市民から市政を預かる重い責任を持つ市長が、フェイクとも言える数字を持ち出して再整備事業の意義を語るのは市民に対する背信行為。6月12日の全員協議会。消したアリーナの効果も算入した経済効果額を持ち出す市長の姿勢を指摘しました。

2023/06/12

枚方市議会議員の奥野みかです。

6月15日から開催される6月定例月議会に先立ち、6月12日、「枚方市駅周辺再整備における取り組み状況について」を案件とする全員協議会が開催されました。(12日のみで終了)

全員協議会の資料はこちらにアップされています。
↓↓

1(1/2).枚方市駅周辺再整備に係る取り組み状況について
2(2/2).枚方市駅周辺再整備に係る取り組み状況について

今回の全員協議会は、パブリックコメントなどを踏まえて更新した「枚方市駅周辺再整備基本計画_改訂版(案)」が示され、③街区における2024(令和6)年度のまちびらきに向けた交通基盤整備の取り組みについて、枚方市駅前行政サービス再編の整備にかかる検討状況について、④⑤街区のまちづくりに係る検討状況について(土地区画整理事業の実現に向けた取組状況)、③街区の(仮称)市民窓口等のあり方について、新庁舎との併設施設の検証結果などの報告を受け、11人の議員が質疑に立つ、というものでした。

私は、全体の5番目に質問しました。その内容は以下の4点です。

1.「枚方市駅周辺再整備シンポジウム~未来に向けたまちづくりを考える~」における伏見市長のプレゼンテーション内容について
(1)経済波及効果について
(2)南口駅前広場・交通のあり方について
2.枚方市駅北口駅前広場に接する地域の公共課題の解決について
3.崩落の危機と隣り合わせである老朽公共施設への対応について
4.市民生活の安全を守るための消防体制の整備について

今期、新しい議員も加わっての全員協議会は初めてではありますが、枚方市駅周辺再整備事業に関する全員協議会は、前期においても、繰り返し開催されてきました。その中で、十分に協議・審議が尽くされたのかと言うと、決してそうではなく、議員の発した指摘や要望が考慮されたのかと言うと、そういうわけでもなかったと思っています。

突然、出てきた市庁舎&アリーナ合築案を断念した経過(検証内容)に関するよくわからない説明。
行政提案の議案が否決されるという50年ぶりの事態を招いた昨年9月の議会での市役所の位置に関する条例案の審議。
特別多数議決を要する議案の否決という結果を得たにもかかわらず、まるでそんなことはなかったかのように粛々と進める再整備基本計画の改訂作業。なぜ今、改訂なのか。⑤街区市庁舎案にそこまで固執する理由は、何かあるのか。
③街区市駅前サービスの中で実現できないワンストップ窓口について。「③街区のワンストップ窓口」という魔法のことば⁉
④街区の市有地を民間事業者に売却し、タワマン建設となった場合のリスクについて。
みどりの大空間での事業展開の実現可能性について。
大規模災害への「備え」こそ必要であるのに、いのちを脅かすボロボロの現市庁舎の課題について。
外周道路の課題について、等々。
さらに、前月25日に開催された市駅周辺再整備シンポジウム等についても、市(市長)の姿勢を問わなければなりません。

いったい、枚方市役所、どうなっているの、と思いながら臨んだ今回の全員協議会でした。

冒頭、市長は、「昨年9月に提案した市役所の移転条例は否決となったが、その後、さまざまな検討を重ねてきた。結論として、併設施設としてのアリーナは断念。しかしながら、⑤街区のにぎわいづくり、連鎖型まちづくりを止めることなく進めていくため、いただいた課題等に対応し、⑤街区への庁舎移転の理由や効果について市民に理解いただけるよう、今後とも議会との意思疎通を図り、さらなる情報発信を率先して行い、着実に取り組んでいきたい」と挨拶されていましたが、全員協議会の流れとしては、それぞれの議員から市の示す考え方に対する問題提起、また、課題を指摘する意見が次々と展開されました。

