、計画の策定にあたり、現状の把握と課題確認を行うことを目的として、今年度、市民アンケート調査を実施する。

◇市民アンケート調査(案)

(1)調査期間/2024年11月上旬
(2)調査対象/枚方市内在住の満16歳以上の男女4,000人、市内小学5年生・中学2年生
(3)調査方法/アンケート用紙またはQRコード付きはがきを郵送し、返信若しくはインターネットにより回答
(小・中学生)学校を通じてQRコード付きチラシを配布し、学校使用のタブレットにより回答

◇策定スケジュール

2024年9月 枚方市男女共同参画推進審議会へ第4次枚方市男女共同参画計画の策定について諮問
11月 市民アンケート調査
2025年3月 アンケート結果公表
10月 市民意見の聴取
2026年1月  枚方市男女共同参画推進審議会からの答申
3月 第4次枚方市男女共同参画計画の策定・公表

 


(3)大阪・関西万博に向けた取り組み等について [政策推進課]

◇大阪・関西万博への出展について

①「(仮称)大阪ウィーク」の出展内容/大阪府内の市町村が連携して、大阪の魅力を国内外に発信する催事/
2025年5月(大阪の祭!〜 EXPO2025 春の陣〜)、7月(同_真夏の陣)、9月(同_秋の陣)
②「Resolution of LOCAL JAPAN展」の出展内容/万博首長連合会員自治体が共創する催事/2025年7月

◇「きてね、枚方。~みんなで創ろう!この街の未来~」(万博PRイベント)

・2024年10月13日(日)12時~20時、淀川河川公園枚方地区
・淀川舟運活性化協議会が実施する万博開幕6か月前イベントと連携して実施
・盆踊り・KARAOKEステージ、ひらかた万博共創プラットフォーム事業者による飲食ブースやワークショップ、ふるさと納税登録事業者による返礼品PRブース、自動運転電動カート体験、空飛ぶクルマに関するVR体験 等

◇万博会場への子ども無料招待について

・2024年9月13日 チケットID申請受付開始(2025年9月30日まで)/特設Webサイトから申請
「こども招待1日券」対象は、2025年4月1日時点で、満4歳~17歳までの方
・2025年4月13日 大阪・関西万博開幕、無料招待開始
【事業費】 66,800千円(特定財源 66,800千円/こども夢基金)
※大阪府の小・中・高等学校等に通学している児童・生徒に対する万博会場への無料招待は、学校教育活動の一環として府教育庁から各学校へ案内が行われている。
※府と市がそれぞれ配付する入場券計2枚を所有する無料招待対象者が、万博開催期間中に1回のみ来場し、その際、市が配付する入場券(チケットID)を使用している場合であっても、当該入場券料は府が負担することになる。

奥野の意見

委員の質問

・「(仮称)大阪ウィーク」の委託の内容について。
→総合的 コーディネートを委託する。本市について熟知している事業者を希望。43市町村はすべて出展する。
・市はどのような企画を求めるのか。
→食の観光、アートカルチャー、7つの企業団地がある「ものづくり」、江戸時代からのもてなしの文化( 淀川舟運)等。
・情報が不足する中の「(仮称)大阪ウィーク」の予算要求について、どう受け止めているのか。市の責任ではないと思うが、しっかりと協議をするべき。
→現段階での予算要求が必要である。
・「(仮称)大阪ウィーク」の出展の目的は何か。
→ 万博会場への来場者が、本市の魅力を知り、万博中もその後も本市に訪れてくれることを目標とする。ひらかた万博の取り組みを再確認。
・「(仮称)大阪ウィーク」は市任せ、制限なしの内容で出展しろと言われて委託料の補正予算計上(9月、24,113千円 )、「Resolution of LOCAL JAPAN展」は定額の負担金の補正予算計上(12月、2,700千円)等、いずれもとてつもなく唐突感がある。担当課からも適切な説明は得られない。府から来たから仕方ないんです、と議会に出す。何かよくわからないんです、という空気感。わかり得る限りの説明をきちんとするべきで、市にはその責任がある。議会も予算案を判断しなければならない。市としての姿勢、理解を求めるという姿勢がみられない。
・10月13日、6か月前のイベント「きてね、枚方。〜みんなで創ろう!この街の未来〜」は、誰に何を伝えることを目的としているのか。どういうことにつながるのか。→ 大阪・関西万博の機運醸成。国外、市外をターゲットに、枚方への誘客を目的とする。枚方にゆかりのある著名人。万博のテーマ等とつながりがある企画を予定。幅広い世代に楽しんでもらえるよう、盆踊りやKARAOKEの企画なども予定している。
・盆踊りやKARAOKEが地域資源としてふさわしいのか。枚方のコンテンツといえるのか。一貫したテーマがない。
→ 盆踊りは市内の盆踊り団体によるもの。交野節。海外からも招待を受ける等の活躍をされている。 KARAOKEは日本発の文化。
・情報発信はどのように行うのか。盆踊りはキラーコンテンツ。
→ 市外や国外にも積極的に発信する。舟運のイベントとの連携。またアンケート調査も実施する。
・盆踊りで枚方に来てもらうというのであれば、少なくとも枚方市民が盆踊りに愛着を感じられるような仕込みが必要であったのではないか。例えば、清水市。多くの市民が、清水の盆踊りへの愛着を持っている。そんな仕込みもなく、盆踊りと KARAOKEで枚方に市外から、国外から誘客できるとは思えない。
・万博会場への子ども無料招待の他市状況について。
→ 大阪府内43市町村のうち、33市町村で実施。入場料のみ助成(枚方市も)は29市町。子ども以外同伴保護者可は4市町、18歳以上は1市。
・チケットID等、チケット発行までの手続きが複雑でわかりにくい。どう周知するのか。動画等の工夫も。
→府と各市は同じサイトを活用する。枚方市民に分かりやすいよう、ホームページ等、整理する。
・行きたくなるようなプラスワンの観点を考えてはどうか。(福祉的ではないもの)
・南海トラフ地震も含め、万博遠足における児童生徒の安全性の確保については,都市教育長協議会からの意見書もある。安全対策が十分ではない中での万博開催は「いのち」の問題でもある。
→万博協会において対応されると認識している。

