「正義」を問い直す~「誰かのせい」を超えて見つめる社会のかたち。10月13日、「なぜ人を傷つける言葉や態度が増えるのか ~ 他者たたきを考える」をテーマに「みか’s cafe」を開催しました。
2025/10/13
みか’s cafe|正義
枚方市議会議員の奥野みかです。
10月13日、「みか’s cafe」を開催しました。2025年の10回目。今回のテーマは、「なぜ人を傷つける言葉や態度が増えるのか ~ 他者たたきを考える」でした。
「正義」の名のもとに他者を攻撃する風潮、ストレスの発散、寛容さの欠如、孤独や不安、承認欲求、アンガーマネジメント、カスハラ、道徳教育、マーケティング理論、SNSの媒介構造(匿名性)など、多層に広がる要因を一つひとつ見つめ直しました。
「誰かのせい」を探してしまう気持ちは、社会全体に広がっているようです。なぜ他者を責める言葉が生まれるのか。不安や不満の行き場がなくなると、矛先が見えやすい個人に向かいやすいのだろうけれども、本当に問うべきは、その仕組みや構造のほうではないか…。この問いは、個人に起因する問題で「心が病む」のではなく、社会のしくみや暮らしの中に心を病ませる要因があるのではないか等について考えていった前回のみか’s cafe(9月28日)の「心を病ませるものについて」につながるものでもありました。
単に「人権侵害はいけない」と言うだけではなく、なぜそうした風潮が強まるのか、どうすれば押しとどめられるのか。「分断や排除を止めるには何が必要なのか」を考える中で、ファシリテーターさんから「空海が禁じた3つの善行」のお話がありました。
「親切」~それは見返りを求めた瞬間、それは欲望になる
「正義」~他者を裁くことに変わると、怒りと対立を生む
「努力」~承認されたい欲求に支配されると、執着になる
「正義」については、「逆転しない正義」を探し求めていた「あんぱん」にも話題が及びました。善悪を二分し、敵・味方を明確化することの危険性(リスク)との対比もありました。
今日の対話を通じて、「他者たたき」の対極にあるのは、一方的に「正しさ」や「正義」を語るのではなく、「わからない」「悩んでいる」という不確かさ(グレー)を共有することで、目的達成のために、ともに考え、合意形成を図るプロセスであるのかなとも思いました。
「誰かが悪い」「誰かを責めれば解決する」という単純化のロジックは、複雑な課題を感情の物語に置き換えてしまいます。わかりやすい答えを求めるあまり、思考停止につながってしまうことも少なくありません。
政治家が「結論を持つ人」ではなく、「問いを共有する人」になるとき、分断を超えた公共性が生まれるのではないか。そして、他者を責め合う社会から、互いに理解し支え合う社会へ進むための道こそが大切である。そんな学びもありました。
参加いただいた皆さん、ありがとうございました。
多様な皆さんがゆるやかに集まり、テーマを決めて、みか’s cafeで対話をする中で、それぞれの気付きや触発(インスパイア)につながればいいなと、それぞれが持ち帰って、お一人おひとりの活動の中で生かしていただくことができればいいなと思っています。そして、私自身も、対話の中でいただいた皆さんの声を自身の学び、そして取り組みににつなげていきたいと考えています。今回も多くの学びや気付きがあったのではないでしょうか。集まってくださった皆さん、ありがとうございました。
次回の「みか’s cafe」は、11月23日(日・祝)になります。テーマが決まれば、またお知らせします。「みか’s cafe」、引き続き、よろしくお願いいたします(◠‿・)—☆
◇これまでの「みか’s cafe」