私は、市民から市政を預かる重い責任を持つ市長が、消したアリーナの効果も算入した経済効果額 1,400億円/年という、フェイク(虚偽)とも言える数字を持ち出して再整備事業の意義を語るのは市民に対する背信行為であると指摘しました。

枚方市駅周辺再整備事業にかかるさまざまな課題を市民に提示(可視化)できたこと、議員間で課題を共有できたことが、今回の全員協議会の効果であったと言えるのかもしれません。

▶「枚方市駅周辺再整備基本計画の改訂等について

パブリックコメントなどを踏まえて更新した「枚方市駅周辺再整備基本計画_改訂版(案)」の改訂箇所は次のとおり。

▶ ③街区における2024(令和6)年度のまちびらきに向けた交通基盤整備の取り組みについて

▶ 枚方市駅前行政サービス再編の整備にかかる検討状況について

▶ ④⑤街区のまちづくりに係る検討状況について(土地区画整理事業の実現に向けた取組状況)

▶ ③街区の(仮称)市民窓口等のあり方について

 

▶ 新庁舎との併設施設の検証結果などの報告

 

 


 

以下、当日の議場でのやりとりを掲載します。

1.「枚方市駅周辺再整備シンポジウム~未来に向けたまちづくりを考える~」における伏見市長のプレゼンテーション内容について

Q.私の質問

市は、5月25日、総合文化芸術センター大ホールにおいて「枚方市駅周辺再整備シンポジウム」を開催された。参加者は約400人だったとのこと。

冒頭の挨拶で、伏見市長は、「(現庁舎よりたった200m移動させる)「市役所の移転条例」は、昨年9月、特別多数議決で必要な2/3に届かず、否決となった。市民に十分な説明ができていなかったのではないかとの指摘もあり、可能な限り、市民説明に努めたい」と、行政提案の条例案の「否決」という枚方市議会における歴史的な出来事に軽く触れられた後、「枚方市駅周辺のまちづくりについて」のプレゼンテーションなどを行われた。多数の市民を前に、市長が直接に語られる説明というものは、極めて重みのあるものであることから、疑問を感じた点について、市長の説明を求めさせていただく。

[※2023年5月25日シンポジウム_伏見市長プレゼンテーション資料より抜粋/2023年6月30日追記]

(1)経済波及効果について

Q.私の質問

まず、1点目は、「経済波及効果」について、である。
市長は、「1年間で約1,400億円!」と「経済効果額」を持ち出して、枚方市駅周辺再整備事業の意義を語られた。
昨年9月の全員協議会に提出された「③、④⑤街区の再整備による経済波及効果(関西大学宮本名誉教授による試算)」を使われたものと思われるが、「枚方市駅周辺再整備基本計画改訂版(案)」(35ページ)にも掲載されている「経済効果_約1,400億円/年、約4,200億円/10年」の試算根拠となる前提条件は何か、伺う。
具体的には、アリーナは想定内の施設なのか。他にどのような施設を想定したのか。「建設・投資額」を推計するための前提として、どのような建築物の形態や規模を想定したのか。「消費支出」を推計するための前提として、どのような商業施設に、どのような業態の事業者が、どのような経営を行うと想定しての試算であるのか、伺う。

A.市駅周辺まち活性化部長の答弁

経済波及効果の前提条件については、再整備基本計画でお示ししたまちづくりのイメージの段階で、その効果を試算するツールの1つとして、これまでの議会からのご意見も踏まえ、一定の目安となる客観的な指標として、経済学の専門家が専門的見地によりに試算をしていただいたものである。
また、算出の前提である土地利用の想定により、試算結果は違ってくる性質であることとなっており、今後、まちづくりの具体化を図り、都市計画の内容や土地利用などが明確になるなど、算出の根拠が明確になった段階で、必要に応じて見直しを検討することとなる。
次に、その試算については、③街区、④⑤街区のまちづくりによる建設投資の事業費や、サウンディング型市場調査で民間企業等から提案のあった内容を参考にして、アリーナのほか、都市型居住施設、飲食店や小売店、クリニック、デジタルシアター、能楽堂、インキュベーション施設などのコンテンツ及びその店舗等の規模、建設投資の事業費、その店舗等の年間消費支出などの直接効果を算出し、大阪府産業連関表を用いて算出している。