 


(4)サンプラザ3号館の行政スペースについて [総務管理課、財産活用課]

2024年9月17日に③街区のステーションヒル枚方に開設する枚方市駅前行政サービスフロアへ業務機能移行を予定しているサンプラザ3号館の行政スペースの今後の取り扱いについて。

①賃借部分/市街地開発株式会社から賃借している4階部分は、10月末までに原状回復工事後、返還。
≪参考≫ 年間の維持管理費用(2023年度実績ベースで、37,442千円)

②市所有部分/市が区分所有している2階部分、5階部分については、速やかに売却に向けた手続きを進め、準備が整い次第、公募を行う。なお、売却までの間、総務管理課で所管し、会議室、倉庫・書庫スペース等として庁内活用を行う。
≪参考≫ 年間の維持管理費用(2023年度実績ベースで、33,841千円)

委員の質問

・なぜ「売却」するのか。再開発事業で整備したビルで、耐震性能も不十分である。市が責任をもって、活用し続ける必要があるのではないか。
→行政スペースはステーションヒル枚方に機能移転する。維持管理費用を負担し続けるのは困難。民間に有効に活用してもらう。
・Tサイトであっても店舗撤退の後、埋められていない場所がある。ファッションビルとしてオープンしたビオルネもいまは雑居ビル化している。市駅周辺に商業施設は供給過剰であるのではないか。
→市駅前図書館の図書ストックヤードとして当面活用する部分はあるが、速やかに「売却」を進めたい。

 


(5)枚方市総合文化芸術センターの指定候補者の選定について [文化生涯学習課]

枚方市総合文化芸術センターは、2021年4月1日から指定管理者制度を導入。2025年4月1 日から2030年3月31日までの5年間を指定管理期間とする次期指定候補者の選定。

◇選定の概況

枚方市総合文化芸術センター指定管理者選定委員会に諮問。
公募の結果、申請団体は、「アートシティひらかた共同事業体」1団体。
(代表団体)サントリーパブリシティサービス株式会社
(構成団体)京阪ビルテクノサービス株式会社、株式会社大阪共立
選定委員会の答申に基づき、2024年8月15日に指定候補者を選定。

《事業費》 3,549,981千円(5年間合計額)
2025年度 680,132千円、2026年度 705,876千円、2027年度 706,613千円、
2028年度 721,415千円、2029年度 735,945千円
《財 源》その他(手数料、使用料等): 680,345千円、一般財源: 2,869,636千円

委員の質問

・別館の利用率の改善策について。
→2020年までは行政利用(減免)を認めていたが、2021年以降、減免除外としたことにより利用が減少。今年度より、再度、減免を認める運用に変更となり、利用率の増加が見込まれるが、市民利用を増やす取り組みが必要。
・公募・非公募(特定)の割合について。(全国的には、公募6割)
→本市の指定管理者制度はすべて公募。

 


(6)くらわんかツーリズムの展開について [観光交流課]

2017年度策定の「観光施策に関する考え方」
2022年に定めた「枚方市観光ロードマップ」

◇くらわんかツーリズムの展開について

くらわんか観光マネジメント/本市の観光地域づくり法人(候補DMO)
大阪観光局/地域連携観光地域づくり法人(DMO)、DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)を活用

くらわんかツーリズムについては、2017 年より登録 DMO として観光事業を振興し、多くの実績を有する大阪観光局と連携し、同局が所有する、観光消費単価や滞在者数などの様々なデータが蓄積された DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)を活用し、本市におけるインバウンドを含めた消費行動の現状や特性を分析するなど、データに基づいたターゲット設定やモデルツアーの造成、最適なプロモーション手法を選択していくことにより商品化を目指す。
また、造成したモデルツアーの販売・PR については、本市の観光地域づくり法人(候補 DMO)である「くらわんか観光マネジメント」とも連携・協力することで、2025年度以降についても継続的に推進できるような基盤づくりを目指す。

◇枚方市観光案内所 Syuku56における取り組みについて

枚方モール1階において、9月6日オープンする枚方市観光案内所Syuku56は、「ふらっと訪れた人が今日の楽しみを決められる場所」をコンセプトに、「くらわんかツーリズム」など、本市の魅力的な観光情報の発信や、カンデオホテルズと連携した取組、枚方ならではの特産品の販売など、観光客をはじめ国内外からの誘客に向けた効果的なPR等を実施する。

^