Q.私の質問

同じく、「再整備基本計画改訂版(案)」(35ページ)に掲載されている「雇用の創出_約12,000人増/年、約39,000人増/10年」の試算根拠となる前提条件は何か、伺う。
コロナ禍における経営悪化・人出不足・ITの進展のために、コロナ以前と比べ、店舗等の運営形態は大きく変化している。「雇用の創出」推計の仮説はどのようなものか。新規雇用を発生させると想定した業種・業態・数はどのように想定したのか、伺う。

A.市駅周辺まち活性化部長の答弁

雇用創出効果の前提条件については、先ほどお答えさせていただいた経済波及効果と同様に、経済学の専門家が専門的見地によりに試算をしていただいたもので、その試算については、サウンディング型市場調査で民間企業等からの提案、ヒアリング内容、統計資料やその他の関連情報の調査を行い、店舗の業種や業態、規模、従業員数などの雇用を想定し、算出している。

[※2022年9月全員協議会資料より抜粋]

O.私の意見

市長が行われたプレゼンテーションだったので、市長のご答弁を求めたつもりであったが、「経済効果」「雇用の創出」は「再整備基本計画改訂版(案)」にも掲載されている数字なので、山中市駅周辺まち活性化部長から答弁があった。

これ、とんでもない試算だと思う。
なぜかというと、「経済効果」の試算の前提となる④⑤街区のまちづくりにおける整備施設の想定は、答弁によると「アリーナのほか、都市型居住施設、飲食店や小売店、クリニック、デジタルシアター、能楽堂、インキュベーション施設など」とのことであった。
これらのコンテンツは、「サウンディング型市場調査で民間企業等から提案のあった内容を参考にして」ということなので、ヒアリング時に確認すると、都市型居住施設は、370世帯とか、250世帯とかいうタワーマンションが想定されているようであるし、今回、市庁舎併設施設としての可能性を断念した5,000人規模のアリーナまでもが推計の前提に含まれているようである。アリーナの効果額は約38億円と言われていたかと思うが、この効果額は、早くも消えた。
また、「雇用の創出」に関して、「雇用創出効果の前提条件については、先ほどお答えさせていただいた経済波及効果と同様に、経済学の専門家が専門的見地によりに試算をしていただいたもの」とのご答弁であったが、前提条件は「経済学の専門家が専門的見地によりに試算」するものなのか。よくわからない。
「経済波及効果」のご答弁では、「算出の根拠が明確になった段階で、必要に応じて見直しを検討することとなる」とも言われていたが、これは、逆に言えば、「算出の根拠は、今の段階では不明確だ」ということである。
そもそも、そもそも、④街区の民活導入エリアにおける整備内容は、民間事業者募集に実際に応じた事業者からの提案を受け、それを「選定」して初めて確定するものではなかったのか。

Q.私の質問

「未来に向けたまちづくりを考える」ということであったが、市民から市政を預かる重い責任を持つ市長として、こうした裏付けのあいまいな数字、根拠の不確実な数字を「再整備基本計画改訂版(案)」に掲載した上、シンポジウムに参加されたたくさんの市民の前で語ることが果たして適切であると考えているのか、伏見市長に見解を伺う。

A.伏見市長の答弁

私が、シンポジウムで講演した「経済波及効果と雇用創出効果」について、先ほど担当部長から答弁があったとおり、経済学の専門家にご試算をしていただいたものであり、その結果を、市民にわかりやすくお伝えするために用いたものである。

O.私の意見

経済波及効果なる推計の現実性や妥当性についても、さまざまな見解がある。
そのことはさておいても、推計の前提が全く不確実なのに、勝手に想像して決めているのが問題なわけである。「一定の目安となる客観的な指標」であり、「算出の前提である土地利用の想定により、試算結果は違ってくる性質である」ことを充分理解されているにも関わらず、である。
経済学の専門家としての宮本名誉教授のお名前をしきりに出されるが、「私の名前を言い訳に使うな」と、お叱りを受けるのではないか。
事業の前に想定したことが上手くいかない、新しく建設された施設の床が埋まらない、こうした状況に陥って非常に苦労したのが市街地再開発事業で整備したサンプラザ3号館の歴史であったはずである。
「1年間で1,400億円の経済効果! 関西で約209億円というオリックス・バファローズ優勝の経済効果よりも大きい効果」「雇用の創出は1年間で約12,000人の増!」
もはや「虚偽=フェイク」とも言える無理やり算出した数字をひけらかして、市長自らが枚方市駅周辺再整備事業の意義を語られる。これは、もはや市民に対する背信行為で、不誠実、極まりないものである。そして、わかりやすいからこそ、罪は重いわけである。今回の質疑でこうした批判を受けなければ、市長は今回のシンポジウムのあとも、引き続いてこのことを市民に語り続けられたのではないか。このような振る舞いは、市民から市政を預かる重い責任を持つ市長として、極めて不適切であり、そのことにより、枚方市駅周辺再整備事業の必要性や有用性に対する説得力は著しく低下したと指摘しておく。

そして、何よりも、枚方市駅周辺の再整備事業の必要性は、「市民の生活」や「公共的な課題解決」のための必要性や意味から語られるべきもので、ゼネコンなどの売り上げが大きなシェアを占める「経済効果」などで語るべきものではない。
美しい景観も、まちが賑わうことも「手段」であり、「目的」は、市民の都市生活がどう豊かになるのか、公共的な課題を解決し、都市の持続性をいかに高めるのかが重要、である。
「たゆたえども沈まない」目標を掲げて、「現在市民の合意より、将来市民の希望を」と。「賑わい至上主義」ではなく、まずは市民の暮らしや生きざまと結びつけたまちづくりが大切で、だからこそ、市民の意見を聞くこと、参加・参画を促すことがとても重要である等、講師がシンポジウムの基調講演で語られていたことをしっかりと受け止めていただきたいと要望しておく。

 

(2)南口駅前広場・交通のあり方について

Q.私の質問

2点目は、「南口駅前広場・交通のあり方について」である。
市長は、枚方市駅南口を出ると、すぐに緑の空間が広がり、車ではなく「歩行者が優先される駅前」を整備する、という考え方(ビジョン)を述べられた。しかし、枚方市駅の南口駅前広場は、枚方市駅に集中する路線バスやタクシーといった公共交通の結節点であり、また、駅への送迎のための一般車両の結節点でもある。
そこで、市長がシンポジウムの中で示された(ラフな水彩画の)イメージ図は、どのような配置計画図を参考に描かれたものか、伺う。
また、④街区に新たに整備するとしている道路の通行車両を規制するだけで、このビジョンを実現できると考えて、シンポジウムでプレゼンされたのか、伏見市長に伺う。

A.伏見市長の答弁

まず、5月25日に開催したシンポジウムにおける私のプレゼンテーションにおいては、「枚方市駅周辺再整備基本計画」で示した「連続性のあるシンボリックな駅前空間のイメージ図」を用いており、市民にわかりやくお伝えするためにお示ししたものである。
市駅周辺再整備においては、駅前に大空間を創出するとともにウォーカブルなまちづくりを目指しており、その考えをシンポジウムで述べたものである。
その具体化にあたっては、地権者の合意形成や交通規制も含め総合的な検討を行う。

[※2023年5月25日シンポジウム_伏見市長プレゼンテーション資料より抜粋/2023年6月30日追記]

O.私の意見

「シンポジウムで示されたイメージ図は、「再整備基本計画改訂版(案)」を全部読んでいただいたら想定いただけるものであり、このイメージ図のもととなる配置計画図として示せるものがあるわけではない」と、ヒアリング時に説明があった。全く理解できない説明であったが、市長がシンポジウムで話された「歩行者が優先される駅前広場」を実現するというのであれば、具体的な整備計画図を示さなければ、利便性やリスクなど、詳細な検討や議論さえ行うことはできないと考える。
枚方市駅前に通過交通が流入し、交通渋滞を発生させている現状を踏まえると、②街区や④街区の再整備にとどまらない、枚方市駅南口の駅前広場の抜本的な再整備やそれとリンクする周辺道路網の再整備が必要となると考えるが、こうしたビジョンや計画案については何の説明も聞いていない。
「具体化にあたっては、地権者の合意形成や交通規制も含め総合的な検討を行う」とのご答弁である。つまり、「まだ何も決まっていない。これからである。」と、ただいま市長は正直に述べられた。

結局、ただいまの答弁によると、シンポジウムのプレゼンテーションでは、枚方市駅周辺再整備基本計画の、しかも、改訂版(案)の説明をしていたはずなのに、いつの間にか、実現できるかどうか全く不明なビジョンのレベルの話にすり替えられている、というわけである。

枚方市の現在と未来に対して責任を負うべき市長が、議会で「否決」された新庁舎の⑤街区移転を核とした「再整備基本計画改訂版(案)」を無理矢理すすめるために、そのような熟度の低いビジョンを持ち出されることは、無責任極まりない、大きな問題であると指摘しておく。

 

2.枚方市駅北口駅前広場に接する地域の公共課題の解決について

Q.私の質問

次に、「枚方市駅北口駅前広場に接する地域の公共課題の解決について」、伺う。
再開発事業地と隣接する場所にある既存の排水施設(新町地区内の水路)についても、再開発事業地内からの連続性や地域の全体性を考えて、枚方市駅周辺再整備事業を進める中で、関連する雨水施設の整備を行うべきではないか、伺う。

A.市駅周辺まち活性化部長の答弁

③街区の再開発事業に伴う、新たな雨水流入量の増加については、敷地内に設置する排水施設から既存公共雨水施設へ流出することになり、議員お示しの新町地区内の水路へも流出される計画であると再開発組合に確認している。
新たな流出量に伴い、既存公共雨水施設による処理が可能であるかについては、再開発組合により排水計画を提示した上で、管理者と協議を行い、周辺へ影響が無いように対応していく。

O.私の意見

③街区における市街地再開発事業だけが枚方市駅北口側において求められている再整備事業ではない、と考える。隣接地域の排水施設、既存公共雨水施設の接続が公共課題であることが明らかである中、今回、大規模な再整備事業を行うにあたり、少なくとも、その間、多大なるご負担をおかけしている隣接地域住民の皆さんの要望を解決する姿勢が見られないことは非常に残念である。更新も課題となっている新町地区内の水路(排水施設)は、現在も非常に不規則な運用実態となっているようである。
「新たな流出量に伴い、既存公共雨水施設による処理が可能であるかについては、再開発組合により排水計画を提示した上で、管理者と協議を行い、周辺へ影響が無いように対応する」とのご答弁である。これまでに何を協議してきたのか、していないのか、よくわからないが、下流となる北口駅前広場側との連続性も確認しておいていただきたい。
各地でこれまで想定できなかった雨水被害が現実化している。隣接する両端が、(暗渠、ボックスカルバートになるのか、)新設の排水施設となるわけであるから、その間に挟まれる、暗渠も開渠も不規則に連続する「老朽排水施設」である新町地区内の水路(弱い部分)の被害リスクが高まることは容易に想定できると思う。今からでも、隣接地域の(公共下水道の)雨水整備事業(新町地区内の水路)の課題解決に着手するよう、要望しておく。

 

3.崩落の危機と隣り合わせである老朽公共施設への対応について

Q.私の質問

次に、「崩落の危機と隣り合わせである老朽公共施設への対応について」、伺う。外壁等の崩落危険性が高い市庁舎本館や市民会館大ホール棟、職員会館、旧市民会館本館は現状の状態でいつまで残されることになるのか、伺う。

A.市駅周辺まち活性化部長の答弁

④⑤街区のまちづくりでは、2024(令和6)年度末の都市計画の決定等、2025(令和7)年度の土地区画整理事業の事業認可などに向けて取り組んでいるところであり、議員お示しの市有施設については、この土地区画整理事業の中で、順次、除却などが実施されることとなる。
市民会館や大ホール、職員会館、第3分館については、事業認可を取得後、できるだけ早期に除却、現在の庁舎については、⑤街区に2033(令和15)年頃の新庁舎建設後の除却を想定している。
今後、④⑤街区のまちづくりを具体化する中でこうした建物の除却時期を明確にしていく考えである。

O.私の意見

「市民会館や大ホール、職員会館、第3分館については、事業認可を取得後、できるだけ早期に除却、現在の庁舎については、⑤街区に令和15年頃の新庁舎建設後の除却を想定している」とのお答えである。大規模災害の危険性が高まっている中では、当面の安全を確保したら、速やかに解体に着手することが重要だと考えるが、庁舎の除却は、ご答弁によると、少なくとも10年後になるようである。そして、「市庁舎本館などの市有建築物は、引き続き、適正な点検と修繕などを行いながら、管理・運営していく」ということのようである。
この間、④街区の公共施設の老朽化による危険性の高まりが、次々と現実のものとなっている。市役所庁舎などの老朽化限界が可視化された。震災や台風被害が相次いでいる中で、これらの公共建築物の放置は、市民生活の安全を守る自治体の責任を放棄するものではないか。
1960(昭和35)年建設で、築63年、先日(4月7日)、4階軒先からコンクリート片が崩落した市庁舎本館の外壁等打診調査は6月中に終了予定で、その結果を踏まえ、庁内協議を進め、対応方針を確定していくと聞いている。設計等もあるので、実際の修繕・改修対応はまだまだ先になるだろうとのことであるが、その間に、さらなるブロック崩落などが起こらないとも限らない。大ホール棟及び第3分館の維持管理コストは2022(令和4)年度予算ベースで約4,300万円、光熱費は1.5倍くらいになっているようであるが、最終の決算額としては、ほぼ予算額と同等、そして、大ホール棟の解体費用は1,9億円と聞いている。逸失利益の大きさを考えると、速やかなるハンドリングが求められるのではないか。

枚方市の問題点として、「まず、市庁舎が古すぎる」ということをよく聞く。かつて、豪華な庁舎建設ラッシュがあった頃、古い市庁舎は、「市民サービスを優先している現れ」などという評価がなされたこともあった。しかしながら、清掃工場、火葬場、ホールといった基盤的施設の更新が終ったのに、このような状態の市庁舎をダラダラと存続していると、「枚方市の行政能力が低い」と宣伝しているようなものはないか。
第三者的に見て、例えば民間企業の場合、このような社屋の会社であれば、おそらく経営状態が疑われるであろう。そして、行政の場合、どうだろうか。このような市庁舎の状態を放置している行政が、大規模災害への備えや、自治体DXを唱えて、果たして信頼されるだろうか。転入しようとする人が、枚方市は住みやすい、行政サービスのレベルの高そうなまちだなと思ってもらえるだろうか。

大ホール棟等を早期に解体・撤去し、少しでも早い時期に④街区の市有地内に市庁舎を整備できるようシフトすべきではないか。伏見市長が前提条件としている、⑤街区への市庁舎移転からの「連鎖」を待っていては、遅きに失するかもしれないと指摘しておく。

 

4.市民生活の安全を守るための消防体制の整備について

Q.私の質問

次に、「市民生活の安全を守るための消防体制の整備について」、である。
市民生活の安全を守るために、消防体制を整備することは極めて重要な課題である。しかし、枚方市駅周辺再整備計画においては、それが軽視されているのではないかと懸念される。
枚方消防署の建替え位置が現在地から離れると、市駅周辺での救急対応に支障が出るのではないかとの懸念から、⑤街区に救急業務に特化した救急ステーションの整備について検討しているとの話があり、消防署の運用を考えると、消火と救急の機能を切り離すことは非効率で、体制を弱体化させるものではないかと尋ねたところ、消火と救急の機能を兼ね備えることの重要性を踏まえて、消防組合と検討しているとのお答えをいただいた。
枚方消防署の建替えに必要な用地は枚方市が確保すべきもの。市駅周辺に5,000㎡の用地が必要だとされているのに、なぜ、④⑤街区の中の貴重な市有地を売却する計画になるのだろうか。消防行政の軽視ではないのか、伺う。

A.市駅周辺まち活性化部長の答弁

枚方市駅周辺再整備においてめざすまちづくりに向けては、⑤街区において防災拠点機能を強化した新庁舎や④街区での防災・減災機能有する公園・広場などの整備、大ホール跡地などへの民間活力の導入を図る考えである。
市駅周辺再整備においては、消防力や救急業務の充実は重要であると考えている。引き続き、消防組合と連携を図りながら消防署機能の整備について検討を行う。

O.私の意見

耐震補強について、伏見市長が、2011(平成23)年消防組合議員であった時のご質問(2011年3月24日_枚方寝屋川消防組合議会)をご紹介する。
「消防本部・枚方署合同庁舎及び寝屋川署庁舎については、建て替えを視野に入れた上で耐震補強を行っており、Is値は0.75を確保したものの、0.9には至っていないとの答弁であった。今回の東北地方太平洋沖地震における被害の全容はまだわからないが、マスコミ報道によると、市役所庁舎、消防庁舎など災害拠点の機能そのものが消失するというすさまじい被害を受けた自治体がいくつもあると認識している。本組合においても災害拠点機能の重要性を再認識し、東南海・南海地震など予測される災害に対して庁舎の耐震性など対応が十分かどうか、再検証されることを要望する。」

現枚方消防署は、2007(平成19)年に行った耐震補強も、実は消防庁舎として十分な機能を満たせるものではなく、近い将来に建替えをするのであればとの応急的な措置であったようである。
現2,000㎡の敷地では狭隘で訓練施設も不十分であり、建替えに際しては5,000㎡程度の敷地の確保と、訓練施設、特殊車両(化学車・梯子車)等の配備も要望しておられる。そのような施設を「⑤街区で確保することは困難である(市駅周辺では難しい)」との市からの回答を得ており、市の方でも、候補となる場所を探してくれているところではあるが、消防職員は、老朽施設の中で、普段より振動が激しい上に、それこそ、市役所本庁舎のような軒先からの崩落がないかと日々ひやひやしている状況であると聞いている。
枚方消防署や枚方警察署の建替えがアジェンダ(取り組むべき政策課題)となっていないのは、「政治」の責任ではないか。
伏見市長は、このことを政治課題にすると市役所の⑤街区移転計画の支障になるから隠しておられるのだろうか。市議会議員であった時の質疑を思い起こしていただければ、消防庁舎、そして市庁舎もであるが、それらの施設の問題点などは充分理解いただけると思う。現消防庁舎の危険性とその建替えが極めて緊急性の高いアジェンダであることをしっかりとご認識いただき、市庁舎の⑤街区移転だの、市有地の売却などと言って、その解決の道筋を放棄してしまうことは、やめていただきたい。
賑わいだの、ワクワクだのという言葉には内容はなく、説得力もない。この後、DX推進のなかで、市民の求める市庁舎のありようや果たすべき役割も変わってくるかもしれないが、現在の極めて緊急性の高いリスクから目をそらすことなく、いま、目の前の市民の暮らしの安全・安心、そして、将来市民の希望となる判断を求めておく。

 

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